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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

職場のサイコパスっぽい部下にどう対応すべきか考えた。

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職場のサイコパスっぽい部下にどう対応すべきか考えた。

 

マネージャーという役割は、部下のお悩み相談役という側面もあります。

 

最近、若手の女性部下から多く寄せられる相談があります。その内容は、中堅の男性社員であるXが「サイコパス」ではないか。というものです。

 

男性のXという社員は、最近企画系の部署から現場のリーダーとして異動してきたばかりで、20代後半の比較的若めの社員です。

 

そして、そんな彼の言動に彼女たちは心に傷を受けているといいます。

 

そもそもサイコパスとは

一般的に「精神病質」と表されるサイコパスの特徴は「平板な感情の動き」に代表される対人関係における共感性の欠如ですが、決して凶悪な殺人犯だけを指すわけではなく、人を思い通りに操縦しようとしたり、ウソに長け、口がうまく、愛嬌たっぷりで、人の気持ちを引きつけたりといった特徴も含むものとされています。(東洋経済)

 

具体的にどんなことがあるのか?

 

彼女たちの言い分はこうでした。

 

「とにかく、数字のことしか言わないんです。それでいて、私たちの相談は何も聞いてくれません。」

 

「現場はまだ不慣れなのか。全部私たちに仕事を押し付けてくるんです。でも、ちょっとでもミスがあるとすぐ怒ってきて辛いです。」

 

「この前も、何の説明もないまま急に仕事を振られて、凄い残業時間が発生したのに、ありがとうの一言もないんです。」

 

彼女たちの説明を聞いて、納得できる部分もありましたが、一方でそれって「本当にサイコパスに該当するのかな?」という疑問もあり、少し調べてみることにしました。

 

なぜ彼はサイコパスと言われるのか?

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サイコパスの10の特徴

 

①表面上は口達者
②利己的・自己中心的
③自慢話をする
④自分の非を認めない
⑤結果至上主義
⑥平然と嘘をつく
⑦共感ができない
⑧他人を操ろうとする
⑨良心の欠如
⑩刺激を求める

(引用:https://keiji-pro.com/magazine/10/

 

実際に調べてみると確かに、Xには軽度のサイコパスの症状をいくつか見ることができました。

 

  • 「利己的・自己中心的」
  • 「自分の非を認めない」
  • 「結果至上主義」
  • 「共感ができない」
  • 「良心の欠如」

 

これらサイコパスの半分以上の特徴がみられると思いました。

 

周囲は彼とどうかかわるべきか。

 

ネット上の一般的な回答としては、

「なるべく関わらない。」

「距離を置いた方が良い。」

 

などと言われていますが、実際の職場ではそういう訳にもいきません。絶対的に仕事の場面で関わることは避けて通れません。それに、リーダーであるXとチームメンバーの距離が離れてしまったら、仕事が回りません。

 

そこで、軽度のサイコパスであるXとの関わり方について、僕は相談を受けた女性社員にこんなアドバイスをしました。

 

サイコパスとしてみない。

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Xには確かにサイコパス的症状がみられることは事実です。

 

しかし、Xが畑違いの部署から異動したばかり、ということや、本人の性格上の不器用さも考えると、それを精神疾患と単純に割り切ってしまうのは危険だと伝えました。

 

そうすることで、お互いの距離は永遠に縮まらないし、それは、良くないことだと思います。

 

そこについては、彼女たちにも「Xという人間の理解」を含めて、多少の我慢をしてもらうことも必要だと感じます。

 

感情ベースではなく、事実ベースで話をする。

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彼女たちの不満は、やはり自分たちの感情の変化や機微について理解してもらえない。

という部分が大きいように感じましたが、恐らくそれをXに求めるのは、

難しいと思います。

 

定性的なことが理解できない彼(今だけ?)にとって、そのような情報は、彼を混乱させてしまい、彼女たちに余計な仕事を増やしてしまう原因にもなるからだと思うからです。

 

彼女たちに伝えたことは、

「積極的に話す必要はないけれど、業務上必要な最低限のことだけは、

その事実だけ彼に報告してほしい。」

 

ということです。

 

彼が求めているのは定量的な事実です。それ以上でも、それ以下でもないはずです。

 

彼女たちとXとのコミュニケーションにおいて、大切なのは、お互いに摩擦し合わないということではないでしょうか。

 

弱みをフォローする。

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Xには現場の経験が少なくてやり方がわからない業務が、比較的多いはずです。

 

そのような仕事を丸投げされる前に、事前にその仕事を察知して手を付けてしまうことで、仕事の主導権がXの手を離れます。

 

主導権が離れることで、彼の心理状態的には、メンバーである彼女たちに、「やってもらって申し訳ない」という感情が、多少なりとも芽生えるはずです。

 

もちろん、彼女たちがすべてを引き受ける必要はなく、あくまで、Xにお願いするべきところはお願いする姿勢も大切です。

 

その積み重ねが、X自身に自己中心的なリーダーシップではなく、協力的なリーダーシップを促すことにつながるのではないかと思います。

 

Xのその後

 

Xとチームメンバーの彼女たちのその後の関係性における摩擦は、

多少なりとも緩和されたと思います。

 

Xとはこの件について特別に話をしていませんが、彼も新しい仕事を覚えようとする姿勢は見えますし、不満をこぼしていた彼女たちも、自分たちなりにXを理解しようとしてくれています。

 

しかし、大切なことは、「サイコパス」という人格をひとくくりにする表現で、

関係性を断絶させるのではなく、綺麗ごとかもしれませんが、お互いに少しずつの我慢をして歩み寄っていくことではないかと思います。