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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

論理思考を鍛える3つのフレームワーク

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論理思考を鍛える3つのフレームワーク

 

「ビジネスマンにとって最も大切な能力は何ですか?」

 

と聞かれたら、僕は間違いなく

 

「論理的思考力」

 

そう答えます。

 

僕の考える論理的思考とは、「物事の筋道を立てて抜け漏れなく考えたり、説明できる力。」です。

 

なぜ、そこまで言い切るのか?というと、いまのビジネスにおいて大切なことは、実務能力よりも設計能力だと思うからです。

 

ここでいう実務能力とは、以下のようなものです。

 

  • 会計スキル
  • 英会話スキル
  • プレゼンスキル

 

しかし、このような実務スキルはすぐに役立つという側面はあるものの、外部環境の変化によって一気に価値が低下するという側面もあります。

 

例えば、会計スキルという個別の能力だけで雇われていた人は、会社が新しい会計ソフトを導入して、より低いコストで会計担当者の代替えができるようになれば、その人が持つ価値は低下することになります。

 

ここでいう設計能力とは、以下のようなものです。

 

  • マネジメントスキル
  • マーケティングスキル
  • クリエイティブスキル

 

どれも、実務スキルを持つ人々に対して、「どう動いてもらうのか?」を考えることが仕事になります。この役回りの特権は、決して自分一人だけでは成し遂げられない大きなスケール感で仕事ができることだと思っています。また、そのような仕事経験を通じて得られるスキルは、外部環境の変化にも左右されにくい普遍的なスキルだと思います。

 

そして、この設計能力の根幹にあるのが論理的思考力であると思います。

だから、僕は「論理的思考力」をビジネスマンにとって非常に重要なスキルだと考えているのです。

 

「論理的思考力」についての本質は限られたいくつかのポイントに限られると思います。しかし、世の中にはその表現を変えて様々なビジネス書や教材などが出回っています。もちろん、人によってフィットするものは異なってきます。

 

僕の場合、自分がマネジメントの立場として、「論理的思考とは何か?」を部下によりわかりやすく伝える為にはどうすれば良いか?という視点を大切にしています。

 

その中で、インスタグラマーのエヌケンさんという方にボイシ―放送が、非常にわかりやすかったので、僕なりの考え方も交えながら紹介したいと思います。

 

 

 

1.意味を分解する

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論理的思考力を使う場面においては、必ず相手が存在します。

 

自分が言いたいことは「何か」を相手に理解してもらうこと。

相手の言いたいことは「何か」を自分が理解すること。

 

この「何か」という大前提について、共有ができなければ話は進みません。

それを共有する為の手段が「意味を分解する」という手段なのです。

 

例えば、「面白い」という言葉の定義や価値観は人によって異なります。

 

  • 楽しい
  • 笑える
  • 興味深い

 

このことから言えるのは、ミーティングのテーマでは「何か面白い企画を考えていきましょう」というだけでは駄目で、具体的に目指す「面白さ」とはどういうことか?という前提の意味を分解して定義しなくては、ミーティングにおいても散発的な意見に留まり、良い結論が出ることはないと思います。

 

その意味で、どんな場面においてもいきなり本題に入るのではなく、前提となる条件を深く理解し、共有することを意識する訓練というのは、非常に大切になります。

 

2.なぜ?を5回繰り返す

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ここからは、もう少し話を踏み込んで、問題の本質。つまりボトルネックを見つけるという段階に入っていきたいと思います。

 

物事を深いところまで突き詰める方法は、「なぜ?」を5回突き詰めるというTOYOTAが実践しているものが非常に有名です。

 

①課題の「機械が動かなくなった」に対して1回目の「なぜ?」を投げかける。

→「オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたから」

 

②①で明らかになった要因に「なぜ?」を投げかける。

→「オーバーロードがかかったのは、軸受部の潤滑が十分でないから」

 

③②で明らかになった要因に「なぜ?」を投げかける。

→「十分に潤滑しないのは、潤滑ポンプが十分くみ上げていないから」

 

④③で明らかになった要因に「なぜ?」を投げかける。

→「十分くみ上げられないのは、ポンプの軸が摩擦してガタガタになっているから」

 

⑤④で明らかになった要因に「なぜ?」を投げかける。

→「摩擦したのは、ストレーナー(濾過器)が付いていないので切粉が入ったから」

 

5回の「なぜ?」を繰り返した結果、例題では「ストレーナーを取り付ける」という対策にたどり着きます。

 

また、なぜなぜ分析を行うにあたって必要なチェックポイントも3つほどご紹介します。

 

  1. 個人の問題に帰結させない
  2. 具体的な一つの現象に絞り込む
  3. 組織がコントールできる範囲で考える

 

3.抽象と具体を行き来する

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最後は、抽象と具体を行き来です。

鳥の目、虫の目、魚の目という表現がありますが、まさにその言葉がある通り、

 

  • 鳥の目⇒広く高い大きな視点
  • 虫の目⇒狭く深い小さな視点
  • 魚の目⇒流れを読み取る視点

 

これらを状況に応じて使い分けていくことができる人が、論理思考が卓越した人だと言えます。

 

例えば、就職活動というテーマにおいて上記の視点を活用すると、以下のような視点で分析をすることができます。

 

  • 鳥の目⇒業界の選定
  • 虫の目⇒具体的な業種の選定
  • 魚の目、トレンドの調査

 

また。論理思考が上手い人の特徴として、例え話が上手いということがあります。

これは、複雑な物事を単純化してより多くの人に伝えることができる能力とも言い換えることができます。

 

ある経営者が、自身が起業をした理由についてこんなエピソードを語っていました。

 

「急斜面の山道を時速80kmの車で下り続けるとしたら、その助手席に座りたいか?自分がハンドルを握っていたいだろ?だから、経営者になったんだ。」

 

つまり、ここで活用されているのが、虫の目で難しく捉えがちな起業というアクションを鳥の目で抽象化して、さらに「自動車での山下り」という虫の目に転換して話をしているのです。

 

  • 日々先の見えない変化に晒されるビジネスシーン=急斜面の山道
  • アクションをしないとどうにもならない状況=時速80キロの車
  • 正解かどうかもわからない会社や上司の指示に黙って従う=助手席に座る
  • 自分自身で判断できる経営者になる=ハンドルを握る

 

これが抽象と具体の行き来と言われるものです。

 

まとめ

  1. 意味を分解する
  2. なぜ?を5回繰り返す
  3. 抽象と具体を行き来する

 

このポイントを押さえながら、日々の仕事における考えや、やりとりに反映させるだけで、その成果は大きく変わるはずです。