『仕事は楽しいかね?』から学ぶ仕事を楽しくする為の3つの考え方。
「仕事は楽しいかね?」
この問いかけを自分にするのであれば、その答えは、
「どちらともいえない」
という答えが当てはまると思います。
「自分が本当に仕事を通じて成し遂げたいこと」が定まっていないという意味では、「楽しくない」。
しかし、日々与えられる仕事の中で、やりがいを感じられる側面はあり、そのような意味で小さな「楽しさ」はある。
このような矛盾した感情を抱えています。
だからこそ、今回ご紹介する『仕事は楽しいかね?』というこの1冊のビジネス書のタイトルに魅かれ、手に取ったのだと思います。
この本は、スタンフォード大学卒業後、全米でもトップクラスのマーケティング・リサーチ会社である「リサーチ・リソーセス」を創業したディル・ドーテン氏の仕事に対する価値観が物語形式で語られている1冊です。
- 今の仕事が十分に楽しいとは言い切れない
- 仕事が楽しくない
こんなモヤモヤを抱えるすべてのビジネスマンに手を差し伸べる1冊だと思います。
今回の記事では、本書の中でも特に個人的に印象的だった部分を抜粋してご紹介したいと思います。
仕事を楽しくする為の3つの考え方。
目標は立てるな。
僕らは今も、そしてこれまでも「目標」を立てることの大切さをイヤという程、教えられてきました。
- 学生時代は、志望校はどこを目指すのか?
- 社会人になったら、どんなキャリアを歩みたいのか?
しかし、本書ではせっかく自分に入りたい学校やなりたい職業に就いたにも関わらず、あまりに「幸せじゃない」人が多いという事実について、「計画疲れ」という表現をしています。
このことについて、印象的な一節を引用します。
「頭のいい人がする一番愚かな質問は、『あなたは五年後、どんな地位についていたいですか』というものだ。ありがたいことに、僕はこの四十年間、採用面接を受けたことがない―どんな地位についていたいかなんて質問は、大嫌いなんだ。僕はこの先、いまとは違う人間になっていこうと思っている。だけど、いまから五年後に<どんな人間に>なっていたいかなんてわからないし、<どんな地位に>ついていたいかなんてことは、なおのことわからないよ」
右倣えはしない。
「目標」を立てることと同時に、多くの人が陥りがちな行動として「模範的な人の真似をする」というものがあります。
しかし、小説家に絶対的な成功の法則が無いように、またピカソの絵をいくらコピーしても、偉大な芸術家にはなれないとの同じように、成功を収めた経営者やビジネスマンと同じ道を辿ろうとしても、そこには同じようなことを考える模倣集団の一員になるだけである。というのが、本書の主張です。
そして、そのようなみんなと似たり寄ったりの考えに行きつく先には、自分にとっての「仕事の楽しさ」というものは、決して存在しません。
コインを投げ続けろ。
仕事の中から「楽しさ」を見出す最も有効な方法とは、「試行回数を増やすことである」というのが、本書の結論となります。
つまり、試行のコインを投げ続けるということです。
著者は、今日の目標は次の日にはマンネリ化した目標になってしまう。と言います。
そこで、彼が立てている唯一の目標は、「明日は今日と違う自分になる」ということなのです。
仕事における成功体験や楽しさを感じられないのは、その人に才能がない訳でも、勤勉じゃないということでもなく、コインを投げた回数が圧倒的に足りないという一言につきます。
まとめ
僕らは自分の人生や仕事に対して、少し難しく考えすぎているのかもしれません。
「こうあるべきだ」「こうしなければならない」という過去の慣習や思想に縛られすぎてしまっている側面は否定できません。
もっと「自由」を取り入れることで、仕事に対するマインドは変わるような気がします。
最後に、本書の中で最も気に入った言葉、
「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る」
このスタンスを忘れてはいけないと思います。