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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

女性部下のキャパオーバーから考えた思考の整理方法について。

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女性部下のキャパオーバーから考えた思考の整理方法について。

 

「自分がやりたいことをやらせてもらえなかった」

 

彼女がこんな不満を口にしたのは、僕が彼女の上司になった時の初めての面談においてでした。

 

僕が担当になる前の上司はいわゆる管理型で、部下の意見や希望をほとんど聞き入れることはなく、自分が正しいと思うことだけを事細かく部下に指示していくタイプの人だったそうです。

 

それ故、彼女も含め部下の多くが、「やらされ感」を拭いきれず、モチベーションも上がらない状態が続いていたと言います。

 

 

そして、ようやく上司が変わり、彼女がこれまで胸に秘めていたたくさんのやりたい仕事に挑戦したい。という想いに僕にぶつけてくれました。

 

やる気に溢れ、そして能力も優れている部下の想いに僕は素直に感激し、「もちろん!一緒に頑張っていこう!」と即答したのでした。

 

彼女がやりたい仕事というのが、社内で進みかけていた事業開発のプロジェクトでした。

ちょうどそのプロジェクトにおいては、実務の動きができるメンバーが欠員しており、まさに彼女が加わるには、絶好のタイミングでした。

 

そんなこんなで、彼女の新しい仕事への挑戦が始まった訳ですが、とても生き生きしていた最初の数か月から、徐々に時間が経つにつれ、少しずつ元気がなくなっていくように感じられました。

 

それと同時に、僕は僕で、自分の仕事が忙しくなり、彼女のことに十分に目が行き届かなくなりつつありました。

 

元上司からの呼び出し

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そんなある日、僕は彼女の元上司(つまり、僕のポジションの前任者であるマネージャー)から呼び出されました。

 

呼び出しの内容とは…

 

プロジェクトを任せていた彼女から僕があまりに部下のメンバーのことを放任しすぎで、彼女自身も含め抱えている仕事が全く追い付かなくなってしまっている。という相談を受けているということでした。

 

管理されて自分のポテンシャルを活かし切れないことが苦痛だと訴えていた彼女が、今度は、放任されてキャパオーバーになっているというのです。

 

自分にとって都合が良いことを、都合のいい相手にだけ相談するスタンスというのは、正直気持ちの良いものではありませんが、部下の真の能力や適性を見定めずに言うことをそのまま鵜呑みにしまった点は僕の甘さでもあります。

 

それは、部下を持つマネージャーとしては大きな失敗です。

この部下の訴えにはかなり堪えました。

 

僕が考えたことと彼女と話してわかったこと

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しかし、いくら彼女がキャパオーバーで辛い状況になっていたとしてもプロジェクトは既に走っています。中途半端なタイミングで、彼女を離脱させることは組織にとっても、本人にとっても良くないことは明白でした。

 

必要なのは、どうすれば彼女自身が、現在置かれた立場を受け入れ、当初のやる気や仕事振りを取り戻してくれるか?ということだと思いました。

 

その為に、彼女とはじっくりと時間を取って話すことにしました。

 

必要なことは、彼女の中で「何が負担になっているのか?」そして、それに対して「どれだけの時間がかかっているのか?」ということを明らかにすることでした。

 

結果としてわかったことは、特に際立って負担になっているもの、時間がかかってしまう業務は存在してしないという意外な事実でした。

 

では、なぜ彼女はキャパオーバーになってしまっていたのか?

それは、1つ1つはそれほど困難ではないはずの仕事でも、それが積み重なることで、彼女を混乱させてしまっていたのです。

 

その混乱を収める唯一の方法は、業務を可視化し整理することだと思います。

彼女が行っている業務をすべて書き出すことで、何を優先的に実行し、その為にどのくらいの時間を使うべきなのか?という話し合いをしました。

 

まとめ

 

この出来事をきっかけに学んだ教訓は大きく3つです。

 

  1. 部下の能力や適性を正しく見極めなくてはいけない。
  2. 放任されていると感じてしまうか?任されていると感じるか?は部下次第。
  3. 業務の内容を可視化することで、思考を整理する。