【勝てば官軍負ければ賊軍】新しいことに挑戦し続けるクリエイティブな上司の苦悩。
「とにかく新しいことをしよう!」
「何か今までにない面白いことをしよう!」
という言葉が口癖で、クリエイティブなアイデアを一日中考えている。
そんな熱い想いを持った上司と一緒に働いた時の話です。
その上司と働いた期間は、僕の社会人生活の中でもかなり印象的でした。
出勤と休日の境目もなく、常にネタ探しとアイデア出しの日々。
そして、社内のいろんな部署から苦情や叱責を受け、
それでも、企画を成し遂げられた時の達成感は何ものにも代えがたいものがありました。
そして、僕以上に大変だったのは、その主体となっていた上司です。
そんな上司が、旧態依然の企業の中で、新しいことをするにあたって感じていた苦悩を振り返ることで、学びにしたいと思います。
社内にはびこる硬直マインドとの闘い
最初の関門は、社内承認のフェーズです。
とにかく、僕が勤める旧態依然の組織では、新しいことを始めるというのは嫌われます。
「何ができるか?」よりも、
「どんなリスクがあるか?」
という部分から議論が始まってしまうからです。
そして、最終的にリスクを負わなければならない部署が徹底的に反発をしてくるのです。
彼らのマインドは完全に硬直していて、
「既存業務に加えて、これ以上業務の負荷を増やすことはできない。」
などと言ってきます。
完全に自分たちの規定業務に捉われていて、今の状況をどう変えれば時間が生み出せるのか?新しいことで自分たちも変わっていこう。という思考はありません。
企画を提案する側が、「仕事を増やすだけの悪者」にされてしまう矛盾は、
毎回付きまといました。
乗り気でない周囲を引っ張る力
苦労の末、様々な承認フローを乗り越えていきつく次の関門は、実行フェーズです。
これも決して、上司と僕ら部下だけでは成り立ちません。
数十名から、数百名を巻き込んでいかなければいけません。
その中で、最も大切なことは、
「意図を理解してもらうこと」です。
一緒にやってもらう仲間にとっても、その理解があるかないかで、
「ただやらされているだけ」か「自ら望んでやりたいと思える」という
大きな差が生まれます。
その理解を持ってもらうには、とにかく一緒にプロジェクトに入ってもらいながら、根気強く説明を繰り返す以外ありませんでした。
勝てば官軍負ければ賊軍
この言葉通り、何かに挑戦しても結果がすべてということを痛感しました。
時間を費やした時間に関係なく、結果が出なければ協力者は去っていき、企画は忘れ去られます。
一方、数少ない成功した企画というのは、企画にほとんど関与していなかった人までも、
関係者面をしてきたり、散々文句を言っていた他部署からまたあの企画はできないのか?
という問い合わせが入ったりします。
人間は、本当に単純だなとも思ってしまいます。
そこから言えることは、小さな成功を積み上げていく大切さです。
まとめ
組織や集団において何か新しいアクションを起こすということによって引き起こされるアレルギー反応というのは、過去の積み重ねや成功体験が大きさに対して比例するものだと感じています。
しかし、規定路線だけでは衰退していくだけというのは、ハーバー―ド大学の故クリステンセン教授も『イノベーションのジレンマ』の中で語っています。
ゲリラ的に新しいチャレンジをして小さな成功体験を積み重ねていくという、
当時の僕の上司の考え方は決して間違っていなかったと思っています。
これからも時代はもっとこのゲリラ的なアクションというのは、大切になってくると思います。
小さなところから好循環のサイクルを作りだし、大きく育てていくということを、今後もやめてはいけないなと感じています。