仕事のレベル感
仕事には様々なレベル感の仕事があります。
経営レベル、マネジメントレベル、現場レベル。
もちろん、それぞれのレベルによって、
求められるスキルや能力は変わってきます。
仕事をしていて有能だなと思う部下の特徴は、
1段階の上のレベルで物事を考えて実行できる人です。
基本的に、僕の部下は小売業での[接客・販売・商品管理]など、
現場レベルの仕事を求められる立場の方々ですが、
もう1段階上のマネジメントレベルの思考で働く方と、
そうでない方には、「仕事での動き」に大きな違いがあるように感じます。
マネジメントレベルにいる僕自身も、
経営レベルで物事を考えようと努力していますが、
実際にそれは言葉に語る以上に難しいことだと思います。
なので、そのような高い視点を持って仕事に臨んでいる部下には、
感心しっぱなしです。
社内トップクラス評価のKさん
僕の部下の中には、
最高に有能な部下であるKさんがいます。
彼女はまだ20代ですが、
社内でもトップクラスの評価を受けています。
僕のような若手マネージャーの部下としては、
もったいないくらい良い動きをしてくれます。
一緒に働くメンバーや取引先、顧客からの評判も抜群で、
彼女のどこがそこまで、人の心を動かすのか?
僕も学ばせてもらう気持ちで、
その働きぶりをいつも注視していました。
その中で、「持ち前の視点の高さ」と「現場ポジションを活かした知識」の掛け合わせで、アクションを起こしているということを発見しました。
「現場ポジションを活かした知識」とは、
マネジメントレベルには見えにくかったり、情報があがりにくい、
現場独自の慣習や暗黙の了解になっている部分です。
そのような現場独自の慣習や暗黙の了解というのは、
マネジメントと現場の見えない溝を生みます。
彼女は、その見えない溝の橋渡し的な存在になってくれていると理解しています。
Kさんが実践している3つのアクション
そんな彼女に対して、
僕が実務の中で特に評価していたポイントは以下の3つです。
先回りした提案
店舗での新しい取組みやイベントの商談などは、
基本的には現場レベルの従業員は入れないで、
マネジメントレベルの社員だけで諸々を決定することが通例でした。
しかし、Kさんが僕の部下になってからは、
必ずKさんも一緒にそのような商談に入ってもらってます。
なぜなら、彼女に対して、
・来週A社とのミーティングがあるよ。
・B社とはこんな取組みを考えているんだ。
というような話をすると、
商談の日までには、
商談相手の会社が扱っている商品の売上分析や、
そのうえで、「こんな新商品を取り扱った方が良い。」
とか、「こんなイベントをしたら集客ができそうです。」
といった提案を持ってくるのです。
しかも、実際の取引先との商談では、
僕が自分で考えた案よりもKさんが持ってきた案の方が、
たいてい先方のウケが良いという場合が多く、
僕は肩身が狭くなる思いです。
巻き込み
Kさんの凄いところは、自分のスケジュールだけでなく、
同じ売場のチームメンバーのスケジュールをほぼ把握できている
というところです。
なぜなら、決して彼女は一人で仕事を進めるということはしないからです。
常にチームメンバーの仕事の配分を見ながら、
適切に仕事を依頼したり、協力して行っています。
なので、何か大仕事が発生する時には、
その仕事への集中を阻害する雑事や雑務をクリアにしていきます。
それに携わる全員が万全の状態で臨めるようにするためです。
当然、自分たちが仕事をしやすいように、
気遣いをしてくれるKさんに対して、
他のメンバーは進んで力を貸すのです。
危機管理
Kさんが担当する売場の中での異変は、
すぐに彼女が察知します。
そのようなときは、
「〇〇さんの仕事のモチベーションが最近低いみたいです。
もしかしたら先日、仕事中に大きなミスをしてしまったことが、
原因かもしれません。
マネージャーからも、それについてフォローをしてもらえませんか?」
といったような、
僕の対応方法まで具体的に明示しながら、
現場の意識管理まで目を行き届かせてくれています。
Kさんのバックボーン
彼女が高い視点を持って優れた行動成果を示しているのは、
決して、仕事の中だけで培われたものだけではありませんでした。
彼女はボランティアの団体にも所属しており、
その団体の中でも、数百名を仕切るリーダーを務めているそうです。
そのような経験が、仕事にも活きているのだなと感じます。
仕事とプライベートの両輪で全力な彼女からは、
これからも学ばせてもらうことは多いと思います。