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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

被害妄想が激しぎるメンヘラ女子な部下の対応について考えた。

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被害妄想が激しぎるメンヘラ女子な部下の対応について考えた。

50名以上の部下のマネジメントをしている中では、

問題が発生していても、顕在化してくるものはごくわずかです。

 

多くの問題は潜在的なもので、

一人一人の部下が、それぞれに抱え込んでしまっているものも多いように思います。

  

しかし、部下の気持ちに気づかず放置してしまうことで、

チーム全体に非常に悪い作用を引き起こししてしまう事例もあります。

 

過去にとても連携がとれていて成果も出していたチームが、

急に険悪なギスギスした仲になり、

仕事も停滞してしまうというような出来事がありました。

 

その件の発端は、Eさんという中堅の女性部下の被害妄想からでした。

 

ある日、彼女との打ち合わせがあり、

二人で話をする機会がありました。

 

すると、彼女は急に涙を流し、仕事を辞めたいと僕に打ち明けてきました。

 

あまり急だったので、僕は彼女にその理由を尋ねると、

「職場で孤独感を感じている」という答えが返ってきました。

 

もう少し詳しく聞くと、

例えば、

  • Eさん以外のメンバーで飲み会を企画し、自分だけ誘われてない。
  • そこでは、自分の陰口を言われている。
  • チームのリーダーも他の人ばかりを贔屓している。

 

といったことがあるそうです。

 

しかし、その話の内容はあまりに主観的で、

僕にとってもすぐに受け入れられる内容ではありませんでした。

一旦その場では、彼女の主張を聞くことに終始し、

また、話をする機会を設けることにしました。

 

周囲のメンバーはEさんをどう思っているのか?

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後日、僕はEさんの所属しているチームのメンバーから話を聞くことにしました。

 

売場へ行くと、すぐに「もしかして、Eさんのことですか?」

とリーダーが僕に声をかけてきてくれました。

なんとなく、Eさんの異変に周囲も気づいているようでした。

 

「ちょっと、聞きたいことがあってね。」

と彼女が仕事を辞めたいという内容は伏せて、

それとなく、最近のEさんの仕事の様子について聞いてみました。

 

すると、リーダーからはEさんに気を遣うのに疲れて限界だ。」

という事を聞きました。

 

最近のEさんは、

ちょっとでも、自分以外の人同士が話をしているのを見ると、

じっと様子をうかがっては、不機嫌になってどこかへ行ってしまうのだそうです。

 

「別に誰もEさんについての話なんてしていないし、

関係することだったら呼び止めるのに、意味が分かりません。」

 

「一度、彼女は機嫌を損ねた感じになってしまうと、

業務の中での些細なミスも増えるので私たちもとても気を遣います。」

 

「だから、ちょっとした立ち話が必要でも、

Eさんがいなくなってからしたりしなくてはいけないんです。」

 

Eさんは何を望んでいるのか?

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彼女のタイプは、「目立ちたくないけど、頼りにはされたい」

そんな絶妙な願望を持つタイプかもしれません。

 

恐らくですが、Eさんはこれまで担当の売場が長く、

比較的メンバーの面倒を見るような役回りをしていました。

 

しかし、時が経つにつれてメンバーも彼女に面倒を見てもらわなくても、

一人立ちして仕事ができるようになりました。

 

すると、リーダーでもないEさんは自分の果たすべき役割を、

見失ってしまったのだろうと思います。

 

そして、そんな不安を抱えた彼女は、

聞こえてくる声がすべて自分の無力さを非難するもののように聞こえてきてしまったのかもしれません。

 

Eさんへの対応

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この問題は、Eさん自身の自己認識を変えてもらうしか方法はないと思いました。

前回、約束した2回目の話し合いでこのようなことを伝えました。

 

話し合いの中で、僕がEさんに対して意識したことは、

自分に対して自信をつけてもらう。ことでした。

 

その中で、まず仕事を辞めようと思う前に、

実践してもらいたいアクションとして2つのコトを伝えました。

 

仕事で熱中できる業務を見つける。

 

Eさんの心理的変化は、

彼女が使命感としてやっていた自分の業務の必要性が低下したことが、

根本的な原因としてあると思っています。

 

そして、仕事への集中力が不十分になってしまい、

聞く必要のない他人の世間話などに、過度に気をとられてしまい、

自分の精神をすり減らしてしまっています。

 

彼女には、「本当に今の仕事でやり残したと思っている仕事はない?」

と聞いてみました。

「なくはないですけど…」

という曖昧な返事でしたが、

彼女には有給を取ってもらって、十分な時間を使って

もう一度自分と向き合ってほしい。

絶対やりたいことは残っているはずだから。

と背中を押しました。

 

周囲の仕事を見える化する。

 

彼女の中で、周りが何をしているかわからないという、

「知らない」という事実が、不安を駆り立てているものの1つであるとも思いました。

 

Eさんの不安を取り除くという目的以外にも、

チームワークやマネジメントの観点からも、

「チームメンバーの仕事を見える化する」ということは必要だと感じました。

 

昭和的なわが社では、スケジュールのWEB管理ということはほとんどしておらず、

ほとんど機能していない古典的なホワイトボードがあるだけでした。

このような機会に、小さな変化でも実践することが大切だと思いました。

 

Eさんのその後

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有給明けのEさんは、しっかりと自分なりの答えを用意してきました。

それは、「新しく担当したい商品があってそのための資格を取得したい。」というものでした。

予想以上に自分の意思を固めてくれて、僕の方が驚いてしまうくらいでした。

 

本当は、今の現場の中で何か自分なりの役割を見出してほしかったんだけどなぁ。

というのが僕の本音でしたが、それは自分の説明の仕方が良くなかったのと、

世の中そんな思った通りにはならない、という教訓にするしかないなと思いました。

 

彼女の願望を現実化するには、資格取得や人事異動のハードル等もありますが、

なんとか応援してあげたいと思いました。

 

そして、その努力に対して適宜、評価やフィードバックをしてあげることが、

彼女の精神安定に対して僕ができる唯一のことかな?とも思いました。