seiblog

30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

デキる上司が交渉で必ず意識している5つのポイント。

f:id:seiburo:20200831072608j:plain

デキる上司が交渉で必ず意識している5つのポイント。

 

社内でもやり手と言われる上司のもとで働いていた時の話です。

 

その上司の凄いところは交渉の成功率の高さです。

 

僕の会社は小売業で、交渉相手はメーカーや商社になります。

基本的にはこちらがお客さまという立場ですが、やはり相手にとっても「売れる店と取引がしたい」という心理はあります。

 

その中で、「売るパワー」が決して強くはなかった僕の担当店舗においては、交渉上のパワーバランスは、メーカーや商社の方が遥かに上でした。

 

その為に、日々行われる多くの交渉は、決裂に終わるか、僕らにとって不利な条件を飲まざる得ない。という状況がほとんどでした。

  

そんな状況の中でも、当時の僕の上司はほとんどの交渉を最後まで推進し、自分たちにメリットがある形でクロージングさせる技術を持っていました。

 

僕は、彼から交渉とはどのように進めるものか?ということを、交渉に同席する中で多くの学びを得ることができました。

 

この記事では、そのデキる上司が交渉で必ず意識していたポイントを5つにまとめ紹介したいと思います。

 

1.いきなり理想の条件をぶつける。

f:id:seiburo:20200831072624j:plain

売上も集客も微妙…

そんな店舗にも関わらず、上司はいつも交渉では、先方の担当者も苦笑いというレベルの大風呂敷を広げるところから始めていました。

 

しかし、そこには「なぜ、それをする必要があるのか?」という根拠となる背景や実態の分析がありました。

 

社会における変化などの大きな視点から入ることで、必然的に取るべきアクションも大胆かつ新鮮なものになります。

 

「できる」「できない」ではなく、「こうしたい」という理想の思いを伝えることから始めることで、交渉の参加者たちも「もしかしたら、できるかも」という気持ちに巻き込んでいくのでした。

 

2.手札はすべて使わない。

f:id:seiburo:20200831072643j:plain

あくまで、理想は理想です。

それを実現する為に、お互いに割くことがリソースは限られています。

 

交渉のテーブルでは、お互いに手札を出し合いながら、双方が納得いくカードが出そろった時点で決着がつきます。

 

いかに、1枚のカードで相手から多くの手札を引き出せるかが、ポイントにもなってきます。

 

よくあるケースが、交渉相手とは決着がついたと思っても、その後先方の上司や役員からこんな内容では納得いかない。と、ちゃぶ台返しを食らう場合があります。

 

その時に、こちらとして出せるカードもう何もないという状態で、そのまま破断になってしまうというケースも少なくありません。

 

その為、切り札は最後まで持っておくこと。

そして、できれば使わないということを念頭においておくことが大切かもしれません。

 

3.交渉は数社を同時に進める。

f:id:seiburo:20200831072701j:plain

交渉はやりたいことを成し遂げる為の一つの手段に過ぎません。

 

だから、1社とだけ話しを進めるのではなく、それがダメだった時のリスクに備え、同じ条件で何社かと同時に交渉を進めることが大切だと思います。

 

そうすることのメリットは、他社が提示してきた条件を、別の会社との交渉におけるカードとして使うことができる点です。

 

4.相手に譲歩することを忘れない。

f:id:seiburo:20200831072718j:plain

いかに相手にカードを出させるか?も大切なことですが、譲歩することも大切です。

 

どこまでなら、相手の条件を飲むことができるかというラインを決めておくことも、スムーズな交渉につながります。

 

このラインを決めておかないと、つまらないことで交渉がストップしてしまうこともありえます。

 

また、相手の希望を通す為に、自分の社内で戦うことも必要なことだと思います。

 

僕の上司の場合は、交渉上譲歩が必要だと思った部分については、徹底的に社内で声を上げて、これまで慣習として行われてきたルールを何個もぶっ壊してきました。

 

その度に、社内に多くの敵をつくってきましたが、結果として成功を収めることで、同時により多くの味方もつくっていました。

 

5.雑談を大切にする。

f:id:seiburo:20200831072738j:plain

交渉後に、ビジネス以外の雑談を交わして交渉相手との関係性を築くことも怠っていませんでした。

 

相手の趣味や趣向を知ることで、交渉においても相手に納得感のある提案ができるばかりでなく、最後の一押しの部分で「〇〇さんがそこまでいうなら」という信頼関係を基づいた決着にも至っていました。

 

まとめ

今回の記事では、交渉におけるテクニック的な話に終始してしまいましたが、最も大切なことは、「なぜ、それをしたいのか?」という交渉の前提となる背景の部分を徹底的に固めることだと思っています。

 

最もベースとなる意思が揺らいでしまうと、交渉全体に一貫性が出ず、両者にメリットが生まれない惰性の結果を生み出してしまいます。

 

日頃から今の自分や会社にとって何が必要なことなのか?を意識して考えていることが、大切なことかもしれません。