エゴン・シーレ展に行って感じたこと
独創性の追求
東京都美術館で開催中のエゴン・シーレ展に足を運んだ。
美術初心者の自分は、元々全く名前も知らなったアーティストだったが、その独特な雰囲気をもつ作品に魅かれた。また、なんとなくそうかな?と思いつつ、予想が当たっていたのは、「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの画風に大きな影響を与えているということだ。
やはり、この展示で僕が最も強く感じることができたのは、その独創性とそれが育まれる過程についてだ。
・社会的背景
シーレの生きたのは、1800年代末期~1900年代初頭、ヨーロッパの各国が産業革命で資本を蓄え帝国主義の名のもと植民地化進み、同時に第1次世界大戦も起こる時代だ。
技術などがすさまじく進歩する時代において、美術も同時に「新しい」ものが求められ、認められたものは経済的な成功も収めることできた時代だったという。
・ステップ
シーレは、10代の若いころからその才能を認められ、飛び級で芸術学校に入ったり、師匠となる巨匠とも出会っている。ただ、それでもすぐに強烈な独創性を発揮していたわけではなく、初期は当時、流行していた日本の浮世絵などを模倣した作品も残している。
また、風景画なども含めて様々な画風に挑戦し苦悩する中で、最終的な自分らしさを発見している点は、努力型の天才であるとも言える。
・個人特性
シーレの絵で最も有名な《ほおずきの実のある自画像》に象徴されるように、彼の作品で非常に多くみられ、かつ独創性を感じられるのが、自画像だ。
独創性の追求の苦悩の中で、何度も内省を繰り返し、自分という人間が何者なのか?どう見えるのか?という問いに向き合った結晶が、このような自画像だと言えるかもしれない。