【センスのある人ない人】センスは生まれもった才能なのか?考える。
あなたは「センスとは、どのようなことか説明してください。」
と言われたら、どのように答えますか?
「センス」ってとても抽象的で、
言語化するのが難しい言葉ですよね。
僕も「センス」は大切。
と思いつつも、それが具体的にどう大切なのか?
その理解に悩んでいました。
しかし、楠木健氏著の『読書戦略日記』における一節が、
非常にわかりやすく「センス」についての解説をしているので、
引用させていただきます。
「スキルがビジネスのベーシックス、「国語算数理化社会」の世界だとすれば、センスというのは課外活動、「どうやったらモテるか」という話である。
「こうやったらモテるようになりますよ」という標準的な方法論は存在しない。それでも、「モテる人」と「モテない人」がいることは厳然たる事実だ。実際に「モテる人」を見ればすぐわかることだが、
「なぜモテるか」は人それぞれ千差万別。
モテている人にはその人に固有の理由がある。センスとはそういうものだ。」
「スキルとセンスを混同するとロクなことがない。
本来センスであることをスキルだと勘違いする。
モテないという問題に直面すると、すぐに「モテるためのスキル」を
手に入れようとする。
雑誌を見ると「ああやったらモテる」「こうやったらモテる」
という話が満載だ。まじめに取り入れたとする。
間違いなく、ますますモテなくなる。
モテない人ほど、こうやったらうまくいくというデートの「必殺技」「必勝法」を探しにいく。
しかし、そもそもそんなものはどこにもないのである。」
つまりポイントとしては、
- センスとスキルは異なる。
- センスは人によって固有のものである。
- センスに唯一の正解はない。
ということが言えます。
この説明は捉え方によっては、
センスが先天的なもので、努力してもどうしようもない、
という感じもしますが、そうではありません。
結論としては、センスとは決して才能ではなく
「物事を最適化する能力」
と言えます。
つまり、後天的に努力で獲得できるものだということです。
このセンスを磨くための「最適化能力」の獲得について、
水野学氏著の『センスは知識からはじまる』を参考に、
深堀をしていきたいと思います。
「物事を最適化する」とは?
ファッションで言うと、
流行りのモノばかり身に付けて、自分の体型や個性に合っていなければ、
素敵には見えません。
また、商品開発で言うと、
流行っている商品のパッケージデザインだけをマネしても、
消費者から支持されません。
これがまさに、最適化が不十分=センスがない状態だと言えます。
十分な最適化を行う為には、
最低限の知識と理解が必要になります。
その知識の蓄積には、大きく3つのプロセスがあります。
王道から紐解く。
「王道のもの」とは、製品によって「一番良いもの」「定番」と言われているものです。
といったものが当てはまります。
これらのものは、現在の「王道の地位」を獲得する為に、
さまざまな改良や洗練を繰り返して「らしさ」を磨いています。
それがまさに、「最適化されている」状態と言えます。
これらの「王道」を知ることで、「最適化」の指標を学ぶことができるのです。
流行を知る。
流行とは、多くのものが一般的に一過性のものです。
王道のものとは、特性が異なります。
この「王道」と「流行」の間には、どんなギャップがあるのか?
ということを押さえることで、知識の幅が大きく広がります。
「共通項」や「一定のルール」を探す。
ここからは、情報を集めるというより、
自分なりの解釈や分析をするフェーズです。
センスを磨く上で、ここが一番大切です。
ここでは、著者の水野氏が
「お客さんが入りやすい雑貨店」について考察した
共通ルールを参考にしてみます。
・「床の色が暗い」
⇒日本人は靴を脱ぐ文化があります。
その為、真っ白やベージュの床は、「自分の靴で汚してしまうのでは?」
という抵抗感を感じるのではないだろうか?
だから、お客さんが抵抗感なく入れるように暗めの色にしているのではないか?
・「ごちゃごちゃしている」
⇒雑貨店に来店する人は特定の商品を目的に来る人は少ないです。
だから、「何か面白いものがあるかも?」という期待感を持たせることが
大事なのではないだろうか?
その為には、きれいに整理整頓されているよりも、
ごちゃごちゃしている方が、宝探しのような形で期待感が高まるのではないだろうか?
・「通路が狭い」
⇒人一人が歩くことができる通路幅は、
どんなに狭くても600mmと言われています。
900mmあれば譲り合うことができ、
1200mmあれば支障なく相互通行できるとされています。
しかし、小さな雑貨店では500mmという幅設定の店もあります。
それは、「雑貨店らしさ」や「商品を一人で落ち着いて選びたい」という
顧客ニーズを満たす環境機能ではないか?
これらの共通ルールを統合していくことで、
センスが磨かれていくと著者は語ります。
考察
センスとは決して生まれ持ったものではないものの、
やはり身に付けるのは一朝一夕にはいかないな。
というのが正直な感想です。
しかし、大切なことは自分の中でのアクティブな引き出しを
増やすこと思います。
アクティブな引き出しとは、
「読む」・「聞く」の知識だけではなく、
「感じる」・「やってみる」の経験によってつくられるものです。
知識だけの頭でっかちではなく、
自分の行動から生み出されるものからセンスを磨いていきたいですね。