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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

社会人10年目の僕が『コンサル一年目が学ぶこと』を読んで学んだこと。

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社会人10年目の僕が『コンサル一年目が学ぶこと』を読んで学んだこと。

僕は新卒で入社した大企業に勤めて10年になります。

 

入社してから3年目までは、あらゆる業務が新鮮で、

日々夢中で働いていました。

 

働き方改革などの言葉がまだ出てきていない頃で、

残業も毎日13時間以上していました。

 

終電を逃して満喫で一晩を明かすなんてこともありました。

今思うと信じられませんが、

当時は全く苦も無くサラリーマンをしていました。

 

4年目以降は担当も少しホワイトな部署に移りました。

その部署では、3年目までに培ってきたノウハウで何とかなってしまう環境でした。

 

思考停止していても、なんとなく直感と経験でなんとか乗り切れてしまう。

そんなゆるい環境に甘えてゆるゆるで生きてしまいました。

 

そんなこんなで、気づけば10年目。

  • 自分はこのままでいいのか?
  • 自分に足りていないものは何だろう?
  • 学び漏れていることは何だろう?

こんな不安感を覚えるようになりました。

 

そんな時、自分の学び直しの為に手に取ったのが、

『コンサル一年目が学ぶこと』という書籍です。

 

コンサルタント業界といえば、激務×高給×高スキルの業界です。

そんな業界において、超優秀な一年目社員はどんなことを学んでいるのか?

そして、社会人10年目の自分と比べてどうなのか?

 

これらを学んで課題を見つけることで、自分の抱えている不安感を払拭しようと思ったのです。

 

社会人10年目で気づかされた仕事において重要な3つのポイント

①資料作成のスピード感の重要性

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「資料は素早く、汚く、早く出す」

 

コンサルタントは、とにかく資料が命の業界です。

日々途方もない枚数の資料を量産する環境の中では、

1枚の資料に時間をかけすぎるのは御法度です。

 

この部分での学びは、

「資料作成をあきらめる」ということもスピード感を上げる為の一つの選択肢であるということです。

 

これは、著者の大石哲之氏の経験談です。

 

コンサルタントには、様々なクライアントからの依頼が舞い込みます。

ある日、製薬会社のプロジェクトで、

「ライバル企業のMR(医薬情報担当者)が、一日でどういう活動をしていて、何か所くらいの病院を回って、医師に対してどういう活動をしているのか、調べてほしい。」

という依頼を受けました。

 

その依頼に対して、

・リサーチ会社への依頼

・大型書店や国会図書館での情報収集

 

実行可能なあらゆる手段を使って、依頼に答えようとしましたが、

答えになりそうなデータは何も出てこなかったそうです。

 

結局、時間だけが経過してしまい、上司から

「いつまで時間をかけているんだ!」

と叱責を受けてしまった。

 

 

こんなエピソードです。

この話のように、資料作成に必要だが、世の中的には定量化されていない情報というものが山のように存在します。

 

それらに対しては、調査の結果「何も出てこない」というのが調査結果にもなり得るのです。

 

稚拙な答えに聞こえるかもしれませんが、このような事実を、スピード感を持って報告することで、例えば次のようなステップへ進むことも検討できます。

 

 

このような時間と投資が必要なアクションを実行した上でも、

その情報が有益なものなのか?

 

という費用対効果を検証の上、

実行の判断に移るのです。

 

僕自身も固定観念の塊なので、

上司から「●●の資料をつくってくれ。」

と言われたら、なんの疑いもなく、それに必要なデータはどこかにあるはず。

と信じてすぐ情報収集に走ってしまいます。

 

しかし、「情報を集める以前に必要なアクションはないか?」

ということを察知する能力は、スピード感を持って仕事をする上で、

とても重要性を感じました。

 

 ②会議での発言の重要性

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コンサルタント業界において、

会議に参加するということに対して、

何かしらの「成果物」や「存在意義」が求められます。

 

