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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

責任感の強い完璧主義な部下が陥ってしまった3つの落とし穴と、 そこから抜け出す方法について。

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責任感の強い完璧主義な部下が陥ってしまった3つの落とし穴と、

そこから抜け出す方法について。

 

マネジメントという仕事をしていると、

つくづく感じることは、完璧な仕事は不可能ということです。

 

すべてのことはトレードオフで、何かを得る為には何かを失ったり、

良い部分と同時に悪い部分を受け入れざる得ない場面があります。

 

そして、Lさんという僕の部下も、

そのような壁にぶつかり苦しんでいる時期がありました。

 

それは彼女が売場のサブリーダーに着任して、

半年ほど経過した時の事でした。

 

急に仕事を休みがちになってしまったのです。

 

なぜLさんは、急に休みがちになってしまったのか?

 

彼女はじっくりと丁寧に仕事をこなしていく完璧主義のタイプでした。

 

彼女は新しい立場になりながらも、これまでやってきた仕事のスタンスを変えられず、

自分のキャパシティをオーバーしてしまったのです。

 

そして、責任をもって完璧に仕事を貫くことができないことに大きく疲弊してしまっていたのだと思います。

 

 

Lさんが陥ってしまった3つの落とし穴。

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 サブリーダーは現場の実務中心ではありますが、

同時に、マネジメント能力も求められます。

いわば、二足の草鞋で非常に大変な仕事なのです。

 

その中で、彼女が自分で自分を追い込んでしまった理由は、

主に3つあったと思います。

 

1.自己完結しないと気が済まない。

 

自分が請け負った仕事は、何が何でも最後までやり通そうとする意識があったと思います。それ自体は、とても良いことだと思います。

 

しかし、1枚の書類を提出やコピーするだけといった、

仕事に関してもすべて自分でやるといった具合でした。

コピー機との往復だけでも、それなりの時間はかかります。

その積み重ねは、実は大きなロスになったりしています。

 

また、上司への報告は必ず自分から。というのも彼女のスタンスでした。

なので、僕とLさんの休みがズレたりすると、その分即日報告されるべき情報が、

2、3日寝かされてしまう。ということもありました。

 

2.情報がないと落ち着かない。

 

彼女の仕事の中で一番時間を奪っているのは、

情報収集の為の資料探しだと僕は思っています。

 

人一倍責任感の強い彼女が一番恐れているのは、

「仕事でのミス」です。

 

そして、そんな彼女を何より安心させてくれるものは、「前年の資料」でした。

 

前任者がよほどしっかり管理をしていない限り、

そのような前年資料は、紙ベースであったり、データでもいくつかのファイルに分かれて保存されていたり、個人で持ってしまっているものもあったり、まちまちです。

 

そのような情報を、自分が納得できる分量まで集め続ける情報収集マシーンの側面もありました。

そして、集めた資料は丁寧に仕分けして、ファイリングされます。

そんな作業に、彼女は丸一日かけることもあるほどでした。

 

3.厳格なルールを決めてしまう。

 

もちろん、仕事はLさん一人だけで行うものではありません。

チームのメンバーと協業でやっていく必要があります。

そのような、助け合わなければ進まない仕事にも、

自分のやり方をかなり取り入れていました。

 

仕事に独自性を盛り込むことは、良いことだと思いますが、

しかし行き過ぎにはリスクがあります。

 

例えば、

仕事の役割分担においては、これは〇〇さん。これは▲▲さん。

と決めてしまい、それ以外の人がその仕事をすることを禁じていました。

それは、彼女が管理できなくなるからという理由からでした。

 

 

Lさんが落とし穴から抜け出す方法。

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僕がLさんにしたアドバイスは3つです。

1.人に託すことの必要性

 

自分一人でできる仕事には限界があるということです。

 

そして、あえて他の人に託してみることで、

自分がやっている仕事の共通理解が深まって、

仕事のスピード感は上がっていくということです。

 

また、自分では気づくことのできなかった視点を発見してもらえる機会になるかもしれません。

 

2.少ない情報の中で実行する勇気

 

仕事において必要な情報はすべてアクセスできる訳ではない。

ということです。

 

もしかしたら、すべて前年踏襲の仕事であれば、

事前の資料収集をして完璧なオペレーションを組んでおけば、

それなりに成果は出続けるかもしれません。

 

しかし、今後も含めてすべての仕事が前年踏襲ではありません。

 

不確実な中で自分自身が決断をしなければいけない場面も当然出てくると思います。

その中で必要なことは、限られた情報の中で、何をどうやって選び取って、

その決断の結果からどのような反省を得るか。ということだと思います。

 

勇気を持った決断をするプロセスの繰り返しが、

不安の解消方法であり、情報収集の時間削減にもつながるのでは?

と伝えました。

 

3.「0か100かはない」という事実

 

仕事の中で、絶対的に正しいことはというのはありません。

 

役割分担の厳格化にしても、

ある場合は、それが正しく作用することもあれば、

ある場合は、それによって不都合が生じてしまうこともあります。

 

そして、その考えうるケースの中で、

妥協点を決めてバランスをとっていくことが大切だと思います。

 

その時に大切なことは、

結果的に妥協をしたことで、少し不都合が出てしまっても、

それを認めてあげることです。

 

そうすることで、自分が失敗してしまった時も、

自分を責めすぎてしまうということを回避できるからです。

 

まとめ

 

・自己完結しないと気が済まない。

⇒人に託すことの必要性を認識する。

 

・情報がないと落ち着かない。

⇒少ない情報の中で実行する勇気

 

・厳格なルールを決めてしまう。

⇒「0か100かはない」という事実