会議で一言も発言できない部下のフォローについて考えた。
会社において会議が行われない日はありません。
「会議はムダなもの」という論調が、世の中的には強くなっていますが、僕は会議には2種類あると思っています。
- 一人のアウトプットを参加者にインプットするだけの講義型の会議
- 参加者全員がアウトプットする議論型の会議
前者は正直、必要ないものだと思います。
一方、後者の会議はオンライン/オフライン問わず必要なものだと思っています。
なぜなら、どんな仕事もたった一人でやり切ることは困難で、多くの人の考えやアイデアを盛り込んでブラッシュアップさせていくことが必要だと思うからです。
なので、僕はマネージャーという役職ですが、基本的にはアウトプット型の会議を最優先に、スケジューリングを行うようにしています。
そして、会議の内容によって出来る限り、その仕事に関わる部下を参加させるように意識しています。
そんな中、部下であるK君の様子について少し気がかりなことがありました。
それは、ほとんどの会議で一言も発言をしていない。
ということです。
入社から4年目のK君自身は、普段の業務に関しては真面目で、順序立ててしっかりと仕事をするタイプです。しかし、会議の場になると、途端に影を潜めてしまうのです。
せっかく、現場の状況をよくわかっている人材なのに、そこで発言をしないのはとてももったいないと思ってしまいます。
今回の記事では、そんなK君が会議の場で発言に消極的になってしまう心理と、彼が積極的になる為にどう対応すべきかについて考えました。
なぜ発言できないのか?
K君が発言を控えてしまう理由として「普段の業務との違い」が考えられました。
通常の業務では、4年目のK君は基本的に上司や先輩の指示に従って働いています。
大袈裟に言えば、何も考えてなくても「やるべきこと」はたくさん降ってくる状況なのです。
実際の彼は、何も考えていない訳ではなく、命じられた仕事をどんな手順や方法でこなしていくべきか?というHOWの部分については、非常に考えていると思います。
しかし、なぜそれをやるのか?(WHY)や、何をやるべきか?(WHAT)の部分になると、
普段の業務で使っている思考回路とは全く別物になってしまうことに戸惑っている様子が伺えました。
K君は現状の壁をどう乗り切るべきか?
K君に必要なことは、仕事の全体感を掴むことだと思っています。
それは、自分が今やっている仕事の背景には、どんな会社として意図があって、何を達成する為に行われているのか?という繋がりを認識するということです。
しかし、これに関しては一朝一夕で理解できるものではありません。
自分自身でも考えを持ち、他者に投げかけ、様々な共感や否定を受けることで、理解していく必要があると思っています。
だからこそ、K君を会議の場に参加させているという側面もあります。
上司としてどのようにフォローするべきか?
絶対にNGなのは、彼に対して「しゃべらないヤツ」というレッテルを貼る。という行為です。
その理由は、ピグマリオン効果をもとに説明ができます。
ピグマリオン効果
ピグマリオン効果とは、教育心理学における心理的行動の1つで、教師の期待によって学習者の成績が向上することである。別名、教師期待効果、ローゼンタール効果などとも呼ばれている。
引用:Wikipedia
つまり、発言できない彼を責めて自信を喪失させることは、成長という側面では全く逆効果で、むしろ彼に対して期待をして自信を持たせることの方が重要だと言えます。
K君に期待感を感じ取ってもらう為のアプローチについて3つのことを考えました。
1.目を見る
⇒目線というのは、口ほどにモノを言うと思っています。
いくら熱弁をしていても、伝えたい相手の方を向かいないで話していれば、相手の理解度は半減以下になります。視線を送って相手に当事者意識を持たせることで、話を理解してもらえる可能性は上がります。
相手に何か発言をしてもらいたいと思う時は、まずは自分が相手の目を見て言葉を伝えるということが大切だと思います。
2.話題を振る
⇒K君を参加させている会議は多くの場合、彼が参加者の最年少です。
当然ですが、本人は「自分の発言なんて既にわかり切っていることなんじゃないか?」
「こんな発言は別の参加者を不快にさせるんじゃないか?」こんな堂々巡りをしているのではないかと思います。
しかし、それは本人の思い込みで、実際に発言してみなければ自分の考えが相手にどう認識されるのかもわかりませんし、もしくはそれが何かにつながる場合もあると思います。
また、一言でも発言をすることで、リズムをつくることができます。
ますは、そのスタートを切るために、話題を振ることで、半ば強制的にでも、何かアウトプットさせるということが大切だと思います。
3.リアクションを取る
⇒不安を感じて発言をする部下にとって、誰かがリアクションをとることは大切だと思います。自分の発言が誰にも受け入れられていないと感じてしまうと、誰でも思考のパフォーマンスは低下していきます。
ちょっと大げさなくらいのリアクションで、弾みを付けさせるというのも大切なポイントです。
まとめ
K君の考え方や慎重な姿勢は、過去の自分と重なって感情移入できる部分が多いです。
それだけに、このままにしてはいけない。
壁を乗り越えてほしいという気持ちにもなります。
人の考え方や姿勢を変えることは難しいです。
しかし、彼自身で気づきを得られるバックアップを少しでもしていきたいと思います。