部下に「フィードバック」する前に覚えておきたい3つのチェックポイント。
フィードバックは嫌いだ。
これが僕の本音です。
なぜなら、マネージャーとして部下に対して行うフィードバックとは、決して相手にとっては耳あたりの良いことだけでなく、耳の痛いことも伝えなければいけないからです。
もちろん、会社や部門が目指すゴールにチームを導くために、フィードバックを積極的に行うことは、非常に有効な手段です。
しかし、場合によっては、部下の仕事に対するモチベーションを大きく阻害してしまうこともあります。
いわば、フィードバックとは、無神経に数をこなせばよいという性質のものではなく、受け手側だけでなく、伝える側も相当な神経を使わなければいけない諸刃の剣なのです。
この記事では、そのような背景を踏まえ、僕自身が部下に対して特に耳の痛いことを言わなくてはいけない場合の3つのチェックポイントについてまとめました。
3つのチェックポイント
1.関係性の構築
僕の部署の場合、アルバイトも含めると50名以上の部下がいます。
その中には、日常業務の中で挨拶程度の会話しかしたことがない部下もいます。
つまり、お互いがどんな人間なのか?ほとんど知らない状態であることもあります。
そんな状況において、上司だから、面談も業務だからという杓子定規的なスタンスで、いきなり、あれができてない、これができてない、と指摘をしたとしても、相手には全く響きません。
少なくともまずは、前段として相手の人となりを知り、理解を深め、実際に部下の仕事ぶりを観察し、自分なりの評価をした上で、フィードバックを行うというプロセスは、必要不可欠です。
2.部下の心のコンディションを認識しておく
これは自己肯定感という言葉でも言い換えられると思います。
つまり、部下がきちんとフィードバックを正常に受け入れる状態にあるか。ということです。
例えば、仕事とプライベートの両方で大きな悩みを抱えていて、心の状態が非常に不安定なタイミングの部下に対して、仕事に関する指摘を新たにぶつけたとしても、当然それを受け入れる余裕はないと思いますし、さらに本人の状態を悪化させてしまう危険性もあります。
そのような部下の心の機微を察するには、やはり相手をよく観ることで平常時を知っておくということに他ならないと感じます。
3.事実と感情を切り分ける
最後は伝える内容についてです。
大切なことは、目標に対して、事実ベースで足りない部分を指摘するということです。
例えば、営業職の部下に「売上目標が未達」であることのフィードバックを行う場合には、「(売上未達なのに)訪問件数が少ないのはなぜ?」などの事実ベースの指摘が必要です。
これが、「なんか最近やる気ないよね?」などの主観や感情ベースの話になってしまうと、相手は全くそんなことは自覚していなかったのに、急によくわからないことを言われた。という気持ちにもなりかねません。
まとめ
フィードバックを行うタイミングは「フェーズによって切り分けて考える」ということが結論になります。
- 部下との関係性を築くフェーズ
- 部下の状態を把握するフェーズ
- 事実と感情を切り分け伝えるフェーズ(心の安定を前提に…)
これからも「自分と部下はいまどこのフェーズにあるのか?」そんなことを考えながら、フィードバックを行うことを大切にしていきたいと思います。