これは、本来どの業界であっても同じであると思います。

 

しかし、自分が会議に参加しているスタンスを思い返すと、

参加すること自体が目的となってしまい、

そこに自分が参加している意味を生み出すことが、

なかなかできなかったように思います。

 

特に、上司や部長などが同席している場合については、

なおさらです。

 

これも著者の体験談ですが、

 

「わたしはコンサルタント一年目に参加した会議で、

ふたつの理由から発言ができませんでした。

 

ひとつは最初だったので、緊張していて、口を挟んでいいものかわからなかったから。

ふたつ目は、まともに言えるような意見を自分がもち合わせていなかったからです。

 

この会議が終わったあと、マネジャーから呼び出されました。

 

「大石さん、あなたがあの会議にいた意味はなんですか?

何も発言しないなら、次回から出ないでいいから、リサーチの作業を進めておいてください。」

 

名指しで、「きみはいらない」と言われたのと同じです。」

 

 

この体験談は、僕にとってもとても刺さる内容でした。

 

いま自分が参加している会議でどれだけのアウトプットができているか?

そして、後輩が同席してなんの発言もできなかったときに、大石さんの上司のような

厳しい指摘ができるだけの立場にあるのか?

 

ということを考えさせられました。

 

また、誰も完璧な回答を求めている訳ではない。

ということを理解するのも大切なことかもしれません。

 

完璧な答えを持っている人がいたら、

その人に聞けば、わざわざ集まって会議をする必要性もありません。

 

全員が答えを持っていないのだと認識すれば、

少しは気軽に発言ができるようになるかもしれません。

 

そして、どんな発言であっても、

答えにヒントが隠れていたり、

答えにつながる会話の流れを生む可能性を秘めています。

 

何も言わなければ、ゼロです。

 

その0と1の大きな隔たりを越えることが、

まずは第1歩ではないでしょうか?

 

フォロワーシップの重要性

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フォロワーシップとは、

「リーダーの提案をサポートするために周りを巻き込み、

必要なことを考え、自主的に動く。」

という力です。

 

これは、部下を持たない一年目の社員には、

フォロワーシップを発揮して成果を出すということが大切なことです。

 

しかし、部下を持ち上司の立場になった人間にとっても、

部下がフォロワーシップを発揮するように働きかけること。

がとても重要な視点としてあると思います。

 

フォロワーシップのわかりやすい例として、

YouTubeの『裸踊りの男』という動画があります。

https://youtu.be/OVfSaoT9mEM

 

動画の概要は以下のようなものです。

 

「この動画は、芝生のピクニック会場のようなところで、

一人の男が突然、変な踊りをしはじめることから始まります。

 

彼は最初の提案者であり、リーダーです。

黙々と楽しそうに踊っています。

 

この段階ではたった一人なので、

影響はありません。

 

しかし、次の瞬間、事態は動き始めます。

 

2人目が、その男のそばに駆け寄り、

いっしょになって踊り始めたのです。

 

ほどなくして、3人目が加わり、4人目が加わり、

最後は、ピクニック場の数百人の人が一斉に踊りはじめました。

 

たった一人の男が始めた踊りが、数百人を巻き込んでムーブメントになったのです。」

 

 

著者は、動画が関してフォロワーシップと紐づけて、

以下のような考察をしています。

 

この動画には、2つの教訓があります。

 

  1. 最初の勇気をもって踊り始めた男のリーダーシップ。
  2. 2人目に踊り出した人のフォロワーシップ

 

この二人目の行為こそ、

最初に踊った男を単なる変人から、リーダーに変えたのです。

 

ビジネスにおいても、

この視点は非常に重要と言えると思います。

 

まとめ

  1. 資料は完璧でなくて良い。大切なのは、素早く、汚く、早く出すこと。
  2. 会議で発言しないことは何の価値も生まない。
  3. フォロワーシップとは、リーダーの提案をサポートするために必要なことを考え、自主的に動くこと。