皆さんもこんな経験はないでしょうか?
- 自分なりには120%の出来のプレゼンだったのに、上司に全く響かなかった。
- 気持ちを込めて後輩に指導したのに、その後も全然改善されなかった。
- 商品についてめちゃくちゃ勉強して顧客に提案したのに、売れなかった。
これらの失敗は、僕も仕事上で幾度となく経験して、
「なぜ、自分の思うような結果がでないのか?」
を考え続けていました。
そして、たどり着いた一つの結論は…
自分で「伝える」だけではダメ。
相手に「伝わる」ことがなければ意味がない。
ということです。
一方通行ではなく、双方向方のコミュニケーションをすることで、
初めて、相手に自分の伝えたいことが伝わるのだと思います。
今回は、ジャパネットたかたの元社長である高田明さんの著書である
「伝えることから始めよう」を参考にしながら
「伝える」ということについて深堀りして考えていきたいと思います。
- 作者:明, 高田
- 発売日: 2017/01/13
- メディア: 単行本
何のために伝えるのか。
自分が相手に何かを伝える時、どんなことを考えていますか?
もしかしたら、伝える内容ばかりに頭がいってしまっていませんか?
伝える内容を考え過ぎると、どんどん細かいことばかりが気になってしまいます。
結果的に、
「自分だけが伝えきって満足」
でも相手は、
「で、どうすればいいの?」
「で、それがどうしたの?」
という状況に陥りがちです。
大切なことは、自分が何かを伝えることで、
「相手にどう動いてもらいたいか」
ということを考えることです。
相手に何をしてもらう為に、自分がメッセージを伝えるのか?
ということが、人に物事を伝える上での大前提です。
何を伝えるのか?
相手に動いてもらうには、どんなことを伝えればよいのでしょうか。
大きく2つのことが言えます。
①「伝えることは絞る」
ということです。
余計な情報は極力省いて、結論から伝えるということです。
例えば、顧客に商品の説明をする場合などは、
色々な充実した機能を網羅的に説明するのではなく、
この商品は、〇〇に優れています。
という1点だけを伝えるほうが、数倍も相手の記憶に残ります。
人は、一度に3つ以上の事柄は記憶できない。
なども言われていますので、伝えたいことはどんなに多くても3つ以内に絞る
ということが必要です。
ちなみに、僕の上司の場合は、
2つ以上のことを伝えると、
もう「で、どっちが大事なんだ?」と釘を刺してきますから、
初めから「最も重要な1つ」を絞った状態で、話を持ち掛けるように心がけています。
そして、もう一つ大切なことは、
②「相手にイメージさせること」
最初の例で言えば、
商品をおすすめする顧客が、
本人が実際にその商品を生活の中で使っているイメージが湧くような、
伝え方ができるかどうか?ということです。
TVショッピングのジャパネットたかたの創業者である髙田元社長は、
このイメージさせるというワザが、神がかってうまいです。
以下は、実際にジャパネットの生放送で高田元社長が、
42インチテレビの紹介をした際の伝え方です。
「皆さん、42インチの大画面テレビがリビングに来たら、恰好いいでしょう。
お宅のリビングが一気に生まれ変わりますよ。
素敵なリビングになるんです。
それだけではないですよ。
大きなテレビがあったら、自分の部屋にこもってゲームをしていたこどもたちがリビングに出てきて、大迫力のサッカーを観たりするようになりますよ。
家族のコミュケーションが変わるんです!」
いかがでしょうか?
めちゃくちゃイメージが伝わりますよね。
機能性などのハード面ではなく、
実生活に近いソフト面を伝えることがポイントです。
不特定多数に伝える場合
誰かひとりに伝えるのであれば、
- 相手の人柄や期待できる行動がわかる。
- 相手の働き方や生活がイメージできる。
このような背景の情報を集めた上で、
個別に有効なアプロ―チができます。
しかし、相手の見えないWEB・SNSでの発信や、
大衆や大勢の部下を前に何かを伝える時はどうすればよいのでしょうか。
答えは、相手が大勢であっても、
「伝える相手は絞る」
ということがポイントです。
100人に向かって、何かを伝えて全員に伝わるということは決してありません。
また、より多くの人に伝えようとして、伝えることを誰にでも当てはまる内容を薄めていくと、結果、誰にも伝わらないということが多いです。
そうではなく、
具体的なたった1人の誰かに向けて伝えることで、
100人の中で、5人くらいは理解を示してくれるかもしれません。
そのように、理解をしてくれた5人は他の95人に対して、
自分の代弁者になってくれるかもしれません。
なので、
「多くの人に伝わること」よりも、
「少数にでも深く伝わること」、
の方が大事なことだと思います、
人に「伝わる」テクニック
上記のポイントを押さえた上で、
ここからは、より実践的な「伝わる」ためのテクニック的な要素について、
室町時代に『能』を大成した世阿弥が残した書物である『花鏡』を引用しながら、
解説したいと思います。
一調二機三声(『花鏡』)
一調二機三声とは、声を出すためのステップです。
- 一調…声の張り、高さ、緩急。これらを、心と体の中で整える。
- 二機…声を出す間を取り、いつ出すかをタイミングを図る。
- 三声…実際に声を発する。
これらの無意識に行っている動作を意識することで、
同じ内容だったとしても、相手への「伝わりかた」は変わってきます。
伝える内容の重要度によって、声色を変えたり、
会話の流れの中で、大事なことを言うタイミングを図ったりすることは、
現代のコミュニケーションにおいても全く変わらず応用可能です。
さいごに
みなさん、いかがでしたか?
普段の仕事や家庭の中でも、
しっかりと相手に伝わるコミュニケーションを心がけることで、
自分の身の回りに大きな変化があるはずです。
- 思わぬやりがいある仕事が舞い込んできた。
- 自分が片付けなければいけないはずの仕事が、すでに終わっていた。
これらは、自分がこの伝え方を意識して実際に起こった出来事です。
是非、実践をおすすめしたいと思います。