【企業分析】アカツキのハードドリブンな経営から学ぶ成長戦略。
- 「サウザンドメモリーズ」
- 「テイルズオブリンク」
- 「ドラゴンボールZドッカンバトル」
- 「八月のシンデレラナイン」
- 「ロマンシング サガ リ・ユニバース」
サードパーティとしてこれらの代表作をはじめソーシャルモバイルゲーム開発を手掛けるのが、アカツキです。
僕自身は、日常的にゲームを遊ぶ習慣はありませんが、アカツキの業績や組織文化が多くのビジネスメディアで注目を集めていることで会社の存在を知りました。
ゲーム事業を出発点としているアカツキですが、創業から10年というわずかな期間で、デジタルからリアルまで幅広く網羅する総合的なエンターテイメント企業に成長するまでに至った秘訣について分析をしていきたいと思います。
アカツキとは?
アカツキは、「"A Heart Driven World." ハートドリブンな世界へ」の実現を目指し、マンションの一室から創業した会社です。設立は2010年で2020年で10期目。グローバルに見ても稀有な成長率を誇るベンチャー企業で、2015年には「テクノロジーFast50」において直近4年間の収益(売上高)成長率2,106%を記録し日本1位を受賞。現在は、主に「モバイルゲーム事業」と「ライブエクスペリエンス事業」の2つを柱として、ワールドワイドに様々なエンターテインメント分野への投資を加速。
アカツキの経営フレームワーク分析
- 「ターゲット」⇒顧客
- 「バリュー」⇒提供価値
- 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
- 「収益モデル」⇒プロフィット
この4つの切り口から分析を行っていきます。
ターゲット
「ワクワクを求める人」
日々の生活の中で、ワクワクしたい。何かを楽しみたい。
そんな感情を持っているすべての人が、アカツキのターゲット顧客だと言えます。
エンターテイメントを起点に、デジタルからリアルまで包括的に、ワクワクを提供する企業姿勢からもその戦略を感じ取ることができます。
バリュー
「ハートドリブン」
アカツキではエンターテイメントを「心が動く体験」と定義しています。
エンターテイメントを通じてユーザーの心を動かすことが、アカツキが提供する最大のバリューと言えます。
創業者の塩田氏は、以下のように語ります。
エンタメは人間の心にタッチし、ワクワクやドキドキといった私たちの心が喜ぶ体験を与えてくれるもの。そんなふうに感情が動けば、人はもっと幸せを感じ、いろんなことにチャレンジしたくなる。人はワクワクするものには本気で向き合いますから。結果、その人の可能性は格段に広がるはずです。
心が動く体験こそが、僕たちの信じる“ハートで遊ぶカラフルな愛の世界”を実現することができる。
引用:https://lexus.jp/models/es/special/gamechangers/interview03/
ケイパビリティ
「 オープンな社風」
ユーザーだけでなく、働く従業員に対してもハードドリブンを起点にした腹き方が実践されています。
その一例として、
・社内の情報は基本的にオープンであり、開発ノウハウなども共有することで「助け合い」の風土がつくられている。
・現場からの抜擢で、「顧客とプロダクトの満足度最大化」を目指す人材輩出チームがつくられ「登竜門」的な役割を果たしている。
・現場の声を集めた「アカツキのコトノハ」の編纂や、考えを共有する「わかちあい」という場がつくられている。
収益モデル
「ユーザー課金」
ゲームにおけるユーザーの課金アイテム等に対する課金額が主な収益となっています。
また、「ドラゴンボール」や「ロマンシング サガ」など他社の知的財産権(Intellectual Property, IP)を使用した手数料を差し引いた金額が、アカツキへの収益となっています。
故に、モバイルゲーム事業では、いかに自社オリジナルのゲームをヒットさせることができるかが、収益率に直結します。
また、アカツキでは「アソビル」というリアル店舗での事業も行っていますので、デジタル上で獲得したユーザーのリアルへの誘導を促すことで、より大きな接点や顧客価値を生むことができると言えます。
まとめ
アカツキから学ぶべきことは、ゲーム事業というある種、閉鎖的や技術的な側面が強い業態でありながら、そこにとどまらない壮大な企業ビジョンと組織風土を作り上げている点であると言えます。
何か1つのものを極めてトップを取るということも、もちろん大切なことです。
しかし、これからの時代はそこにとどまらず、より大きな部分にモチベーションの源泉を持ち、他分野に広げていくことが重要だと感じさせらました。