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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

【企業分析】丸山珈琲から学ぶ独自性と消費の変化。【スペシャリティコーヒー】

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【企業分析】丸山珈琲から学ぶ独自性と消費の変化。【スペシャリティコーヒー】

 

1日の始まりはコーヒーから。

 

僕はここ1年ほど、朝の時間を充実させる生活リズムに切り替えています。

その生活の中で、特に朝一番に淹れる1杯のコーヒーは、目覚め、集中力、落ち着きを与えてくれる大切な存在なのです。

 

毎日コーヒーを飲むようになり、飲み方も少しずつ変わってきました。

インスタントのドリップコーヒーから始まり、現在では豆から挽いて飲むようになりました。

 

豆から挽くことで、香りの立ち方や味の深みが全く違うことに気づいたからです。

美味しくこだわりを持ったコーヒーを飲むことは、朝の時間をさらに充実させてくれると感じるのです。

 

また、一口にコーヒー豆と言っても、様々な産地があり、焙煎の仕方によっても、味に違いがあります。そのような違いも含めて、コーヒーは非常に奥深く、好奇心をそそられる嗜好品だと考えています。

 

そんなコーヒーに対する興味関心を満たしてくれるのが、今回の記事で紹介する「丸山珈琲」です。

 

「丸山珈琲」とは?

 

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1991年、丸山珈琲は、軽井沢で自家焙煎コーヒー店として始まった。コーヒー豆の生産地、農園、品種などにこだわった「スペシャルティコーヒー」を専門に扱い、日本でも2010年代に起こった高品質なコーヒーのサードウェーブ・ブームを先取り。

 

2012年には世田谷・尾山台を足がかりに東京にも進出し、現在、東京の5店舗を含む全12店舗を展開している。2019年には、渋谷・スクランブルスクエアに初めての「コーヒーバッグ専門店」を出店。

引用:https://www.businessinsider.jp/

 

「丸山珈琲」の経営フレームワーク分析

  1. 「ターゲット」⇒顧客
  2. 「バリュー」⇒提供価値
  3. 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
  4. 「ビジネスモデル」⇒プロフィット

 

この4つの切り口から分析を行っていきます。

 

ターゲット

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「コーヒー好き」

丸山珈琲の顧客ターゲティングの特徴は、多店舗・低価格型のコーヒーチェーンのように、売上・効率を重視した顧客設定とは一線を画す点です。

 

一杯ずつ、産地や焙煎、淹れ方にこだわることで、大衆よりもニッチなコーヒー好きを顧客ターゲットとしています。

 

バリュー

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「最高のコーヒーとの出会い」

 

丸山珈琲が一貫して持っている価値観は、公式HPでも以下のように表現されています。

 

産地からカップに注がれるまでのすべてのプロセスに密接に関わり、まだ知られていないほんとうにおいしいコーヒーをあなたのもとへ。 緑豊かな壮大な大地へ赴き、生産者のひたむきな愛情を知る。鮮やかに育まれたコーヒーの実を直に手に取り、ひらく香りと味わいを想像する。 そしてコーヒーの素材を十分に引き出す焙煎と抽出。私たちはすべてのプロセスにおいて、どうしたら最高においしいコーヒーに出会えるかを探求しつづけています。

引用:https://www.maruyamacoffee.com/about/

 

ケイパビリティ

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産地

代表であり自らがバイヤーとしても活動している丸山健太郎氏は、年間の半分以上を海外で過ごしより良い豆の調達と生産者との信頼関係を築いています。

 

特に丸山氏がこだわりを持っているのが、個別の生産者から仕入れを行う点です。

 

一般的なコーヒーは、同じ地区の農家から集約されたものがブレンドされて販売されます。

単一の生産者から購入するという方法は、大手の業者からすると量が限られることや、味に偏りが出るなどのリスクが発生する為です。

 

しかし、丸山氏は中小規模という小回りの良さと自らが豆を選定するという方法で、そのリスクを逆手にとっていると言えます。

その結果、「丸山珈琲」でしか提供できないオリジナリティを獲得したと言えます。

そのプロセスについて丸山氏は以下のように語ります。

 

最初はいい生産者がどこにいるかわからず、生産国で開かれる国際品評会後のオークションで買い始めました。01年、銀行に借り入れして、他の店と共同落札したのが最初。02年にはブラジルの品評会で1位の豆を当時の史上最高価格で落札して騒がれました。今は、自分で言うのもなんですが、私に買ってほしい生産者は多いと思う。中長期で買ってくれる、いいバイヤーがほしいですから。それまで彼らは農協に納めるしかなかった。

引用:http://www.companytank.jp/column/20180815cl14/

 

焙煎

仕入れた豆の持ち味を最大限引き出す為には、それぞれの豆に合った焙煎の方法が求められます。

 

丸山珈琲は、焙煎工場にアメリカ製の「スマートロースター」を導入しています。

豆の特性を存分に生かすことができ、味の再現性に優れたマシンを使用することも、重要なプロセスだと考えられています。

 

このスマートロースター70kgタイプは、「スマートロースター」のシリーズとしては最大で、アメリカにあるプロトタイプを除けば、それに改良が加えられプロダクトタイプとしては世界の第一号機とのことです。

 

バリスタ

丸山珈琲では、過去に日本チャンピオンなども輩出しているほどに、バリスタの育成に力を注いでいます。

HPの中でも、その意義ついて語られています。

 

コーヒーのおいしさとその魅力、生産者の想いを直接お客様に伝えるバリスタ。高品質の素材であっても抽出が適切に行われなければ、そのコーヒーのポテンシャルを台無しにしてしまいます。バリスタは、生産者が育てたコーヒーの素晴らしさを、最大限に引き立ててお客様にお届けするメッセンジャーなのです。

引用:https://www.maruyamacoffee.com/about/

 

ビジネスモデル

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喫茶店のビジネスモデルは、飲食の売上に依存しがちです。

 

しかし、丸山氏は喫茶店の店舗はあくまでショールームという捉え方をしています。

つまり、実店舗で味を知ってもらいファン化させることで、継続的に豆を売っていく。

という考え方です。

 

アメリカの大手サードウェーブコーヒーチェーンでも、まずはスーパーの棚を取り行くことを目指すと言われています。

 

日本でもこの流れは、確実にやってくることを見越して丸山氏はこのように語ります。

 

「不特定多数のお客さんが集まるキラキラの店は繁盛はしますが、お客さんが根無し草になってしまう。一方、豆を売るのは時間がかかるけれども、生涯顧客化するんです。コーヒーブランドは、そこを目指さなければいけない」

引用:https://www.businessinsider.jp/

 

実際にコロナ禍の巣ごもり需要で、オンラインの販売は2倍以上に伸びているといいます。

今後のコーヒー消費の仕方の変化も要注目ですね。