口だけは達者だが行動に移すことができない部下に変えてほしい3つの視点。
理想論を語り始めたら止まらないMくん。
僕の部下であるMくんは、口数も多く、社交的で、なによりいつも想像性に溢れています。
いつも僕との会話でも、あんなことができたらいい、こんなことがしたいと彼の仕事に対する展望を語ってくれます。
初めのうちは、アイデアに溢れていてとても頼もしい部下だなと感じていました。
しかし、徐々にMくんに対して不安を感じるようになってきました。
それは、彼の提案が何一つとして現実のカタチになって表れてきていないということと、
にも関わらず、本来の業務でのミスが目立つということでした。
彼の言い分はこのようなものでした。
「自分の考えは絶対成功するはずなのに、なかなか周りのメンバーが動いてくれない。」
「周囲が動かないから自分の仕事が増えてしまってミスが起こっている。」
自分は大変なんだから、多少のミスは仕方ないですよね?
と言わんばかりの言い訳をいつもの調子で延々と述べるのでした。
僕は普段からあまり部下に口出しはしないのですが、この時は彼に変えてほしい3つのコトを話しました。
1.相手の立場で考える。
Mくんの仕事の捉え方はこのように見受けられました。
しかし、この彼の捉え方の中には抜け落ちている視点があると話しました。
それは、「同僚のメンバーの立場になって考える」という視点です。
Mくんは、僕に語ってくれたようにじっくり時間をかけたアイデアに関する話を同僚のメンバーには全くしていませんでした。
上司に話を通したら、それで周囲の理解の理解も得られているはずと考えるのは間違いです。
なので、同僚のメンバーからは、Mくんの意図が全くわからない。
という声が上がっていました。
何か自分で行動をする時には、それを承認する人以上に、時間をかけて実際に動いてもらう人にしっかりと意図を伝えるということの大切さを伝えました。
もし自分がお願いをされる立場だったら?と考えを持つことができれば、自然とその説明の仕方も変わってくるはずです。
2.現実と向き合う
会社そしてチームで使える経費には限界があり、
そして、メンバーの能力もバラバラです。
その「現実と向き合ってプランニングをする」という視点も、少しMくんの足りない部分でした。
想像の域を抜け切れない部分が端々にあり、それが彼の提案の実現を阻んでいました。
現実に対して妥協するのではなく、どう工夫したら乗り越えることができるか。というマインドに変化すること。
その為に、Mくん自身の足を使って、事実を集めることが必要だと感じました。
アイデアを生み出すひらめきの能力は高いMくんですが、それを地に足のついた実行策まで落とし込めるようになれば、大きく化けると思っています。
3.信頼を得る。
人に動いてもらうには、一方通行の関係では成立しません。
どれだけMくんが一生懸命、同僚のメンバーに働きかけても信頼がなければ、良い仕事はできません。
その為に、「どうすれば信頼を得られるか?」という視点が必要なのです。
Mくんの場合、答えは明確でした。
それは、本来の彼の業務を完璧にこなすということです。
時間がないということを言い訳に、通常業務でミスを連発する人から追加の仕事のお願いをされても、当然納得がいきません。
まずは、地道な仕事の積み重ねから信頼残高を増やしていくことがスタートラインだと感じます。
まとめ
Mくんはアイデアという非常に大きな武器を持っています。
しかし、そのアイデアを活用する現場という戦場に対する視点が抜け落ちてしまうことで、
武器はあるけど
- そもそも使い方がわからない。
- 弾数が少なすぎて使い物にならない。
- 故障が多くて安心して使えない。
こんな事態を招いてしまいます。
Mくんだけでなく、僕自身も多面的な視点を持って考えて続けることの大切さを感じた出来事でした。