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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

「東福寺展」を見て感じた仏教における芸術感

「東福寺展」を見て感じた仏教における芸術感

 

年が明けてから積極的に芸術に触れるようになった僕だが、傾向としては西洋芸術に触れる機会がどうしても多かったように思う。

 

そんな中で、昨日は東京国立博物館での特別展「東福寺」にて、東洋の仏教芸術に触れたことで、自分なりに新しい発見をすることができた。

 

展示作品の時代背景は、13~15世紀のいわゆる中世であり、世界のどの国でもそれぞれ宗教が中心となって社会が駆動していた時代だ。

 

ここで、宗教観の違いが芸術面にもおいても大きく影響を与えている点が非常に興味深いと思った。

 

まず、共通点としては、芸術作品がつくられる最大の目的が布教であること。

しかし、そのアプローチに大きな違いを感じた。

 

キリスト教などの一神教における布教は、神を大きくクローズアップにしているのに対して、今回の仏教、その中でも禅宗においては、神は存在せず、クローズアップされるのは、修行を極めた師匠の肖像画である点だ。

 

「神から人へ」ではなく、「人から人へ」伝授していくというアプローチは、少なからず、現在の日本にも通じる部分はあるような気がした。

 

実際の展示では、このような肖像画や免許皆伝の書物などが、非常に良い状態で展示されていて、見ごたえを感じるものであった。