抽象度が高すぎる仕事が業務を遅らせる。
「あ~、今日も疲れたけど全然仕事が進まなかったなぁ。」
振り返ると、大体そんな日のToDoリストは大した内容が書いてなかったりしますよね。
では、何をしていたかというと、急に上司から降ってきた難題を前に立ち往生して一日が過ぎてしまった。そして、本来やるべき業務は翌日に回されて、翌日は翌日でてんやわんや。結局、その難題はいつの間にか放置…という経験は誰にでもあると思います。
さて、その時間を奪われる難問と本来業務の違いとは、何なんでしょうか。
その本質を理解せずに、ごちゃ混ぜにして仕事を進めていると、いつまでもダラダラ仕事からの脱出は不可能です。
その違いとは、抽象度の違いです。以下の図のように、本来業務とは具体的でやるべきことが決まっているものです。一方、難題と言われるものは抽象度が高くどうとでも取れ、行動の選択肢が無数にあるものです。
まずは、自分が向かい合っている仕事を、具体的なものと抽象的なものに整理して考えることがスピーディーに仕事をこなすファーストステップです。そして、この難問をサクサクこなしていくことこそ、平凡な部下から有能な部下への成長でもあります。
抽象度の高い仕事を攻略する3つのステップ。
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目標を明確化する。
抽象度の高い上司からのむちゃ振りとしては、例えば「チームのモチベーションUP」等があるあるです。実際、モチベーションというのは目に見えないものなので、何が向上の指標なのかということを上司とすり合わせが必要です。自分の思い込みで、「売上」というものを向上の指標にしてそれが上がったとしても、上司からすれば
「売上があがったのは新商品の投入があったからだ!モチベーションとは関係ない!」と思っているかもしれません。そんなコミュニケーションの齟齬を防ぐためにも、目標達成の指標をすり合わせることは重要です。
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目標の魅力度合を引き上げる。
目標の共有ができたとしても、それが実際に実行する自分やメンバーにとって魅力的でなければ、仕事は続きません。抽象度の高い仕事ほど、その達成には継続が大切です。
継続のためには、目標達成の成否で訪れるメリット・デメリットについてイメージできるようにしておくのが近道です。
目標を達成することは、それ自体が「真の目的」ではないはずです。達成後に得られる様々なメリットがそれにあたるのです。
目標は、チームのモチベーションを上げることだが、その結果得られるメリットは、売上や生産性向上による昇給。等…
また、デメリットについて達成できなった場合起こりうる事態とそれを避ける行動を知っておくということが大切です。
例えば、禁煙セラピーでは、喫煙が原因で肺がんに侵されてしまった人の実際の肺の写真を見せたり、その人の苦痛に満ちた体験談を聞かせるという手法が取り入れられています。
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目標の達成可能性を引き上げる。
達成可能性を上げるとは、「このくらいだったらできるな。」と思うことができるレベルまで目標を具体化することです。その為に必要な作業は「分解」です。
どんな抽象的な概念でも、分解をしていくことで徐々に具体化することができます。
以下の図のように、分解すると「モチベーションを上げる」というばっくりした内容に対して、具体的にすべきことが見えてきます。
どんどんこの具体化レベルを掘り下げていくことで、毎日はやるべきことに溢れてきます。常に思考しながら走り続けているその状態こそが10倍速の状態です。
まとめ
- 自分の仕事における具体と抽象の棚卸をする。
- やるべき目標の明確化とゴール後のイメージを設計する。
- 抽象目標をどんどん具体化しやるべきことを増やす。
参考図書:『目標達成力が10倍アップする!技術』
- 作者:藤森将昭
- 発売日: 2008/09/19
- メディア: 単行本