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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

『「やりたいこと」の見つけ方』から学ぶ自分の提供価値。

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『「やりたいこと」の見つけ方』から学ぶ自分の提供価値。

 

「将来どうなりたいの?」

 

こんな質問が僕はとても苦手です。

それは、学生時代からもそうですし、社会人になった今もそうです。

そして、僕と同じようにこの質問の回答に躊躇してしまう人は多いのではないか。と思います。

 

それは、自分にとって…

 

  • 圧倒的に好きなもの
  • 圧倒的に得意なこと
  • 圧倒的に大事なこと

 

を特に持っていないことによる恥じらいのようなもので、自分の本音をさらけ出すことをセーブしてしまっていた側面もあると思います。

 

しかし、心の底では、無我夢中になって没頭できるものを見つけたいという気持ちは、ずっと持ち続けています。

 

一時期、自分にとってはそれが「仕事」であると思い込んでいる時がありました。

しかし、それは忙しさに身を任せ、「必死に何かをやっている」という行為そのものに充実感を求めていたということに気づきました。

 

そのことに気づいたのは、職場環境や上司が変わり、仕事で与えられる業務量が大幅に減少した時です。

 

その時は、お昼過ぎには自分のやるべき業務がすべて片付いてしまうような日々が続き、「あれ?自分は何をすべき人間だったんだっけ?一体何がしたいんだっけ?」と途方に暮れてしまったのです。

 

その時に感じた危機感は、これまでの自分はひたすら機械のごとく業務をこなすマシーンのような存在であり、自分にしかできない提供価値というものをもっていないことを大きく反省する機会にもなりました。

 

そして、自分にしかできない提供価値は何か?ということについて毎日、考えるようになりました。

 

その一つの手段が、自己理解を深めるということです。

 

環境という型に自分を当てはめて、自分自身を納得させるのではなく、まっさらな状態で「自分はどういう人間なのか?」ということについて考えることが大切だと思います。

 

その際に、最もわかりやすく論理的に、その自己理解について語られていたのが、今回の記事でご紹介する『「やりたいこと」の見つけ方』という1冊です。

本書から学び、特に印象的だった部分を抜粋してご紹介したいと思います。

 

自己理解の方程式

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本書の中で、「自分のやりたいこと」を見つける上で、自己理解に欠かせない要素として、以下の3つと定義されています。

 

「好きなこと」

×

「得意なこと」

×

「大事なこと」

 

これら3つはあくまで1セットで、どれか一つが秀でていれば良いというワケではありません。

 

例えば、好きなこととして「ゲーム」ということがあった時に、ひたすらゲームばかりをやり続ける日々を送っても、そこに自分としての提供価値は見出せません。

 

そこにプラスαで、格闘ゲームという得意なジャンルがあったとして、ゲームで世界一になりたいという大事なことがあった場合に、それらが以下のようにつながります。

 

「ゲームで世界一になりたい」という目標の為に、「格闘ゲーム」という得意ジャンルがある。だから「毎日好きなゲームをやり続ける」。

 

それぞれに明確な理由を持ちバランスを保つことで、自分という人間の価値が形成されていくのです。

では、実際にそれぞれを要素をどう捉え、探していけば良いのか?について触れていきたいと思います。

 

好きなことの見つけ方

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本書では、「好きなこと」=「興味・好奇心を感じる分野」という定義をしています。

 

疑問を疑問のままにしておくのが耐えられず、「知らない」から「知りたい」の差を埋めたいと感じる気持ちこそが、何かを好きだと感じるということだと言えます。

 

それを前提として、本書から5つの質問を引用します。

この5つの質問から生まれる回答の中に、自分の「好き」が隠れているはずです。

 

1.今お金を払ってでも勉強したいことはありますか?

2.本棚にはどんなジャンルの本が眠っていますか?

3.これに出会えて「良かった!」「救われた!」と思える分野・ジャンルのものはありますか?

4.これまで生きてきた中で「お礼を言いたい仕事」は何ですか?

5.これまで人生で世の中に対する怒りを感じたことは何ですか?

 

得意なことの見つけ方

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本書では、「得意なこと」=「成果を出すために使える無意識な思考・感情・行動パターン」という定義をしています。

 

  • いつも人間観察をしている。
  • いつもどうやって勝つか考えている。
  • いつもどうやって人を笑わせるか考えている。

 

など、知識やスキルではなく、頭や心のクセと言い換えることができると思います。

また、無意識のうちにやってしまっているが故に、自分では気づきにくいという特徴もあります。

 

こちらでも、「得意」を見つける為の5つの質問を引用します。

 

1.これまでの人生で充実していた体験は?

2.最近イラっとした、もしくは心がざわざわしたのはいつ?

3.仲のいい人から「自分の長所」だと思われている部分はどこですか?

4.明日仕事を辞めてしまったとして、もっとやりたかったと感じるのはどの部分でしょうか?

5.これまでの人生で成果が出たことは何ですか?

 

大事なこと(価値観)の見つけ方

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本書では、「大事なこと(価値観)」=「「自分がこう生きたい」という自分の人生の目的と、「人にこんな影響を与えたい」という仕事の目的が一本の線でつながっている状態。」と定義をしています。

 

つまり、「大事なこと(価値観)」を中心に仕事をつくると、モチベーションが途切れないと言えます。

 

こちらでも、「大事なこと(価値観)」を見つける為の5つの質問を引用します。

 

1.尊敬する人、尊敬する友人、好きなキャラクターは誰ですか?

2.幼い頃や思春期にあった、今の自分に一番影響を与えている出来事や経験は何ですか?

3.今の社会に何が足りないと思いますか?

4.周りの人から「自分が人生において大切にしている点」はどこだと思われていますか?

5.「自分が子どもを育てたり、他人に助言するときに、一番伝えたいのはどんな行動で、一番伝えたくないのはどんな行動ですか?」

 

まとめ

 

本書からの学びは、「自分に対しての問いを持ち続ける」ということです。

 

自己を形成する要素は何なのか?ということを突き詰めることの先に、「本当に自分がやりたいこと」というものが見えてくるのだと思いました。

 

本書の質問に対して、自分でも一つ一つ答えながら、そんなことを感じました。

しかし、最終的な結論はまだまだ見えていません。

 

これからも、質問の回答の幅を広げたり、深めたり、また、新たな質問を自分にぶつけることで、新しい自分の可能性を発見していきたいと思いました。