【組織変更はなぜ多いのか?】組織が人を変える?人が組織を変える?についての考察。
年度や半期ごとの人事異動。
自分の配属先が変わらなかったとしても、上司や一緒に働くメンバーが変われば、自分の働き方も大きく変わります。
また、そんな人事異動と必ずセットなのが、組織変更です。
組織変更の影響力もまた大きいです。
それは、部署の社内におけるポジションニングを意味するからです。
それによって「持つもの」と「持たざるもの」が生まれ、目に見えない上下関係が出来上がってしまう場合もあります。
そんな組織変更における難しさについて考察したことについて僕なり経験を踏まえてまとめてみたいと思います。
人が組織を変えるケース
良くも悪くも組織は人に依存します。
特にそのトップによる依存度は非常に高いように思います。
組織に属する人は、嫌でもそのトップからの影響を色濃く受けるのです。
ある年度には、僕の所属する担当に強烈なパワーマネジメントを行うトップが着任しました。
正直、それまでの僕の所属では良くも悪くもゆるい空気が流れていました。
危機感はあまりなく、日々の仕事を淡々とこなしていくことが正義という雰囲気がありました。
その時のトップは、あまり部下に対して口出しをしないおとなしいタイプの人がトップでした。
しかし、真逆のタイプのトップが着任したことで、働き方も大きく変わりました。
さらに驚いたことは、周囲のメンバーの性格や意識までも大きく変わってしまったということです。
これまで温和でゆったりとした性格だったメンバーが、いつも神経質な様子を見せるようなったということもありました。
また、トップの口癖は、「考えが浅い」でした。
これは、自分が納得いかない部下の仕事に対してのぼやき文句なのでしたが、部署内でも、そのトップがいない時も、上司が部下を、先輩が部下を指導する時に、この「考えが浅い」というワードが頻繁に使われるようになりました。
人は個人としての性格は、生まれ持ったものや育ってきた環境や経験によって、固有のものを持ち合わせています。
しかし、それが集団になった時、個人の「静」や「動」の要素というのが、トップの姿勢や集団全体に合わせて表面化してくるのだな。という感覚を覚えました。
つまり、誰もがバランスの問題はあれど似通った固有の要素を持っていて、それがトップの姿勢に応じて最大限引き出されることで組織という一つのカタチになるのです。
組織が人を変えるケース
組織変更によって「持つもの」と「持たざるもの」が生まれてしまったケースです。
僕の会社は、これまで営業部門と採算を管理する後方支援が一体の組織でした。
しかし、ある年度の組織変更によって、この2部門が切り離されてしまいました。
これによって起きたことは、圧倒的な社内格差です。
営業が売上を上げるためには一定の経費は必要不可欠です。
これまでは、1つの部門だった為に、一体感もあり臨機応変な対応もありました。
しかし、組織が変わってからは、そのような申請する為に管理部門のトップまでお伺いを立てなければいけなかったり、場合によっては門前払いを食らうなどの状況になってしまいました。
営業部門と管理部門の関係性も非常に悪化し、ほとんどコミュニケーションに取らなくなってしまう程の状況に陥ってしまいました。
この根底には、お互い知らないことが多すぎるということが根底にあると思います。
営業部門からすると、申請経費は売上に応じてリターンできるという自信はあるのに、どうして伝わらないのか?という不満。
一方、管理部門からすると、経費削減目標があるのに、どうしてもっと効率的な方法を考えてくれないのか?という不満。
このようにそれぞれの想いを理解し合えないまま、不満だけが募ってしまうのです。
僕は当時、営業部門だったのでそちらの方を持つわけではありませんが、やはり順番として、まずは「持つもの」が「持たざるもの」に対する理解を深めること。これが先決なのではないかと思います。
これは、自分がどの立場になったとしても言えることです。
- 上司から部下を理解しようとする。
- 先輩から後輩を理解しようとする。
そうすることでしか、相互理解は生まれないと思っています。
ただ一つ言えること
このように組織変更においては、人の感情が動き、そして解決しなければならない問題もたくさん発生します。
しかし、唯一言えることは、「変化をやめてはいけない」ということだと思います。
変わる時代の中で、仕組みも配置も変わらない硬直した組織は、絶対にうまくいきません。
永久にうまく回り続ける仕組みなど存在しないからです。
組織変更とは、全員が立ち止まらず、走り続ける為に必要なことなのだと思います。