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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

【最高の決断】優れた意思決定とダメな意思決定の7つの違い。

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人生においても、ビジネスにおいても、

大きな意思決定をしなければいけない時があります。

 

そして、下さなければいけない決定に、

絶対的な正解がある。ということはあり得ません。

 

人生なら…

  • 就職
  • 結婚
  • 住宅購入

 

ビジネスなら

  • 株式の上場
  • 事業の買収や売却
  • 雇用の増加や削減

 

このような選択はどれも不確定要素で満ち溢れています。

 

 

先に結論をお伝えしてしまうと、

未来が見通せない中での最良の意思決定とは、

 

「33%は正しく、33%は誤りで、残りの34%はどんな決定を下そうと結果は同じ。」

 

というところまで突き詰めて行われた決定です。

 

例えば、

地震が発生して既に大きな被害が出ている中で、

全員を救うことができる奇跡的な方法が存在しないように、

100%の正解はあり得ません。

 

では、33%の正しさに近づくためには、

どんなことが求められるのでしょうか?

 

タウンゼンド氏の「意思決定における5大原則」

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エイビスレンタカーの元CEOであり、

1970年代企業経営について出版した『組織に活を入れろ』でベストセラーを博した、

ロバート・タウンゼンド氏。

 

彼は、著書の中で「意思決定」を行うにあたっての前提について、

以下の5つの項目をあげています。

 

①組織の中では現場に近いものが意思決定をすべき。

 

②意思決定は先延ばしにしてはならない。

 

③決定が求められる案件は2種類しかない。

  • 1つは、低コストで訂正しやすいため即断できる案件。
  • 1つは、高コストで訂正しにくいため検討が必要な案件。 

④不十分な情報を頼りに決断を下さなければならない現実を受け入れる。

 

⑤判断を誤ったとしても、すぐに立ち直ることが大切。

 

引用:『組織に活を入れろ』ダイヤモンド社

 

 

優れた意思決定とダメな意思決定の7つの違い。

 

前述の「前提」を基に意思決定は行われるべきですが、

誰がその決定を下しても成功確率が上がるという訳ではありません。

 

そこには、人間性の要素が大きく加わってくるのです。

判断に影響を与える人間性の特徴について、

マネジメント・コンサルタントのジェームズ・マクグラス氏がまとめた

『The Little Book of Big Decision Models』を参考に解説していきたいと思います。

 

判断に影響を与える人間性の特徴は、

それぞれ以下の7つです。

 

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優れた意思決定に影響する7つの人間性

控えめ

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投資の神様と言われるウォーレン・バフェット氏。

彼はのちに大暴落する「インターネットバブル」や「サブプライムローン」への投資は、

一切行いませんでした。

その理由は、「自分は十分にその内容を理解できていないから。」

という信じられないほどの謙虚さによるものだったと言われています。

 

勇気

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FDA(米国食品医薬品局)のフランシス・ケルシー博士は、

睡眠薬であるサリドマイドの米国での販売に対して、危険性を示唆。

さまざまな圧力に屈することなく、販売申請を却下し続けました。

その回数は14回に及び、当時の米国大統領ジョン・F・ケネディは、その勇気に対してケルシー博士を米国の救世主としてたたえ、大統領勲章を贈ったのです。

 

先見の明

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ウォークマンを開発したソニー盛田昭夫氏は、

「若者たちが何かをしている時も音楽を聴きたがっているのでは?」

というかすかな兆候を読み取り、製品化を決断しました。

 

謙虚

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コカ・コーラは過去に、

「世界中の人気商品の味を変える」という過ちを犯し、

顧客の支持を大きく失いました。

しかし、その過ちを数か月という短いスパンの間で、

謙虚に認めたことが今日の成功につながっているのです。

 

他者尊重 

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ジョンソン・エンド・ジョンソンは、

自社製品の鎮痛剤に法律の範囲内で毒物を使用しました。

しかし、その状況を包み隠さずメディアに伝えたことで、

顧客に情報提供をする真摯な態度と顧客尊重の精神により支持を高めたのです。

 

自己認識

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投資の神様と言われるウォーレン・バフェット氏でも、

過去に大きな投資の失敗経験があります。

しかし、自己認識を深めることで、

自信をつけて、過ちを認めて次へ進めるようになるのです。

 

完璧の追求

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ポリオワクチンを開発したジョナス・ソーク博士は、

ポリオとは、人の口の中に入って、腸の中で増えることで感染するウィルスです。

このポリオは当時3タイプしかないということが言われていましたが、

それを証明する為に、3年間の歳月を費やしたのです。

 

 

ダメな意思決定に影響する7つの人間性

 

うぬぼれ

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クライブ・シンクレア氏は、イギリスで初めて大量生産が可能なパソコンを開発した発明家です。彼の発表した<ZXコンピューター>は、爆発的なヒットをしました。

その後、彼は一人乗りの自動車の開発に着手しましたが、

それは大失敗に終わりました。

彼は、コンピューターには精通していましたが、自動車は門外漢だったのです。

 

強欲

 

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「シュテルン誌」を発行するドイツの大手出版グルーナー・ウント・ヤール社は、

商業的な利益が見込めるとしてヒトラーの日記の版権に約400万ドルを支払って取得しましたが、のちにそれが偽物であることが発覚。

会社に大きく損失を与えたばかりでなく、社会的な名声も失ったのです。

 

無知

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「知らないこと」や「可能性を読めない」ことがのちに大きな機会損失になることがあります。

 

想像力の欠如

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ウィルスの死滅した細胞でポリオワクチンの開発に成功したソーク博士。

その7年後、アルバート・ハビン博士が伝統的な医学にのっとって、

同様のポリオワクチンを開発しました。

どちらが、有益な研究成果だったかは言うまでもありません。

 

頑固

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アメリカの初代FBI長官のJ・エドガー・フーヴァーは、

アメリカにマフィアなど存在しない。」

という主張を死ぬまで続けました。

 

動かしがたい証拠を突きつけられても、

かたくなに意見を変えない彼に対して周囲は、

マフィアに弱みでも握られているのではないか?

と勘ぐってしまうのは当然でしょう。

 

怠け者

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IBMはパソコン市場の急成長に後れをとり。

フォードは自動車市場の技術革新に対応できませんでした。

マーケットシェアを持っているが故に、

手遅れになるまで競合の進化に気づくことができない。

という落とし穴があるのです。

 

見下す姿勢

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ラトナーズ・グループCEOのジェラルド・ラトナーは、

株主たちの前で、人気商品のデカンターセットが4.99ポンドで、

顧客に提供できる理由について、

 

「この商品はゴミだからだ。」

 

という発言を残しています。その発言に株主たちは激怒し株価は急落。

1年間で5億ポンドの損失が発生したそうです。

 

考察

 

大きな意思決定を行う時は、

どんな選択であっても最後は賭けだと思います。

 

その賭けの中で、1%でも多くの成功を手繰り寄せるものが、

人間性」ではないかと思います。

 

日頃の生活の中で求められるいくつもの小さな選択。

その小さな選択の中においても、

今回紹介した「判断に影響を与える人間性の特徴」を意識していくことが、

大きな成功をもたらすカギではないかな?と思います。