【企業分析】テックキャンプに学ぶ新しい提供価値【プログラミングスクール】
プログラミングを学ぶことは、
全国の小学校での必修化が決まったことや、
コロナウイルスの影響で在宅やリモート勤務の需要が高まる中で、
日々、重要性が高まっていると言えます。
一方、プログラミングスキルの需要はより一層高まっており、
人手不足の状況でもあります。
その理由は、IT人材の採用・育成などをせず、世界的にIT化の対応に遅れてきた旧来型日本企業が、WEBサービスやIoTの活用といった部分にようやく気付き、本腰を入れなくてはいけなくなっているという背景もあります。
僕の勤める会社においても、同じことが言えます。
そんなプログラミングのスキル学習の需要をうまく捉えるのが、
プログラミングスクールのテックキャンプです。
テックキャンプとは?
株式会社Divが運営する「短期集中型」のプログラミング学習プログラムです。
同社は国内最大規模のプログラミングスクールの運営会社となっています。
選択するコースやカリキュラムにもよりますが、
約3か月という期間で、入会金含め約20万という設定になっています。
コースごとの大きな違いはその目的です。
- プログラミング教養⇒プログラミングの基本知識の習得して仕事に活かす。
- エンジニア転職⇒プログラミングスキルを通じてのエンジニアへの転職。
- デザイナー転職⇒プログラミングスキルを通じてのデザイナーへの転職。
また、テックキャンプからの転職実績としては、
以下のような有名企業へも輩出しています。
- ニュースピックス
- チームラボ
- DMM
- U-NEXT
- マネーフォワード
テックキャンプの経営フレームワーク分析
- 「ターゲット」⇒顧客
- 「バリュー」⇒提供価値
- 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
- 「収益モデル」⇒プロフィット
この4つの切り口から分析を行っていきます。
ターゲット
大枠では、「プログラミングスキル」を身に付けたい人です。
そして、その目的に応じて学習プログラムを用意している形です。
また、「未経験者」も積極的に受け入れている点や30代以上の入会割合が30%以上という点も、入会への心理的ハードルを大きく下げている要因になっていると感じます。
バリュー
テックキャンプの最大のバリューは、
「短期集中」という点だと言えます。
目まぐるしいほど早い変化スピードのIT業界において、
時間をかけて学んだプログラミングスキルが、
ある日を境に陳腐化してしまうというは無きにしも非ずです。
その点で、「時間をかけすぎること」は非常にリスクになります。
その為、効率よく学び、すぐに実践で活かしていきたい。
という顧客ニーズをうまく満たす仕組み化ができていると考えます。
ケイパビリティ
テックキャンプが、日本で最も支持されるプログラミングスクールとして成長したリソースは、主に5つあると考えます。
カリキュラム
テックキャンプでは、通常1000時間必要とされる学習時間を、
600時間まで短縮しているカリキュラムが特徴です。
そこまでの時間短縮ができる理由は、
「実践型」であるということです。
カリキュラムを作成している同社の阿部氏は、
以下のように語っています。
「具体的なカリキュラムの流れとしては、まずはいきなり「これを作ります」という目標物を提示します。そして開発を進めていく上で必要になったタイミングで都度、文法紹介をしていきます。
市販の教科書だと、とりあえず文法や四則演算、繰り返し、条件分岐など最低限必要な文法を先に紹介し、「それを使って開発していきましょう」という流れであることが多いです。
ですが、はじめに文法をひとつずつ覚えたり四則演算などを学ぶやり方だと、ほとんどの人が飽きてしまうんですよね。今覚えている文法がどのように使われるかイメージできませんし、必要に迫られていないので記憶にも定着しない。人間の脳は、必要な状況下にある時に、もっとも記憶に定着するようになっているからです。」
YouTube
同社の社長である真子有就(まこ ゆきなり)社長は、
経営者と同時に、まこなり社長という名前でユーチューバーである一面も持っている特異な人物です。
僕もむしろYouTubeのチャンネルを先に視聴したことで、
彼の運営するプログラミングスクールの存在を知りました。
ビジネス系と言われるジャンルの中では、
圧倒的ポジションを築いており、その影響力は計り知れません。
YouTubeチャンネルの内容自体は、スクールへの勧誘のような内容ではなく、
あくまで普遍的なビジネス・自己啓発的な内容です。
しかし、社長自らがそのようにYouTubeで発信をすることは、
会社に大きな宣伝効果をもたらすことは言うまでもありません。
その点は、全く新しい形の広告戦略だと考えます。
返金保証
テックキャンプの返金保証は大きく2つあります。
①入会から14日間の無償返金保証制度
この制度によって、
- ・イメージと違ったらどうしよう。
- ・ついていけなったらどうしよう。
といった入会を踏み切る際の不安も軽減させています。
実際に期間中に退会をした人の体験記などを見ても、
メール1本のスムーズな対応で、無理な引き留めや煩雑なプロセスはないという報告が多くみられました。
②キャリアサポートから6か月以内の転職保障
転職エンジニアコースでは、
転職ができなかったら6か月以内に返金を保障するという制度もあります。
これは、同社のカリキュラムの信用性を高める効果としても、
大きな意味をもつものだと思います。
収益モデル
テックキャンプはスクールという事業構造から、その主な収益は以下の2つです。
- 入会金
- 授業料
これからさらに需要が高まると予想される分野ですが、
スクールの数を拡大すればするほど、
プログラミング知識をもつ講師の人数が必要になってきます。
プログラミングスキルを持つ人材が不足しているという現状の
課題とも向き合いながら、今後の経営拡大にも判断が求められると感じます。
まとめ
参照
- テックキャンプ:https://tech-camp.in/
- テックキャンプブログ:https://tech-camp.in/note/pickup/57676/
- アトオシ:https://itpropartners.com/blog/345/