【企業分析】ベースフードから学ぶD2Cビジネスの成功戦略【完全栄養食】
「健康的な食生活」について、普段どのくらい気を遣っていますか?
僕自身はコロナウィルスによる緊急事態宣言が出て、自宅待機をしていた時期は、
感染リスクを少しでも下げる目的、かつ食事を作る時間がたっぷりあり、かなり栄養バランスを気にした食事をしていたと記憶しています。
しかし、その後会社への出勤が始まると、あっという間に時間がなくなり、
- 外食
- デリバリー
- コンビニ弁当
などのクイックで不健康な食生活にあと戻りしてしまいました。
食生活の見直しというのは、「相当な意識」と「時間」が必要なものだと、
あきらめを感じました。
僕と同じような課題を抱える人は、
非常に多いのではないでしょうか。
そんな課題に対してソリューションを提案するのが、
今回の記事で紹介する<ベースフード>です。
ベースフードとは?
わずかな調理で日本人が1食に必要な栄養素の3分の1を摂取できる「完全栄養食」を、
オンライン販売するブランドです。
また、自社で商品を企画、生産し、流通業者を介することなく、自社ECサイトで直接消費者に販売する今注目を集めているD2Cの形態をとっていることも特徴です。
商品ラインナップは、パン、パスタ、パスタソースなどです。
2016年の発売と同時に、以下のような実績を残し、現在も拡大を続けています。
- アマゾンの食品カテゴリランキング首位
- 日経トレンディヒット予測ランキングにランクイン
なぜ、そこまでベースフードが支持されるのか?
についてフレームワーク分析を行いながら、掘り下げていきたいと思います。
ベースフードの経営フレームワーク分析
- 「ターゲット」⇒顧客
- 「バリュー」⇒提供価値
- 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
- 「収益モデル」⇒プロフィット
この4つの切り口から分析を行っていきます。
ターゲット
「簡単で美味しい健康食を望む人」
このターゲット戦略は、ベースフード社長の橋本氏の経験に基づいているそうです。
渋谷ヒカリエで5年働いてたんですけど、あのあたりって安くて栄養あるご飯を食べられるところがあんまりなかったんですよ。
カレー、ラーメン、コンビニのローテーションみたいな。そしたら、健康診断の結果がどんどん悪くなっていって。
ファストフードはダメだとか言われてるけど、手軽に食べられるファストフードが健康的だったらいいよね…と思って、開発してみることにしたんです。
[ベースフード社長 橋本舜氏]
バリュー
「主食のイノベーション」
手軽に栄養素を摂取できる“完全食”といえばドリンクや固形食品はありますが、
そこに「美味しさ」や「食べることの楽しみ」は重視されていません。
世界で初めて、主食であるパスタやパンで“完全食”をとして提案することで、
「健康」×「美味しさ」の両立をしたことで新たな価値提供が成り立っていると言えます。
ケイパビリティ
自店舗を持たないD2C形態で、ベースフードが成長した要因は、
「商品そのものが広告機能」となっている点が挙げられます。
具体的にいくつかの事例を紹介します。
1.SNS拡散
ベースフードの主力商品は、パスタやパンなどの主食であり、
シンプルかつラインナップも非常に絞りこまれています。
それ故、調理のアレンジの幅は無限にあります。
SNS上で、「ベースパスタ」と検索すると、
ユーザーが投稿した様々なアレンジレシピが紹介されています。
健康かつ簡単であると同時に、日々の食生活を楽しむというブランドイメージによって、
自らで積極的に広告を打たずとも、自然発生的にフォロワーの投稿によって宣伝がされている状況を生み出しています。
2.ベースフードキャンプ
20食の食事をベースフードに置き換える「キャンプ」を1カ月間、クローズドのコミュニティで実施されるオンラインイベントです。
何を食べたか、身体にどんな変化が起きたかを、各自「#BASEFOODCAMP」というハッシュタグを付けて Twitterでつぶやくと、管理栄養士が食事内容に関するアドバイスをしてくれるという取組みです。
商品だけでなく「同じ分野に関心を持つ人達と集える場」や、「同じ商品を愛用している人達が一緒に頑張れる場」とつながることで、ブランドロイヤリティや、商品継続率の向上につながっていると言えます。
3.コラボレーション
ベースフードでは、オンライン上だけでなくリアルな場での接点も広げています。
それが、実店舗の飲食店やスポーツジムとのコラボレーションです。
- バーガーマニア
- プロント
などと協業してベースフードを使用したコラボメニューを展開しています。
また、ターゲット顧客が重複する暗闇ボクシングのB-monsterなどでは、
ベースフードを無料配布するキャンペーンも実施しています。
これらの活動により、D2Cビジネスにとってハードルの高い「リアル顧客」のブランド認知の高めていると考えます。
収益モデル
ベースフード公式HPを見ると、
主力商品であるベースパスタとベースブレッドはともに、
1食あたり312円となっています。
通常自宅用のパスタやパンと比較すると約3倍ほどの価格差があり、
割高感が感じられます。
しかし、栄養価の高い原材料費やプレミアム感のあるパッケージを考慮すると、
かなり利益率を押さえた価格設定であると考えられます。
故にビジネスとして拡大していく中で、
より販売数量の増加が課題となってきます。
また、数量が増加することで原材料費を抑えることができる為、
将来的に栄養価はそのままに価格設定を下げるということもできます。
実際に、ベースフードシリーズは発売当初よりも販売価格がリーズナブルになっています。
今後より一般の自宅用主食商品と価格差を縮めることで、
栄養価という部分で圧倒的な差別化が可能になるのではと思います。
今後もベースフードの躍進に目が離せません。
まとめ
参照
- BASEFOOD:https://basefood.co.jp/
- 新R25:https://r25.jp/article/559300057269609899
- 社長名鑑:https://shachomeikan.jp/article/1918
- DIME:https://dime.jp/genre/903194/