昨年、人生初のマイカーを購入しました。
SUVという自動車のジャンルに魅かれて、
HONDAのSUV車を購入しました。
自動車という人生の中でも、大きな買い物だったこともありますが、
購入を決めるまでの数か月は車の事ばかり考えてしまい、
YOUTUBEのおすすめ動画も車のレビュー動画で埋め尽くされました。
自分も営業という「モノを売る」仕事をしています。
その中で、
- 顧客は、どうすれば買ってもらえるのか?
- 顧客は、どんなものを欲しいと思っているのか?
そんなことを日々考えているわけですが、
これまでさほど興味がなかった自動車に対して、
どうしてそこまで魅かれてしまったのか?
という自分の心理状況を振り返ることで、
顧客の購買心理を理解するきっかけになるのでは?
と感じて、今回の記事を書いています。
その際、参考にした書籍は、
大松孝弘氏と波田浩之氏が共著の『「欲しい」の本質~INSIGHT~』という本です。
「欲しい」を構成する4つの要素。
人が「欲しい」という思いを抱く過程においては、
4つの要素によって構成されます。
そして、これらの要素は大きく2つに分類することができます。
「感情」と「事実(ファクト)」です。
この2つがセットになって、初めて「欲しい」という思いが現れるのです。
どちらかが欠けてしまっては成立しないということです。
つまり、ある「事実」が刺激となったり、背景に存在することで、
「感情」が生まれてくるのです。
それでは、それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
感情
⇒気分や気持ち、情緒。
シーン(場面)
⇒感情が生まれた場面。行動や状態を伴う。
- 日時
- 場所
- 一緒にいる人
バックグラウンド(背景要因)
⇒感情が価値である背景的な理由。
- 出来事
- 経験
- 人間関係
ドライバー(源泉要因)
⇒感情を生み出すもととなった、直接的な要因。
- 行動/行為
- エピソード
- ネーミング/パッケージ
「欲しい」の3タイプ。
価値
ポジティブな行動を促す。
- 商品が買われている理由
- その行動をしている理由
- 新しい選択をした理由
不満
ネガティブな行動につながる。
- その商品が買われない理由
- その行動が行われない理由
- それまでしていた選択をやめた理由
未充足欲求
欲求が満たされない状態。
- 欲求が満たされることで、商品を買いたくなる。
- 欲求が満たされることで、商品を買い替えたくなる。
- 欲求が満たされることで、その商品が好きになる。
自分の事例に当てはめてみる。
ここまでのフレームをもとに、
自分が車の購入に至った「欲しい」という感情を分解したいと思います。
まず、自分の「欲しい」のタイプは、
<未充足欲求>と言えると思います。
その理由は、子どもが大きくなることで、
これまで徒歩と自転車そして公共交通機関で間に合っていた移動手段が、
不便さを感じるようになってきたからです。
「行きたい時に」
「行きたい場所に」
スムーズに行きたい。
という未充足感を感じていたのです。
さらに分解していきましょう。
■シーン
- 家族で外出や旅行をしている。
- 電車では行きにくい海や山の自然。
- 時間に縛られずに行動できる。
■バックグラウンド
- 子どもが大きくなって移動が不便。
- 家族との充実した時間を過ごしたい。
- 自分の子ども時代に車で家族旅行した経験。
■ドライバー
- デザイン性。
- 走破性や収納性。
- ドライブを楽しみたい。
「人間を見に行くこと」の重要性。
書籍の中では、「人間を見にいくこと」を以下のように強く主張しています。
人間が求めていることを起点にして、
自分たちの商品やカテゴリーと比較すれば、
自分の商品やブランドに新たな価値を創造することができる。
そのような、「人間を見ること」で生まれた価値の創造は、
過去にもたくさん事例があるので、一部をご紹介したいと思います。
AKB48
「会えないアイドルへの憧れを煽られている」
という顧客心理から
「会いに行けるアイドル」を提案。
ディズニーランド
「遊園地は子どもばかりで大人が楽しめる場所でない」
という顧客心理から
「子どもだけでなく大人も楽しめるテーマパーク」の提案。
マウンテンバイク
「山道を走っていても、普通の自転車では攻めきれず満足できない。」
という顧客心理から
「移動手段の為だけでなく、山道で遊ぶための乗り物」の提案。
まとめ
「欲しい」という感情の心理構造を押さえる。
- 感情=シーン+バックグラウンド+ドライバー
- 感情は、価値or不満or未充足欲求に分類される。
- 「人間を見る」ことの重要性。