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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

【企業分析】ビザスクに学ぶミドル・シニアの新しい稼ぎ方【スポットコンサルティング】

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【企業分析】ビザスクに学ぶミドル・シニアの新しい稼ぎ方【スポットコンサルティング】

 

日本型雇用の崩壊と副業への関心の高まりから、

「副業解禁」が多くの会社で浸透してきています。

 

副業への関心が高いサラリーマンがまず思うことは、

「本業で培ったスキル」をベースにできないか?ということです。

 

しかし、実際に国内で働くサラリーマンの多くは、

「総合職」として仕事の全般的な知識は持っていても、

「専門性の高いスキル」を持っている人は意外と少ない印象です。

 

実際に、すぐに副業に活かして収入を得られるような

  • プログラミング
  • webデザイン
  • ライティング

のような専門スキルを持っている人は、ごく一部です。

 

特に、これまで国内企業で長く働いてきたミドルやシニアにとっては、

そのような専門スキルは門外漢という人が多数だと思われます。

 

そこには、

本業の会社勤めで求められる広く浅い「ゼネラリスト」的能力と

副業の即戦力で求められる狭く深い「スペシャリスト」的能力には乖離があるように感じています。

 

では本当に、副業市場におけるミドル・シニアの総合職向け案件というのは、ほとんど存在しないのでしょうか?

 

僕の考えでは、決してニーズがない訳ではなく、募集側にとっても募集をする場所や仕方がわからず、「見えづらく」なっているのでは?という印象です。

 

今回は、そのような副業市場における「見えづらさ」を上手く可視化し、

マッチングサービスを運営している<ビザスク>についての企業分析をしていきたいと思います。

 

ビザスクとは?

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業界業務の経験豊富な「その道のプロ」に、1時間からピンポイントに相談できる日本最大級のスポットコンサルのプラットフォームを運営しています。

 

業界調査やユーザーインタビュー、新規事業や海外進出の情報収集、起業のアドバイスに、経験者の知見を活用できるのが特徴です。

 

最大の特徴としては、

類似のマッチングビジネスである「ココナラ」はユーザー同士のCtoCであったり、

「クラウドワークス」などは企業対ユーザーのBtoCであるのに対して、

「ビザスク」は企業同士のBtoBという形態をとっている点です。

 

ビザスクの経営フレームワーク分析

 

  1. 「ターゲット」⇒顧客
  2. 「バリュー」⇒提供価値
  3. 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
  4. 「収益モデル」⇒プロフィット

 

この4つの切り口から分析を行っていきます。

 

ターゲット

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メインターゲットは、日本型雇用に不安を抱えるミドルやシニアです。

 

その中でも、今の会社に留まり続けることに対して不安を持っているが…

 

  • 何を副業に活かせるのかがわからない人。
  • 誰に向けて副業をすればよいかわからない人。
  • どうやって副業をすればよいかわからない人。

 

このような人たちに対して、「場」を提供していると言えます。

 

実際のコンサル登録しているユーザーは、企業の現役社員、経営者、企業OBが実名で登録し、500以上の業界・職域をカバーしています。

 

そして、主な利用顧客はコンサルティング会社、金融機関などのプロファームが中心です。中でもボストン・コンサルティング・グループ(BCG)は売上の約20%を占める大口の取引先です。事業会社ではトヨタ自動車、AGC、パナソニックなど大手企業やRevComm、inahoなどスタートアップも利用している状況です。

 

バリュー

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スポットコンサルを通じた「知見のつながり」です。

これは、ビザスクのサービスを通じた2つの要素によって生み出されます。

 

1.出会い

「知らない人と知見を共有してもいいよ」という人が100,000人いるプラットフォームをつくることにより生まれる出会い。

 

2.気づき

ターゲットであるミドル・シニア層がビジネスの中で培ってきた経験や知見は、

非常に有益なものであるにも関わらず、狭い業界や企業内に埋もれてしまっていると、自分自身でもその有益性に気づかない場合もあります。

 

ビザスクというプラットフォームに参加することで、

その自分自身が持つ価値への気づきも提供されます。

 

ケイパビリティ

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ビザスクのマッチングの仕組みとして、

プラットフォーム内で企業や個人同士が自由につながり合うのではなく、

すべてにビザスクのフィルターが通されるという特徴があります。

 

これは、ビザスクが創業からヒアリングを通じて収集した詳細な専門領域情報を利用して、

クライアントの要望にピンポイントで合う人材を紹介する為のものです。

 

そうすることで、スポットコンサルでのアンマッチを防ぐと同時に、

今後のマッチング精度を向上させるためのデータ収集の役割も担っていると言えます。

 

このマッチングシステムに対して、CEOの端羽氏は以下のように語ります。

 

「自分の知見を上手に表現するのって難しいんですよね。例えば私は日本ロレアルに在籍していたので、化粧品に関してある程度の知見があります。でも企業が得たいのは「化粧品の知見」ではなくて、メイクアップなのかスキンケアなのか、高級品なのかそうでないのか、開発なのか生産なのか、といったより詳細な内容です。はじめから細かい粒度で、「私の知見はこうです」と言える人はほとんどいない。ざっくり「インターネットに詳しい」と書く人がいるくらいですから。

 それに、クルマを借りて移動したいとか、旅に行ってどこに泊まるか考えたいといった領域は、シェアする対象が有形ですよね。「クルマ」「部屋」といったモノがある。一方で私たちの領域は無形なんです。知見に形はないから。だから私たちが入って、そのおぼろげな状態に価値を付け加えていく必要がある。それを創業して間もないころに気づいたんです。」

 

収益モデル

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ビザスクの主な収益源は、サービス利用料です。

依頼者が支払う料金30~40%をサービス利用料として受け取る形になっています。

 

今後の収益の課題としては、サービスがスケールしていいた時のマッチングシステムの精度向上と自動化割合の向上だと言えます。

 

まとめ

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テクノロジーの発達で、ビジネスにおいても定量的な情報にはすぐにアクセスできる環境になっていく一方、実際に働く人の経験に基づく「知見」のような定性的な情報に関しては、ますます価値が高まっていくと感じています。

 

また、自分の仕事においてもシェアをする前提で、「どこに価値があるのか?」という意識を持ちながら、取り組むことが長期的な自己形成にもつながっていくと思います。

 

参照