「ちょっと何言ってるか分からないんですけど…」
普段の仕事の中で、思わずそんなサンドウィッチマン的なツッコミをしたくなることって多くないですか?
お客さんや社外の人はもちろん、同じ職場の人とのコミュニケーションですら、ほんの少しだけ込み入った内容になるだけで、そんな理解の齟齬が生まれてしまいますよね。
僕自身も先日、数百名規模を動員する大型のプロジェクトの担当を引き受け、様々な部署に依頼をかけなくてはいけない場面がありました。
その際も、はじめの打ち合わせでかなり丁寧に説明をしておいたつもりが、2回目の打ち合わせで進捗確認をすると、相手方は全く僕の意図した作業をしてくれていなかったり、作業内容をはき違えていたりと、なかなかプロジェクトが前進しないということがありました。
それでも、泥臭くコミュニケーションを取りながら、なんとかプロジェクトは遂行できたわけですが、全然スマートではなかった、成果に対し時間をかけすぎた、相手の時間を奪いすぎてしまったということが反省です。
では、「どうコミュニケーションをとるべきだったか」を『一瞬で大切なことを伝える技術』を参考にしながら、重要な僕なりの3つのポイントを発見しました。
- 作者:三谷 宏治
- 発売日: 2011/11/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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結論から言う
思っている以上に、話相手は自分の言っていることを聞いてくれていないのです。複雑な話になると、せいぜい伝わっているのは言いたいことの1割くらいではないでしょうか。
僕もゼロベースで相手に仕事をお願いする時にやりがちなパターンとしては、まずじっくり背景と全体概要を説明のあと、実際の作業プロセスと役割分担、そしてあなたにお願いしたい役割〇〇です。と、大きなところから小さなところへ話を落とし込んでいく。こんな話し方をしていました。
しかし、最後に自分の役割を知った相手は「ちょっと質問なんですが?」と、なんとすでに話をしたはずの大きな話に戻ってしまうのです。「いやいや、だからはそれは最初に説明したでしょう?」といくら僕が言っても、要は相手に伝わっていなかったんです。そして、同じ説明を二度、三度するという非効率に陥ってしまうということが多々ありました。
だから、「結論から言う」ということが大事なんです。
「結論から言うこと」のメリットは、
・相手に「やるべきこと」がすぐに伝わる。
・「やるべきこと」がわかっているので他の話もそれに関連させながら聞いてもらえる。
・関連させながら聞いているので、理解が深まる。
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因果関係をはっきりさせる。
結論が大切なことはわかりましたが、それだけではまだ人に伝わったとしても懐に落ちてアクションに結び付けてもらうにはまだ弱いです。
次に大切なことは、因果関係です。
つまり、「なぜその結論なのか?」ということです。
言い換えると、相手にとって「その結論は本当に重要なことなのか?」ともいえると思います。
例えば、「会社で節電をしよう!」という前提の中で、「部屋を出る時は、電気を消す習慣をつけましょう。」という主張はよくあると思います。しかし、それに対しての効果性が十分に説明されていません。実は、部屋の電気で消費されている電力は全体の5%未満に過ぎないということを知っている人がいたらこの主張には納得いかないでしょう。
しかし、「夏場のエアコンの設定温度を2度上げましょう。なぜなら、エアコンは会社全体の消費電力の53%を占めているからです。」
というエアコンの設定温度を上げるという行為の効果性もセットで説明してあげることで、一気に相手の中での重要度が増します。
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事実ベースで話す。
人は相手に物事を伝える時に、4つの言葉を使います。
・論理
・感情
・事実
・推測
これらがごちゃまぜになると、もう何の話をしているか全くわからなくなります。
基本的には、「事実をベースに論理で伝える」ということを徹底することが大事です。
それぞれの言葉を上記のように分類するとわかりやすくなります。
まとめ
・結論から伝えることで、背景や前提の共有をしやすくなる。
・因果関係をはっきりさせるために、最も重要なことは何かを考える。
・自分が使う言葉が4象限のどの分類か整理してから伝える。