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【企業分析】Peatixから学ぶ時代に合わせたターゲット戦略【ソーシャルチケットサービス】

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【企業分析】Peatixから学ぶ時代に合わせたターゲット戦略【ソーシャルチケットサービス】 

 

紙から電子化へ移行する流れが様々なところで進んでいます。

 

  • 本、雑誌⇒電子書籍
  • 現金⇒電子マネー

 

僕は先日、知人の紹介で50名くらいの小規模イベントに参加しました。

 

そのイベントでは、チケットの購入から入場まですべてスマホで完結しており、

非常にスムーズで便利さを感じました。

 

実際に申し込みで使ってみて存在を知ったのが、

今回の記事で分析対象にした「Peatix」というサービスです。

Peatixとは?

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2011年に開始されたソーシャルチケットサービスで,

約400万人の会員を有しています。

 

オンライン上でイベント作成、チケットの販売、入場管理までが可能なサービスです。

 

誰でも無料からイベントを作ることができ、そのチケットをオンライン上で販売することもできます。

 

Peatixの経営フレームワーク分析

 

  1. 「ターゲット」⇒顧客
  2. 「バリュー」⇒提供価値
  3. 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
  4. 「収益モデル」⇒プロフィット

 

この4つの切り口から分析を行っていきます。

 

ターゲット

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Peatixの最大の特徴は、「小規模イベント主催者」をメインとしたターゲット戦略だと言えます。

 

これまでは、

「イベント主催者=資金をもっている大型事業者」

という構図がありました。

 

しかし、SNSなどの発達に伴い、

発信力や影響力を持った個人や少人数のコミュニティが主催するイベントの数は、

増え続けています。

 

そのような小規模イベント主催者にとって、

イベント運営上のボトルネックは、集客やチケット販売です。

 

これまでの大型イベント向けのチケット事業者を利用した場合、

費用面の負担やチケット事業者とのやりとりが非常に煩雑な側面があります。

 

Peatixはオンライン上ですべてを完結させることで、

小規模イベント主催者向けプラットフォームとして最適化されていると言えます。

 

バリュー

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Peatixは、単なるチケットサービスではなく、

コミュニティプラットフォームを標榜している点に、

競合他社とは異なるバリューがあると言えます。

 

PeatixのCEO原田氏は、このように語ります。

「チケット販売サービスは、チケットを送付して決済を行う単純な仕組みで成り立っています。参入が容易だからこそ、競合が多く差別化も図りにくい。また、手数料ビジネスのため、動員数が多い大型イベントにマーケットが集中します。

 

だからこそ、Peatixは地域で日常的に開催される小規模なイベントにも裾野を広げました。ユーザーがより日常的に、そして気軽にイベント開催できるようにサポートするコミュニティプラットフォームを目指すことで競合他社との差別化を図ったのです」

 

 

ケイパビリティ

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Peatixがコミュニティプラットフォームとしての役割を果たす仕組みは、

オンラインチケットの販売に加え、さらに2つの要素があります。

 

1.サポート機能

イベントを実施するにあたっての…

  • 登録
  • 集金
  • アンケート実施
  • 申し込み状況確認
  • 集客
  • 当日受付
  • 個人情報保護

これらの業務がすべてワンストップで処理することが可能です。

 

2.コミュニティ作成機能

過去のイベント参加者はフォロワーとなって、次回以降のイベントページ公開時に自動で告知ができる機能があります。

 

メッセージのやりとりも可能で、主催者からの連絡などをすることもできます。

 

このコミュニティにおける繋がりは、主催者とフォロワーのどちらにとっても、

非常にベネフィットがあります。

 

Peatix経由で誕生したコミュニティを継続する為の手段としてのイベントを続けている企業などもあるといいます。

 

収益モデル

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Peatixの収益モデルの特徴は、以下の2つです。

 

  1. 手数料
  2. 広告販売
1.手数料

ターゲットユーザーが「小規模イベント主催者」ということもあり、

手数料は2.9%という低価格設定となっています。

 

大手チケット会社の20%前後という手数料の水準からすると、

利用のハードルは格段に低いです。

 

販売総額をスケールさせて収益インパクトを狙うロングテール型の戦略と言えます。

 

しかし、現状のPeatixの売上規模では経営を継続していく利益を上げていくには、

十分ではありません。

 

 

2.広告販売

経営の基盤を支えるもうひとつの収益源が、「広告販売」の事業です。

 

Peatixがスポンサー企業を募集し、

イベントの中で広告を出稿するというビジネスモデルです。

 

広告を出す企業側にとっては、ロングテールな集客を見込める機会であり、

主催者側にとっても、スポンサーがつくというのは経費面で大きなサポートになります。

 

このようなマッチング機能が、Peatixの収益の柱となっています。

 

まとめ

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コロナショックを機に「リアルな場に集まる」ということに、

抵抗感を持つ人も増えています。

 

一方で、人同士のつながりは、ますます大切になってくる世の中において、

オンラインによるイベントは、今後さらに盛り上がってくることは間違いありません。

 

そんなオンラインイベントの分野にも参入するPeatixは、

今後の成長が目を離せない企業の1つだと思います。

 

参照