「VUCA」とは?
ビジネスの世界で使われることが多くなってきた「VUCA」というワードがあります。
「VUCA」とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をつなぎ合わせた造語で、これら四つの要因により、現在の社会経済環境がきわめて予測困難な状況に直面しているという時代認識を表す言葉です。もともとは1990年代のアメリカで冷戦終結後の複雑化した国際情勢を意味する軍事用語として使われ始め、2010年代には経営やマネジメントの文脈においてもとりあげられるようになりました。
出典:VUCA|日本の人事部
この言葉の通り、今のビジネスの現場においては一寸先は闇という状況で、不安を抱えながら仕事をしている人は多いのではないでしょうか?
そして、そこで求められる力、また不安を払拭できる力は、「変化に対応できる力」これ以外にないと感じています。
カリスマ経営者で知られたセブンイレブンの元社長・鈴木敏文氏が、『仕事の原則』において、これからの世の中においても応用可能な、変化に対応するための仕事観について語られています。その中でも、僕が響いた仕事のエッセンスを3つにまとめ、ご紹介します。
目次
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変化を読み取る力
変化には大きな変化と小さな変化があります。
大きな変化とは、国際情勢、テクノロジー、経済環境、人の価値観、ライフスタイル…
小さな変化とは、街を歩く人の服装、色使い、持ち物…
鈴木氏は、まず大きな変化ではなく、小さな変化から捉えることが大事だといいます。
小さな変化に気づき、それを大きな変化とリンクさせて考えることで、なぜそのような変化が起こったのかを考える。という思考のプロセスをたどることで、統計の数字では見えてこない、新しい視点から発見が得られるということです。
また、そのような変化に気づくために大切なことは、すべてゼロベースの思考で、新鮮な目を持って、物事を観察するということです。
このモノの見方の習慣化が、変化を読み取る力をつける上で欠かせないことです。
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仮説検証する力
変化を感じた中で仮設を立て、それが本当に正しいのか?もしくは、再現性があるのか?ということを検証するのがこのステップです。
仮説では、先行情報と経験情報の掛け合わせ。
先行情報とは、事前に予測可能な未来の情報。例えば、2020東京五輪開催等…
経験情報とは、日々の経験によって蓄積された情報。例えば、〇〇曜日は、〇〇の商品が良く売れる等…
仮説を立てる際は、先行情報を前提に置きながら、経験情報に照らし合わせて考えることがポイントです。
検証では結果として何を知りたいのか?が一番大事。
検証を繰り返して、膨大なデータを蓄積することは、資金を投下すればいくらでも可能な世の中です。しかし、大切なことは、どんなゴール設定に向けて何を知るためにデータを収集するのか?ということです。
様々な業務の自動化が進み、人の手がますます要らなくなる中でも、唯一人としての役割が求められるものがこの部分だと思います。
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自己差別化の力
商品・サービスにどんな意味を持たせるのか?
量を追求する時代はとうの終わりました。そして、一定の需要のある商品やサービスも同質化が進み価格競争に突入しています。
そんな状況の中で、価格競争に巻き込まれることなく、ポジションを確保する方法が独自の差別化です。
例えば、食料品であれば、目的としては、まず食べられるか、そして、次においしいかどうか。ですが、実際ほとんどの商品は、その2つの条件を満たしています。
差別化とは、それ以外に「希少性」や「幸福感」などを与えられる意味付けができているかどうかということがポイントです。
まとめ
- 変化は日々の小さな変化から読み取る。
- 先行情報と経験情報から仮説を導きだす。
- 提供する商品やサービスの価値は、顧客にとって意味あるものにすべし。