ビジネスにおける第一印象の影響度についての考察
先日、営業担当をしている部下から「自分は取引先からの第一印象があまりよく思われてないように思う」という悩みを聞いた。その対話の中で、僕が感じたビジネスにおける第一印象の影響度について、この記事でもまとめ直してみたい。
人の印象を決定づける要素は、「容姿」と「行動」この2つの掛け合わせだ。
誰しも特定の人に対して印象を持つ際、第一印象ほど「容姿」の比重が高く、その後は徐々に「行動」の比重が高まっていく傾向がある。
つまり、人の印象というのは次の4つのパターンに分けられるはずだ。
1.第一印象が良く、行動によってさらに印象が良くなる人
2.第一印象は良いが、行動によって印象が悪くなる人
3.第一印象は悪いが、行動によって印象が良くなる人
4.第一印象が悪く、行動によってさらに印象が悪くなる人
また、僕のこれまでの経験上、1や4の、良くも悪くも「第一印象をそのまま引きずるタイプ」の人は極めて少ないと思う。
世の中のほとんどの人は、様々なコミュニケーションの中で、2や3のパターンに落ち着いているはずだ。
なぜ、そのような印象の変化が起こるのかというと、そこには「嫉妬」と「ギャップ」の要素が関係しているのだと考えている。
第一印象は良いが、行動によって印象が悪くなる理由
「嫉妬」の感情というのは、少なからず誰しも持っている。その感情は、自分が持っていないものを持つ人に対して働きやすい。そのわかりやすい例は、「容姿」だと思う。
人の印象を決める時の「容姿」というのは、決して単純な見た目だけではなくて、体型や表情に加え、雰囲気だったり、人格も含めた全体的なものだ。
容姿端麗で、スタイルもよく、しかも明るい性格。という第一印象が圧倒的に良い人ほど、「嫉妬」の感情を含め、大きな期待の目で見られることが多い。
その場合、些細なミスや本人は悪気なく発した一言で、大きく相手の印象を損ねてしまう場合もある。
つまり、第一印象が初期段階で上りきってしまっているというタイプの人は、後の行動を相当注意深くしないといけないというジレンマも抱えているのだ。
裏を返すと、ビジネスにおける短期的なお付き合いや単発の案件においては、抜群の成果を期待できるのである。
第一印象は悪いが、行動によって印象が良くなる理由
今回の相談をしてきた部下や僕自身もそうだが、恐らく相手への第一印象は決してよくないタイプに分類にされるだろうと思う。
容姿に関しては良くも悪くも平均的で、大きな特徴を持たない上、これといって気の利いたことも言えない、つまらないビジネスマンだからだ。
取引の相手からすると、この人たちにあまり多くは望めないかな?という印象すら与えているかもしれない。
しかし、このようなことは悪いばかりではない。
相手の期待がそこまで高くないからこそ、少し普通の人より頑張るだけで、「意外とやるじゃん」という見られ方をする。
決してめちゃくちゃ仕事ができるわけではないのだが、低空飛行だった第一印象とのギャップにより少しだけマシに見えるという理屈だ。
ただし、このパターンを狙うには、地道で細々とした努力を続けることが不可欠だということだ。そうすることで、必ず最初の印象は挽回することができる。
そして、このタイプの人間の場合、ビジネスにおいては信頼関係が必要な長期的な取組に向いていると感じている。
まとめ
第一印象によって得するも、損するも半年。
それが、第一印象の有効期限だと思う。
職場におけるどんな人気者でも、どんな嫌われ者でも、時間の経過とともに、その人の外見からは見えづらい本質的な中身に気づいてくる。
むしろ、人間関係とはそこからが本番だと思う。
その為には、自分という人間は相手からどう見らえているのか?そして、その見られ方に対してどう行動をすべきなのか?という自己認識を持つことが大切なことなのだろう。