新しいことを頭ごなしに否定する上司を説得する方法。
「全然ダメ!やり直し。」
とにかく新しいことを頭ごなしに否定する過去の僕の上司の口癖です。
売上は上げろ!という割には、一切のリスクを取ろうとせず、既存のやり方の延長線だけで物事を考える人でした。
当時、若手の営業担当だった僕や同僚は、どう考えても現状の会社のやり方では限界があると感じていて、そのためには新しいことへの挑戦が不可欠だと感じていました。
しかし、無い知恵を絞って何度も新しい企画案を作りましたがすぐに否定をされて、結局、上司の指示で修正を重ねる度に、やってることはいつもと変わらない小手先だけの案が採用されるという悲劇の繰り返しでした。
なぜ、上司はあんなに頭が固いのだろう。
どうしたら、あの上司を説得することができるだろう?
そんなことを考えていた日々を振り返り、上司の心理を分解していくとともに、あるタイミングでようやく一つの案を通すことができた経験を記事にしたいと思います。
なぜ新しいことは上司から嫌われるのか?
人は自分の知らないものに対して抵抗感や拒絶感を持ちます。
しかし、僕らはこれまで幾度となくそのようなストレスにさらされているはずです。
小中高の新入学や、新社会人として会社という新しい環境に飛び込んでいく時も、同じようにある程度の抵抗や拒絶はありました。
それでも、なんとかやって環境に順応できてきたのは、決して「若いから」ではなく、その状況を耐え抜けば何かしら次につながるという希望があったからです。
ただし、「もうこのままでいいや」「十分頑張ったな」と思った瞬間に、人は一気に環境への順応を辞めて、現状の環境への依存を始めてしまうのだと思います。
つまり、知らないことに対して、「知らなくてはまずい」と思うのか?「知らなくてもいい」と思うのか?で、その人の行動まで大きく変わってくるのです。
上司は会社が最も成長した90年代を経験していて、
この時の成功体験を、いまだに昨日のことのように語ります。
典型的な環境依存に陥っていて、彼の中での正義は当時の常識であり、現在の常識など知ったこっちゃない。という感覚なのです。
それ故、新しい方法での失敗を異様に恐れていて、使い古された過去の成功事例を何度も持ち出してくるのです。
当然、変化していく社会の中でそのようなことを繰り返していても、緩やかな右肩下がりをしていくだけだと思っています。
上司を説得する材料は何か?
このような上司が求めているのは「結果」です。
「結果」さえ出てしまえば、何も口出しはできません。
ただ残念ながらその為には、通常業務は問題がない程度にこなしつつ、一定の成果が出るまではじっくりと水面下でアクションを起こしていくという辛抱が必要だと思っています。
わざわざ面倒なことが必要な時点で、そんな会社最低じゃないか?という考えもあるかもしれません。
しかし、世の中の大半のサラリーマンの勤める会社は、ここ数年で急成長した風通し抜群の優良企業ではなく、日本独特の文化の中で昭和から平成にかけて成長をしてきたような会社ではないでしょうか。
そのような会社にいる以上は、ある程度その旧体質の経営基盤に支えられて雇われているという事実にも配慮しつつ、従わず逆らわずに動いていくことが大切かと思います。
また、その過程で非常に重要なことは、賛同者を持つことです。
自分がやろうとしていることと同じ思想を持っている人が社内にいないか?ということです。特に、ある程度のポジションを持っている人が見つかれば、賛同してもらうことで、社内での説得力が飛躍的に高まります。
企業の組織においては、「何をやるか」よりも「誰が言ったか」の方が、圧倒的に重視されるからです。
上司が一番気にするポイントは何か?
それは、部下が失敗して自分が責任を負う羽目にならないか?
ということです。
その為に、事前にどんなリスクがあるのか?ということを明確にしておくことです。
これをしておかないと、最後の最後で足元をすくわれることになります。
特に法律・法令関係の抜け漏れは、一瞬にしてこれまでの努力が気泡になるケースもあります。
どれだけ自分が頑張っていても、いざアクションを実行して問題が発生したら、最終的な責任を取るのは上司です。
既に結果の見通しが立っている、社内の有力者も賛成していて、そしてリスクマネジメントも出来ている。
提案をこの状態に持っていくことが、融通の利かない企業組織において上司を説得させる三拍子だと感じています。
まとめ
新しいことが受け入れられなかったり、非難をされるのはいつの時代も繰り返されることです。
古代エジプトにも「最近の若者は…」という言葉が残っているくらいです。
しかし、人類がそれでも大きく前進した来たように、いちサラリーマンというスケールにおいても、その組織の状況や慣習を理解しつつ、常に変化を求めて新しことに挑戦していかなくてはいけないですね。