仕事をやり切れない部下の根本的原因について。
「部下にまかせたはずの仕事が途中で止まっている」
マネージャーをしていると「あるある」の出来事です。
なので、業務の中で部下の仕事の進捗管理を欠かすことはできません。
しかし、その中で感じることはチェックが必要な部下は大体「いつも同じ部下」である場合が多いということです。
今回の記事ではそんな部下が、なぜ恒常的に仕事をやり切ることができないのか?について考えたことをまとめていきたいと思います。
B君の場合
B君にはあるイベントの出店交渉と予算管理など全体運営を任せていました。
主催である僕ら小売店側がイベントを行う場所を取引先に貸し出し、各社にイベントを実行してもらうという内容です。
このような場合、両者できること、できないことを協議ながら、それぞれが負担する経費を決めていくという調整が必要になります。
早速、各社と商談をさせたB君だったのですが、どの取引先も各々の希望を持っていて、予定していたよりも、お互いの経費は膨らみそうでした。
しかし、本社からもらえるイベントの経費は限られています。
その中で、その予算に納得できずイベントから降りる取引先も数社出てきました。
こちらの予算提案を飲めず、交渉決裂の案件が出たことで、結果的に参加意思を表明している取引先に対しては予算内に収まる形にはなりました。
そこでB君は安心しきってしまい、仕事の手を止めてしまったのです。
しかし、問題はイベントの日程が迫ってきてから発覚しました。
交渉決裂した数社が抜けてしまったことで、
- イベントテーマを伝える為のリソースが圧倒的に足りないこと。
- 予定のイベントエリアにだいぶ空きが出そうであること。
もはや、当初予定していた規模感は実現不可な状況になっていました。
一方、B君は「僕はちゃんと予算内に収めたんで。あとは全部取引先にやってもらいますよ。何か問題ありますか?」
くらいの余裕の態度をとっていたことにも驚きました。
B君の課題
B君の課題は、「仕事のゴールを勘違いしている」ことにあると感じています。
そもそも自分が担当するイベントを成功させるという意識は薄く、
あくまで「出店交渉」と「予算管理」という指示を受けたことだけをやればいい。
という思考だったのです。
事実として「出店交渉」も、「予算管理」もやることはやっています。
しかし結果的に、出店交渉も決裂していれば、予算についても取引先に言われた通りの額を積み上げただけの設計になっており、イベントの全体感がまるで考慮されていません。
どうすれば良いのか?
「ゴールから逆算する」ということが欠けているのだと思います。
もし、B君の中でイベントの成功というゴールイメージを持っていれば、
数社との交渉が決裂した時点で、イメージとのギャップに気づくと思います。
であれば、新たに他の取引先を探すというアクションや、既存の交渉相手で同じリソースを持っている会社がないか探すというアクションができるはずです。
また、予算に関しても、会社ごとに適切な配分はB君自身の中で持っておくことが必要で、理想のイベント像に対して言われた金額が、適正なのか?多すぎるのか?少なすぎるのか?というジャッジが必要だと思います。
まとめ
結果的にその時のB君のイベントは規模を大幅に縮小して実行せざる得ず、お客さんの反響も少ない、予算のムダ使い案件になってしまいました。
僕もBくんも大いに反省すべき出来事となりました。
僕自身はB君とのゴールビジョンの創造と共有。
B君にとっては、ゴールビジョンに従ったアクション。
仕事をやり切れるか。やり切れないか。の最大のポイントは、
「どこまでを自分の仕事だと思えるか?」という意識だと思います。
人に任せたりことはもちろん大切ですが、それで丸投げしてしまうのではなく、
任せている中でも、必ず自分の意思や意識を介在させておくということを忘れてはいけません。