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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

職場における自粛警察に変貌してしまった部下の心理について考えた。

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職場における自粛警察に変貌してしまった部下の心理について考えた。

自粛警察とは

新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条に基づく緊急事態宣言に伴う、行政による外出や営業などの自粛要請に応じない個人や商店に対して、偏った正義感や嫉妬心、不安感から、私的に取り締まりや攻撃を行う一般市民やその行為・風潮を指す俗語・インターネットスラングである。

引用:wikipedia

 

緊急事態宣言の発令中に話題になったキーワードですが、ある程度感染者も落ち着きの傾向が出て、仕事においても通常の業務体制に戻りつつあるいま、職場において同様の自粛警察問題を連想させるような出来事がありました。

 

問題になったのは入社から20年目のベテラン女性社員であるCさんです。

彼女の言動について疑問を感じる様々な声が現場から上がってきました。

 

Cさんの問題行動

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過度なあら探し

僕の会社においてもコロナ感染防止の為の対策が行われ、マスクの着用や消毒の徹底などが実施されています。

 

ことCさんは、そのルールを模範的に順守していました。

しかし、少しでもそのルールから逸脱する社員に対して厳しい目を向けていました。

 

例えば、

  • マスクが少しズレている
  • 消毒を怠っている
  • 複数人で食事をしている

 

過剰な叱責

このようなことは、一般的に各個人の予防に対する責任の範囲内だと思います。

 

しかし、Cさんはそのような場面を発見すると、初対面の人であろうがヒステリックに声を荒げて、注意しているというのです。

 

特に、休憩所での目撃情報が多数あり、社内でちょっとした有名人になってしまっています。

 

周囲への流布

 

さらに、困ったことに自分が注意した人をターゲットに

  • 「〇〇さんは、危機管理意識低い」
  • 「〇〇さんが、ルール違反をしている」

などの悪いウワサを総務部門の知り合いなどに流している。

ということもわかりました。

 

Cさんの心理

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歪んだ正義感

ルールを徹底的に順守することこそ正義。

それを守ることができていない人は悪。

 

Cさんは、このような歪んだ考え方に陥っているように感じます。

 

その原因の一つは、管理型組織の弊害があると思います。

僕の会社も少し前まで徹底した管理型の組織で、上司の言ことは絶対。という風潮の強い社風でした。

 

Cさん自身は、特にそのような社風の中で評価をされてきた人で、組織の命令に忠実に従うことを強みにしてきました。

 

不満のはけ口

しかし、時代の変化の中で管理型から個人の自主性を重んじる働き方に会社も変わってきました。

 

その変化の中で、これまで命令に従うことで評価をされてきたCさんのような人は、上からの強い命令がなくなったことで、社内における自分の役割がわからなくなってしまい、評価を大きく落とすということもありました。

 

そんな迷走をしていたCさんにとって「コロナ対策の徹底」という久々の命令は、彼女自身が変化する組織風土の中で感じてきた不満のはけ口と、自分の役割を見出す絶好の機会にすり替わってしまったのだと思います。

 

彼女にどう対応すべきか?

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目的の正しい認識と行動の線引き

まず必要なことは、会社が予防対策を推進する目的を正しく認識してもらうことです。

 

会社が予防を実施する目的は、「社内における感染者を増やさないこと」です。

 

それは、彼女にとってストレスを解消する為でも、やりがいを見出す為のものでもありません。

 

その目的に従って、正しいことと正しくないことの線引きをしてもらうことが大切だと感じました。

 

マスクを正しく着用することや消毒をすることに対する注意喚起を行うというのは目的に従った正しいことだと認めるべきですが、その方法として声を荒げて攻撃的な態度をとることや、不必要にウワサを流すことは間違った行為だと認識してもらう必要があります。

 

不満を取り除く

彼女自身の働く目的についても、再定義が必要だと感じました。

 

現在、彼女にとってやりがいのある仕事がないから、「社内の自粛警察」にやりがいを見出してしまっているのだと思います。

 

新たな目標を設定することで、間違った方向に精を出さないような働きかけも必要だと思います。

 

その場合、こちらから一方的に命令をすることは簡単ですが、それでは本当の意味で彼女の為にならないと感じています。

 

じっくり腰を据えて、話を聞く機会を設けなくてはいけません。

 

まとめ

今回の件で感じたことは「使命を与えられるのを待っている」人は、意外と多いのかもしれない。ということです。

 

Cさんの場合は、その使命を待つことに対するフラストレーションが目立つ形で表れた為、わかりやすかったですが、そうでない人も多いはずです。

 

間違った使命の解釈をしてしまうことのリスクは誰にでもあります。

 

マネージャーとしては、どう一人ひとりのやりがいを見出す手助けができるか?というのも大切な役割だと改めて反省しました。