【企業分析】タイミーから学ぶ信用経済ビジネスモデル【スキマバイト】
学生時代のアルバイトは、
セブンイレブンのコンビニバイトを4年間もまじめにやっていました。
基本的には、学業や友人との時間よりも、
アルバイトを優先させるような日々。
もちろん、アルバイトの経験は全くのムダではありませんでしたが、
学生生活の中で、最優先させるべきものではなかったと思います。
正直、今思うと後悔しかありません。
このような思いを持っている人は多いのではないでしょうか。
しかし、現在ではアルバイトをしながらも、
シフトなどの時間の制約に縛られない働き方が、
実現されようとしています。
この記事で紹介するタイミーは、
「学生時代の自分だったら絶対に利用していたなぁ」
そんな感情を持ったバイトアプリです。
タイミーとは?
橋本環奈、ドタキャンにブチ切れ!?駅で地団太 アプリ「タイミー(Timee)」TVCM
Taimee(タイミー)は、単発アルバイトに面接なしで応募して、
すぐに働けるアプリです。
会社の設立は2017年と最近で、
なんと社長は22歳の現役大学生です。
事業の設立にあたってはサイバーエージェントの藤田社長をはじめ、
20億円以上の資金調達を行っている点に、カリスマ性も感じます。
導入店舗は、レストラン、居酒屋などの飲食業が中心ですが、
- ティッシュ、チラシ配り
- ポスティング
- モニター調査、アンケート
- 配達、引っ越し
- 倉庫作業
- 家庭教師
など1万社以上の導入企業から多種多様な仕事を選択することができ、
利用者は20年2月時点で100万人を突破しています。
最近では、女優の橋本環奈を起用したCMを目にする機会もあります。
タイミーの経営フレームワーク分析
- 「ターゲット」⇒顧客
- 「バリュー」⇒提供価値
- 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
- 「収益モデル」⇒プロフィット
この4つの切り口から分析を行っていきます。
ターゲット
学生、主婦など本来の学業や家事育児のスキマ時間で、
アルバイトをしたいと思っている人達です。
特に、
- アルバイトによる時間の制約を受けたくない。
- 時間を自由に使いたい
と思っている人がメインターゲットです。
社長の小川さんも、自身が日雇いアルバイトをしているときに、
そのような思いを抱いたことがアプリに開発のきっかけになったそうです。
バリュー
タイミーが提供する一番のバリューは、
「時間価値を最大化」
だと言えます。
自分にとって最も優先順位と重要度が高いことに専念することが、
もっとも価値の高い時間だと考えます。
そのような高価値の時間は、計画的に準備して捻出することもありますが、
ある程度まとまった期間が必要だったり、突発的に訪れたりすることもあります。
従来のアルバイトであれば、
まとまった休みや急な調整は難しいです。
しかし、タイミーはそのようなスキマ時間を柔軟にコントールできることで、
時間価値の最大化を可能にしていると言えます。
ケイパビリティ
自分で働くスタイルを自由に選べることを可能にするタイミーのケイパビリティは、
大きく3つあると考えます。
即日申し込み
基本的に各種仕事の案件は早い者勝ちですが、
選択可能な範囲内で自分の好きな時間に、好きな場所で働くことができます。
即日入金
2019年6月のセブン銀行との業務提携によって、
給与の即日入金が可能となりました。
ユーザーへの給与の支払いをタイミーが一時肩代わりすることで、
この仕組みは実現しています。
ユーザーにとっても、すぐに給与が支払われることで、
「必要な時に、必要な分だけ働く」ことができるという利便性をもたらします。
この仕組みは、タイミーが競合他社との大きな差別化要因でもあると思います。
データの蓄積
タイミーは利用を継続することで、働き手の勤務姿勢や職務履歴、スキルに対して第三者からの評価がなされる仕組みになっています。
つまり個人の信用に付随するデータが蓄積されていくということです。
今後は、信用度が高くなった働き手の報酬が上がったり、
積極的な労働者が評価される経済圏の構築を展望しています。
収益モデル
タイミーの主な収益源は、利用手数料です。
飲食店は初期導入費用ゼロでタイミーを導入できます。
その代わり、利用した場合は手数料30%を支払うというビジネスモデルです。
30%という手数料というのは、少し割高な印象もあります。
しかし、小川社長は、現状の外食業界におけるアルバイトの実状から以下のように考えているようです。
「求人広告を出しても人が集まらなかったり、すぐに離職されることを考えると、決して高くはない」
まとめ
SNS上などでは、インフルエンサーなどを中心に「信用経済」という言葉が、
浸透しつつあります。
ヒカキンがYouTubeで紹介したことで、これまで普通に在庫があったコンビニスイーツが完売して配給が追い付かなくなったり、
なんの変哲もないボールペンが、人気インフルエンサーの私物という理由で、
高値で取引されたり、
その人の「信用」によってモノやサービスが売れていく事象です。
しかし、タイミーのビジネスモデルでは、さらにアルバイトとしての一個人においても、
データの活用によって「信用」からなる経済圏を生み出そうとしています。
また、そのような「労働」におけるデータ活用は、
アルバイトに限らず、正社員やフリーランスで働く人々にとっても、
転職や仕事依頼における重要なファクターになりえる日は遠くないかもしれないと感じています。
参照
- タイミー:https://timee.co.jp/
- WANTEDLY:https://www.wantedly.com/companies/Timee/about
- 東洋経済:https://toyokeizai.net/articles/-/319511
- ガクセイ基地:https://gakusei-kichi.com/?p=41410