「古代メキシコ展」を訪れて
マヤ、アステカ、テオティワカン…
一度は耳にしたことはあるが、多くの謎に満ちた古代文明に迫る展示であった。
まず驚いたことは、古代メキシコの中南米の人々は、3500年前にユーラシア大陸の東端から現在のアラスカやカナダを経て、南下してきたという事実だ。
また、メキシコエリアに定住し、文明が形成されていくにあたっての環境要因も興味深かった。
比較的、高地に存在するテオティワカンやアステカは、気候や気温の観点で食の保存がしやすい環境であったため、それが富や権力へつながり、政治的な力が統一国家を形成していたという。
一方で、低地に存在するマヤ文明は、食の保存に向いておらず、そのため、権力の分散や交易の発達などの方向に進んだと言われている。
現在のようなグローバルな社会ではなく、情報が隔絶された古代時代においては、環境によって大きく人々の文明の色を変えていくということが興味深く感じた。