自意識過剰くんなイケメン部下を女性比率の高い職場でどうマネジメントすればよいか考えた。
僕がマネジメントをしている職場は、
女性が8割という、圧倒的女性比率の高い現場です。
僕のような30代の冴えないおじさんであっても、
その環境の中では男性というだけで、
ある意味、特権的な立場であることも多いです。
(マネージャーとしての権力的な意味ではなく。)
そして、それが若手のイケメン男子ともなると絶大なパワーを持っています。
僕の部下である自称菅田将暉似のイケメンS君が、
まさにそのようなポジションなのです。
女性同士の些細な揉め事の仲裁に入ってもらったり、
少々頼みづらいお願いごとを聞いてもらったり、
そんな場面では、S君のイケメンパワーがいかんなく発揮されます。
また、他の人がやらかしたら皆が激怒するようなミスも、
S君がやったとなると、なんとなく許されてしまう空気もあります。
しかし、そのような本人の能力やスキルとは無縁のパワーは、
非常にリスクがあることも実感しています。
それは、自分の実力を過大評価しすぎて、
自意識過剰になってしまうというリスクです。
- 自意識過剰くんなイケメン部下を女性比率の高い職場でどうマネジメントすればよいか考えた。
- S君の問題行動
- 僕がS君に必要だと思うコト。
- S君の成長を促すマネジメントの為に必要な3つのコト。
- S君からの学び
S君の問題行動
S君の自意識過剰具合に、僕も頭を悩まされていました。
そのあふれる自信から僕の仕事のお願いに対して、
必要以上に自己判断で進めてしまうのです。
先日も、ある案件に対してリサーチをした上で、
その結果を踏まえて、いくつかの取引先への交渉を進める予定の仕事がありました。
S君にはリサーチまでをお願いしていたにも関わらず、
自己判断で、取引先との交渉まで進めてしまったのでした。
しかし、実際のところリサーチにおいては必要な情報が不足しており、
交渉を進められる段階ではありませんでした。
しかも、S君が交渉を始めてしまったA社という取引先が
妥当かどうかも判断しかねる中で、案件を見切り発車してしまっていたのでした。
交渉は既にだいぶ進んでしまっており、
その時点で仕切り直しはできない状態でした。
結果は、我々も取引先もどちらも得をしない散々なものでした。
そんな失態を犯したにも関わらず、
S君は「まぁ、しょうがないっすよね」「ちょっと、あの取引先は微妙でしたよね。」
といった具合で全く反省の様子もなく、僕も少しあきれてしまうほどでした。
僕がS君に必要だと思うコト。
自己分析の名著である『ストレングスファインダー』では、
「マネジメントにおいては部下の弱点にフォーカスするのではなく、
強みにフォーカスすべき」
ということが語られています。
その点で考えると、明らかにS君に足りていない
- 謙虚さ
- 慎重さ
- 冷静さ
にフォーカスするよりも、
逆に強みである
- ポジティブ
- 活発性
- 自己確信
の部分を伸ばすべきということになります。
しかし、僕の考えでは、
大切なのは彼の「強みと弱みのバランス」だと思います。
「弱み」を「強み」に変えることは、非常に労力と時間もかかり、
S君自身にも大きなストレスを与えることになります。
そうではなくて、現状マイナスになっている「弱み」を
せめて0地点まで近づけつつ、「強み」をさらに伸ばしていく。
ということが大切ではないか?と思っています。
S君の成長を促すマネジメントの為に必要な3つのコト。
失敗はハッキリと指摘する。
僕のこれまでのマネジメントの仕方として、
(特に女性の部下に対して指摘をすることが多いということもありますが)
あまり直接的な言い方をしないという部分がありました。
暗に方向性を示して、背中を押すようなイメージです。
しかし、それではS君のような自意識過剰くんに対しては、
全く響いてすらいないことがわかりました。
なので、彼のようなタイプには、
少し大袈裟なくらいにハッキリ物を申す。
ということが大事だと思いました。
そこで大切なのは、
あくまで感情的になるのではなく、
事実ベースで伝えるということかと思います。
先日のS君のミスに対しても、
「君の案件の失敗により双方の会社で、実額で〇〇円の損失が出たんだ。」
というような表現をして、
次同じミスをしないように促す形を取りました。
適切なパートナーを組ませる。
弱い部分を改善させるよりは、
それを補うパートナーを付けるということを考えました。
S君一人に責任ある仕事を任せるのではなく、
S君の弱点を補うことのできる彼とは真逆のタイプの部下と
二人一組で仕事をさせるということを心がけました。
そうすることのメリットは、
両者がそれぞれの良いところや、自分に足りないところを、
実地で気づくことができることだと思います。
意見を求める。
S君のよいところは、
自分が絶対的に正しいという自身を持っているが故、
何にでもズケズケと口を出せるところです。
「あの業務って微妙ですよね。」とか
「あれってやる必要あります」とか
「もっとこうだったら楽っすよね」なんてことを常に言っています。
一言で、「そんなのは無理だ!」「現実的じゃない!」
とぶった切ることは簡単ですが、
そこに対して向き合って意見を求めることは、
彼の成長を考えた上でも大切かなと思います。
意見を聞いた上で、それをきちんと検証させること。
「じゃ、〇〇さんとそれ改善してみれば?」
とアクションに繋げてあげることを大事にしたいと思います。
S君からの学び
少し調子に乗っている部分はありますし、
環境がそうさせている部分もあるかもしれませんが、
S君とは真逆のタイプの僕からすると彼をマネジメントする中で、
逆に学ぶことは多いとも感じています。
今後も、彼の弱みは少しずつ潰しつつ、良いところを伸ばす方向性で、
成長を見守っていきたいと思います。