【スタートアップ経営者も実践】「一人読書合宿」とは?
世の中の激しい変化。
溢れる情報。
そんなカオスの中では、
即断で自分が歩むべき方向性を決めなければいけない。
その為には、経営者であっても、またサラリーマンであっても、
一度立ち止まって、しっかりと自分と向き合う時間が必要です。
自分が目指している方向性や、やるべきことは、
現状において、本当に正しいのか?
ということをシュミレーションすることが大切です。
そうすることで、以下のようなものを得ることができます。
- 自分の行動に自信が持てる。
- 自分の知的リソースが増える。
- 素早い決断ができる。
しかし、通勤中の電車の中や、退社後の家やカフェでは、
なかなか自分と十分に向き合うことができるほどの時間を捻出する事は難しいです。
じっくりと腰を据えて、一人になる時間と環境を確保する必要があります。
その為の具体的提案が、
「一人読書合宿」です。
これは株式会社ココナラ社長の南章行さんも、実践している方法で、
著書『好きなことしか本気になれない』の中でも紹介されています。
簡単な南さんの略歴です。
1975年生まれ。愛知県立旭丘高校・慶應義塾大学でラグビーに明け暮れ、1年間の休学でアメリカ留学を挟み卒業。住友銀行(現三井住友銀行)に入行後、2004年に企業買収ファンドのアドバンテッジパートナーズに転職。2009年には英国オックスフォード大学経営大学院(MBA)を修了する。帰国後、NPO法人ブラストビートの設立や、NPO法人二枚目の名刺に参加。2011年、株式会社ウェルセルフ(現株式会社ココナラ)を設立し現職。
ここからは、「一人読書合宿」のステップに分けてみていきましょう。
本を探そう!
自分が興味や関心のある分野。
学びを深める必要性のある分野。
これらの中から、今回の合宿で身に付けるべき1つの分野に絞りましょう。
分野を絞ったら、
その分野に関する書籍を約20冊くらい用意します。
その際のポイントは、
宿を探そう。
読書に集中できるよう誘惑が少なくかつ、
自然が多い静かな環境の宿を予約しましょう。
高級宿に泊まる必要は全くありません。
関東であれば、箱根あたりでしょうか?
宿泊日程は、時間のない社会人であれば一泊二日が目安かと思います。
宿選びのその他のポイントは、
- 部屋で食事がとれる。(時間の節約)
- 温泉がある。(リフレッシュ)
- 移動に時間をかけすぎない。
合宿1日目のスケジュール
本のカバーを外す
地味な作業かもしれませんが、
じっくり本を読む際は、しっかりと手に馴染むように、
つるつると滑ってしまうカバーや帯は外しておくことをおすすめします。
これだけで、読書の集中力は大きく変わります。
すべての本をざっくり読みする
ここからは、実際の読書に入っていきます。
すべての本のあらすじと目次に目を通します。
そこで、
・この本の主張は何だろう?
・自分はどんなことを疑問に思ったか?
そのようなことを読みつつ、考えていきます。
大きな付箋メモをつくる
ざっくり読みで考えたことは、書かないと忘れてしまいます。
大きな付箋メモを、本1冊につき、1枚用紙して、
自分がその本で押さえるべき主張や、得るべき課題を
抽出したワードをワンセンテンスで書き綴っていきます。
小さな付箋メモを貼っていく
すべての本の2週目の読み込みに入ります。
1週目の読み込みで、自分が貼った大きな付箋のテーマに対して、
それに答えるための要素を抽出していきます。
小さな付箋を用意して、
- 章やタイトル
- 小見出し
- 太字
- グラフや表
などに、貼っていきます。
1日目まとめ
ここまでの作業は、読書によるインプットです。
20冊分は相当しんどいですが、
すべてのページを精読する必要はありません。
高速で必要箇所を抽出するという作業自体で、
あとから気になったところを検索する能力も高まっているはずです。
そして、付箋を貼っていくと「20冊やり切ったという」事実も自信になってきます。
夜は、温泉に入ったり、晩酌を楽しんで、リフレッシュしましょう。
合宿2日目のスケジュール
マインドマップにイシュー(問い)を書き出す
1日目に作った大きな付箋を使用し、
自分なりのイシュー(問い)を書き出していきます。
初日が、インプットの作業だったのに対して、
二日目からはひたすらアウトプットの作業になります。
例えば、
- 自分の今後のキャリアをどう描いていくのか?
- 自分が携わっている業界の動向はどうなっていくのか?
- 自分がすべきこと、しなくていいことは何か?
イシューベースの書き込みを行う
小さな付箋の情報を使いながら、
自分の立てた問いに対する答えとなるもの書きこんでいく。
ここでのポイントは、あくまでワードを書き写すということではなく、
問いに合わせて自分なりに考えた言葉を選ぶことが重要です。
つまり、小さな付箋の具体的な内容を抽象化し、
自分の問いに合わせて転用するということです。
マインドマップを完成させる
書き込みを行った大きな付箋と小さな付箋を組み合わせることで、
自分が現状で持っている問いとそれに対する仮説が、
体系的に可視化されます。
これによって、読み込んだ20冊の本が、
「紙の束」から自分の「知的財産」に変えることができるのです。
考察
今回ご紹介した「一人読書合宿」の目的は、
決してマインドマップの作成ではありません。
作成したマインドマップをことで、
今後の仮説検証や行動指針として役立てることが真の目的だと思います。
そして、一度このマインドマップを作ってみるだけで、
次から読む本の理解が大きく深まることや、
仕事での意思決定スピードが上がることは間違いありません。
皆さんもぜひ、一度自分とじっくり向き合う時間を取ってみてはいかがでしょうか?