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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

部下同士のセクショナリズムを解消するにはどうマネジメントすればよいか?

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セクショナリズムとは何か?

 

集団・組織内部の各部署が互いに協力し合うことなく、自分たちが保持する権限や利害にこだわり、外部からの干渉を排除しようとする排他的傾向のことをいう。官僚制における逆機能の一つとして指摘されたもので、組織内部の専門性を追求しすぎた結果起こってくる機能障害である。部局割拠主義などと訳されることがある。(引用:Wikipedia

 

このような問題は決して経営層や部署同士の問題だけではなく、

僕がマネジメントしているような十数名単位の小さな売場の中でも、

発生するものだと認識しています。

  

僕が担当する領域では、商品ごとに担当が分かれています。

しかし、そうなっていることの弊害により、同じ領域に所属しているにも関わらず、

 

  • これは私の担当ではありません。
  • その仕事に私は責任を持てません。

 

と言った全体感を無視したネガティブな発言が飛び交います。

 

そして、このセクショナリズムが原因で、

僕の部下同士が絶縁状態まで対立してしまった出来事がありました。

 

 

HさんとIさんの断絶。

f:id:seiburo:20200504061715j:plain HさんとIさんはお互いに隣接した似た商品を取り扱う売場のリーダーです。

 

二人ともベテランで、それぞれ売場には数名のアルバイトさんがいます。

 

この2つの売場は、業務フローや商品を仕入れる取引先も似ており、

それぞれで不公平にならないように厳格に役割分担を決めながら、

仕事をしていました。

 

しかし、その役割分担はベテランの二人にとっては、

完璧にバランスの取れた素晴らしいものだったのですが、

アルバイトさんにとっては、働きづらさの根源でもありました。

 

その問題とは…

 

少しでも、決められた役割を越えた仕事をしてしまったり、

それに至らない行動があると、HさんもIさんもアルバイトさんに対してとても不機嫌になるのでした。

 

具体的には、

 

Hさんが担当している売場の問い合わせが,

Iさんの売場に入った際に、Hさんの売場にちょうど誰もいなかった。

 

 

Iさんの売場にお客さんが来た時に、

たまたまHさんの売場のアルバイトさんが声を掛けられ対応したが、

対応に不備がありIさんがクレームを受けた。

 

 

などの事が頻発する中で、

 

「自分のことは自分で。お隣のことはお隣に。」

 

という意識が高まるとともに、両者の溝は深まってしまったのです。

 

なぜセクショナリズムが生まれるのか?

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セクショナリズムが生まれる根本的な原因としては、

 

現場で働くメンバー個々人が、

「自分にとっての居心地の良い状態を維持したい」

という「淡い」思いがあり、

 

そして、それを達成する為に「縄張り」や「派閥」をつくって、

「居心地の良い状態」を妨げるものを排除しようとする思考が

働いてしまうことが原因ではないかと思います。

 

しかし、そのような職場における「居心地の良い状態」一種の幻想でしかなく、

実際の仕事では、事前に予測できないイレギュラーな仕事もありますし、

 

誰かが何かの仕事を排除することで、

他の誰かにしわ寄せがいってしまいます。

 

そして、しわ寄せからは対立生まれます。

 

つまり、排除を繰り返せば、繰り返すほど、

対立の溝はどんどん深まっていくのです。

 

まさに、HさんとIさんの対立がそれを表していると思います。

 

セクショナリズムを解消する為のマネジメント。

 

責任追及と厳格なルールをやめる

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HさんとIさんの対立は、

自分たちの責任回避のルールに縛られすぎて、

逆に身動きが取れなくなっている状態だと感じました。

 

であれば、そんな彼女たちオリジナルのルールなどいりません。

 

それぞれの売場の売上は、彼女たちの給与面にも直結する問題です。

だから、自分のところだけを守りたいという気持ちもわかります。

 

しかし、僕からはお互いが協力しあう中での「ミスや失敗」に対しては、

責任追及もしないし、評価にも反映しない。ということを約束しました。

 

その上で、もっとフラットに働く方がお互いの為であることを伝えました。

 

相互コミュニケーション活性化させる

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このHさんとIさんの対立をきっかけに感じたことは、

同じフロアで働いていても、セクションが違うだけで、

コミュケーションが急に希薄になるということです。

 

仮にある人が同じミスをしたとしても、

 

コミュケーションが希薄な場合と、濃密な場合では、

感じ方は全然違うと思います。

 

「なにあの人?なにやってるの?」

となってしまうか。

 

「ある人のことだから仕方ないか。」

となるのでは大きな違いです。

 

その為に、セクションを横断するような仕事の機会を増やすことで、

相互コミュケーションの図りたいと思っています。

 

配置の硬直化を防ぐ

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これからの少子高齢化に伴う人不足も考慮すると、

こと現場マネジメントにおいては、

ベテランとよばれるようなスペシャリストよりも、

広く浅くマルチに動けるゼネラリストの方が求められると感じています。

 

なぜなら、スペシャリストを育てるだけの人的、時間的リソースが

圧倒的に足りないという事実もあるからです。

 

僕に決定権はありませんが、

HさんとIさんも今のまま長年硬直したポジションにおいておくよりも、

新しい担当をしてもらいたいと人事に希望を伝えました。

 

そうすることで、

より広い視野を持ったメンバーが増えることで、

全体がより有機的に動くようになると思うからです。

 

セクショナリズムは解消したか?

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店舗の仕組みとしてセクションで分かれている以上、

残念ながら、セクショナリズムがなくなることはありません。

 

HさんとIさんの関係性の回復も微妙なところです。

 

しかし、「協力しあうことによる失敗」を認めたことは一定の成果があり、

それぞれの担当者が、相互にフォローし合う場面も散見されるようになりました。

 

課題は多いですが、気づいた部分から少しずつ修正をしていくことが大切だと感じさせられます。