「継続は力なり」は絶対?
- 量は質を凌駕する。
- 一万時間を費やせばプロになれる。
これらは継続することの大切さを語るときによく用いられるキーワードです。
しかし、これらの言葉に踊らされて思考停止で盲目的な努力を続けることは、結果に結びつかないだけでなく、大切な時間を無駄にしてしまうことになります。
例えば、以下のようなケースは危険です。
- 上司に言われた通りの仕事だけを続ける。
- 毎日、中身のないSNSを更新し続ける。
一方で、効率的な努力をすることで、
- 少ない量のアウトプットで、高い質の結果を出す。
- 少ない時間の努力でも、プロ並みに上達する。
では、具体的にどのような努力を仕方が必要なのでしょうか。
結論は、「仕組み化」です。
3つのフレームワーク
プロセスの把握と成功パターンの分析
これから何かに取り組む人はもちろん、いま何かに取り組んでいる人も、見直したほうが良いことは、仕事のプロセスの把握です。
自分のするファーストアクションからクロージングまでの一連のプロセスを分解して可視化することで、アクションの見落としや、正しい順序を認識することができます。
例えば、
・営業職の案件獲得までのプロセス
・Twitterのフォロワー獲得までのプロセス
プロセスの可視化ができたら、その中で最も成功に起因する要因(すなわちKPI=キー・パフォーマン・スインディケーター)を分析することが大切です。
このKPIを見落としていたり、改善に向けてのアクションから目をそらしたまま行動を続けることは、いわゆる「無駄な努力」となってしまいます。
一方矛盾するようですが、大切なことはKPIを発見するための分析材料として、一定の「無駄と思われる努力」も必要ではあります。
なので、努力を続ける意識下で、「常にKPIはどこか?」ということを思考しながら行動を続けるということがポイントの1つ目です。
基本行動のルール化
一連のプロセスの把握とそのKPIの発見ができたら、次のステップです。
それは、その成功を「再現性」のある形で、「ルール化」することです。
「再現性」と「ルール化」について、下記の例で説明します。
「営業活動の基本行動ルール」
「再現性」
・営業職の案件獲得までのプロセスにおいて発見したKPIは、「ヒアリング」だったとします。つまり、顧客の本音がヒアリングできた時に、提案の精度が上がることで案件の獲得率が高まるということを発見した。
これが、A社だけでなく、B社でも通用するというのが、再現性です。
「ルール化」
そして、毎回の営業において、KPIである「ヒアリング」の場面だけは、
・そこに商談の中で、最も時間を取る。
・表情や声色を変えるなどのテクニックを交える。
・レコーダーやメモ使って、内容を漏らさない。
などの他の人がしていそうで、意外とできない部分を徹底してルール化して、
基本的な行動の一部に落とし込むことが大切です。
「Twitterのフォロワー増加に向けた基本行動ルール」
「再現性」
・Twitterのフォロワー獲得までのプロセスにおいて発見したKPIは、「1日のツイート数」だったとします。つまり、ツイート回数が多いときほど、フォロワーの獲得率が高まるということを発見した。
これが、今日だけでなく、明日でも通用する。これも再現性です。
「ルール化」
Twitterのフォロワー獲得におけるルール化についてです。
・毎日のツイート数を決める
・毎日のツイート時間を決める
・毎日のツイート内容を決める
これらの基本ルールの習慣を徹底的に、生活に落とし込むことが大切です。
仕事のゲーム化
基本行動のルール化ができたら、あとは機械のようにそれをこなし続ける。
というのでは正直、モチベーションも続きませんし、面白みにも欠けます。
そこを補うのが、「ゲーム化」です。
最終的に大きな目標を達成することは、もちろん重要ですが、自分に中間目標を設定してあげることで、一息つくということも、継続においては重要です。
中間目標設定におけるゲーム化とは非常にシンプルで簡単です。
・今週あと〇〇件、営業案件を獲得したら、映画を1本見に行く。
・今日あと〇〇人フォロワーを獲得したら、YOUTUBEを1本見る。
そのような、心のゆとりを持てる時間を意識的に取るようにする。
小学生に宿題をやらせる時のような方法ですが、どうしてもストイックになりすぎて消耗しがちな社会人にとっても有効な手段です。
考察
今回は「継続かつきちんと結果を出す」ということに関して解説しました。
まとめると
- プロセスを把握して成功パターンを見つける
- 日々の行動に成功パターンを落とし込む
- ゲーム化して行動の継続を促す
成功パターンを見つけるまでの時間はかかりますが、
この3ステップを意識すれば、仕事における継続性はかなり高まります。
一方で、注意が必要なこともあります。
それは、成功パターンに縛られてはいけない。ということです。
一定の年数を経ることや社会変化の中で、これまで再現性のあったパターンが通用しなくなってくるということがあります。
そこで、重要になってくるのは、過去の栄光にすがって、意地でも一度自分の確立した成功パターンにしがみつくのではなく、変化をアンテナでしっかりと捉え、すぐに新しい成功パターンを見つける努力を始めることです。
成功には、習慣的に継続することと、それに見切りをつけ新たな継続をスタートする柔軟な判断力も大切なことかもしれません。