『ハインリッヒの法則』から学ぶリスク回避術。
皆さんの生活やビジネスの現場には、
どんなリスクが潜んでいますか?
- ビジネス環境の悪化
- 人間関係の悪化
- 予期しない事故
僕らに襲い掛かるこれらのピンチは、
いつも突然起こるものと思われがちです。
しかし、実際には「0か、100か」の問題ではありません。
これらピンチの裏側には、
多くの予兆が隠れており、
その結果として、最悪な状況が発生しているのです。
これらを具体的な数値をもとに定義づけたのが、
アメリカの損害保険会社の安全技師であるハインリッヒ氏が発表した
『ハインリッヒの法則』です。
ハインリッヒ法則とは?
1件の重大事故の背後には、重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、さらにその背後には事故寸前だった300件の異常、いわゆるヒヤリハット(ヒヤリとしたりハッとしたりする危険な状態)が隠れているというもの。「1:29:300の法則」とも呼ばれます。
つまり、ヒヤリとするような予兆があった時、
何も手を打たないことで、10回に1回は小さな事故が発生する。
その小さな事故に手を打たないと、30回のうち1回は
大事故につながるという理解ができます。
なぜ、多くの人は手を打たないのか?
大企業の不祥事などの記者会見で、
事件・事故の再発防止についてよく耳にする回答があります。
「周知徹底いたします。」
「教育訓練を再徹底いたします。」
「管理強化を再徹底いたします。」
これらは、受け手側からすると、
無策としか聞こえない回答ですよね。
それは、「なぜ?」に答えていないから。
という結論に尽きると思います。
- どうすれば、ヒヤリは防げたのか?
- どうすれば、小さな事故は防げたのか?
根本的な「なぜ?」を考え続けることで、
小さなリスクを潰していくことが、
大きなリスクを回避するための最大の防御となるのです。
守りだけでなく、攻めにも有効
『ハインリッヒの法則』は、
リスク回避、事故の未然防止などの防御の性質が強い理論ですが、
攻めの姿勢に対しても応用することができます。
- 会社の売上を上げたい
- ブログのPV数を上げたい
- Twitterのフォロワー数を増やしたい
これの成功要因を「1:29:300」の法則に当てはめてみると、
わかりやすいかもしれません。
会社の売上
300:商品を知っている。
↓
29:商品に興味を持っている。
↓
1:商品を購入する。
<アクションの優先順位>
- 商品の認知度を上げる為には、どうすればよいか?
⇒相性の良い広告手段を模索する。
- 商品の興味を持たせるには、どうすればよいか?
⇒競合との差別化手段を模索する。
- 購入に至るには、どうすればよいか?
⇒適正な価格設定を模索する。
ブログのPV
300:検索表示される。
↓
29:検索結果の中から関心を持たれる。
↓
1:ブログを閲覧する。
<アクションの優先順位>
- より多く検索表示される為には、どうすればよいか?
⇒競合が少ないキーワードを模索する。
- 関心を持たせるには、どうすればよいか?
⇒ターゲットユーザーが関心あるキーワードを模索する。
- 閲覧に至るには、どうすればよいか?
⇒魅力のあるタイトル名を模索する。
Twitterのフォロー
300:タイムラインに表示される。
↓
29:プロフィールを見る。
↓
1:フォローする。
<アクションの優先順位>
- より多くTL表示される為には、どうすればよいか?
⇒より多くの人に拡散される手段を模索する。
- プロフィールに関心を持たせるには、どうすればよいか?
⇒ターゲットユーザーが関心もつアイコンや経歴を模索する。
- フォローに至るには、どうすればよいか?
⇒フォロワーにとってのメリットを模索する。
考察
「なぜ?」を繰り返すという行為は、
様々なところで重要性が唱えられていますが、
数値化してそのリスクを訴えている『ハインリッヒの法則』の
法則は、とても納得性のあるものだと感じています。
また、成功要因への応用については、
あくまで僕個人でのモチベーション論に近いと感じています。
なぜなら、「事故」が発生する可能性よりも、
「成功」を勝ち取ることができる可能性はもっと少ないと感じるからです。
「1:58:600」、「1:116:1200」かもしれません。
しかし、それだけ成功についても小さな成功の積み重ねが重要という、
根本的な部分は変わらないと思います。
大きな失敗を犯さない。
大きな成功をつかむ。
どちらも、些細な出来事に「なぜ?」と考えることが大切。
という話でした。