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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

「怠惰な多忙状態」に陥ってしまう部下の傾向と対策について。

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「怠惰な多忙状態」に陥ってしまう部下の傾向と対策について。

  • 決して不真面目ではない。
  • いつも何かに追われてる。
  • でも仕事の成果は見えない。

 

このように一見多忙に見えるものの、非生産的な業務に終始してしまう状態を表す言葉として「怠惰な多忙」という表現があります。

 

これは、ストア派の哲学者セネカが紀元前に残した言葉としても有名ですが、まさに現代のビジネス現場においても通じるものがあると感じます。

 

「怠惰な多忙状態」に陥ってしまう仕事の容量を得ない部下は、職場において少なくはないと思います。

 

しかし、普段から仕事に励む姿勢を見せられてしまうと、上司としては文句を言えない部分もあります。

 

僕自身もこのようなタイプの部下を何人も持ったことがありますが、正直、マネジメントをしていると、より多くの問題を抱えた部下や職場のトラブル、そして自分自身の仕事に振り回され、彼ら・彼女らに割く時間はほとんどありませんでした。

 

問題を抱えた部下が職場の生産性に与える影響をマイナスだとすると、

「怠惰な多忙状態」にある部下は、良くも悪くも影響力を持たない存在だと言えます。

つまり、放置していても問題ないと捉えてしまいがちなのです。

 

ですが、ある時、「怠惰な多忙状態」であった一人の部下に対して、この状態を抜け出す手助けをしたことで、職場全体の生産性が大きく上がったということがありました。

 

僕らが普段いかにマイナスを0にしようとする仕事にばかり着目し、1を2や3にする仕事をしていないか。という事実を反省するきっかけになりました。

 

その反省をベースにしながら、「怠惰な多忙状態」に陥ってしまいがちな部下の特徴や、その対策についてまとめていきたいと思います。

 

「怠惰な多忙状態」に陥りがちな人の3つの傾向

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仕事=時間の消化になっている。

仕事の目的が、定時までの時間の消化になっている傾向を強く感じます。

単純作業が主たる業務であるアルバイトや事務担当であれば、それでも問題ないと思います。

 

しかし、いわゆる頭脳労働と呼ばれる職務についている人間が、このような意識になっている場合は、問題であると思います。

 

  • 指示された仕事だけをこなす。
  • ルーティン業務だけに終始する。
  • ひたらす調べものをしている。

 

このような仕事は、「仕事をやっている感」が得られると同時に、すぐに時間も過ぎていくので、ついつい多くの人が「考えること」から逃げる為に、のめり込みがちだと思います。

 

経験の範囲内の仕事しかしない。

仕事は経験を積むほど、経験値が溜まり1つのタスクを終えるのは早くなります。

 

しかし、誰しも一人で習得できる分野のキャパシティは限られていることも事実です。

 

1つの分野がある程度習熟した場合でも、新しい分野に挑戦することは、またゼロからスタートであると同時に、既に習熟した分野も精度が落ちてきます。

 

このトレードオフの状況に耐えながら、どんどん新しいことを獲得していく人はごくわずかで、多くの人は若いうちに経験を積み習得した分野に固執しがちです。

 

その方が、頭を使わなくて良いからです。

 

こうして、自分の経験の範囲で容易にできることを多く抱え込むことで、ポジションを確立するということは、本人にとっては職場で生きやすくなる一方、それ以上の成長や柔軟性を自分で阻害してしまっているとも言えます。

 

自分だけで完結させようとする。

ある程度の経験を積んだ人にとって、他人が自分の仕事に関わってくることは、ストレスにもなりえます。

  • わからない点の説明を求められる。
  • 余計な指摘を受ける。
  • 自分のペースで仕事ができない。

などが考えられます。

 

しかし、それと同時に失うものもあります。

それは、自分にはない視点や発想、そして新しい知識などです。

 

既存の作業的な仕事は自己完結でできるかもしれませんが、やはり一定の成果が求められる場面では、それだけは成立しません。

 

ある程度のストレスを受け入れることが、「自分だけの世界」から抜け出す1歩にもなると思っています。

 

どうマメジメントすれば良いか?

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目的意識を持たせる

「何を達成したいのか?」という目標を明確に持たせることによって、自ずと部下の行動は変わってくると思います。

 

達成すべき目標を決め、そこから逆算することができれば、一つ一つの時間に欠けられるリソースがいかに限られているかわかります。

 

人はどうしても自分の見積もりを甘くしてしまう傾向があります。

 

そこに、一度でも上司が入り込みながら、目標をお互いに握り、見積りの修正を行うことで、部下の意識は大きく変わると思っています。

 

人を巻き込む

正しい見積もりを行うことでわかることは、一人ですべての仕事をこなすことはできない。ということです。

 

自分ですべてを抱え込み、「怠惰な多忙状態」になってしまう前に、人の助けが必要であることを認識させてあげることも、上司の重要な役割の一つだと考えています。

 

まとめ

「怠惰な多忙状態」の部下を見ていて感じることは、そのプライドの高さです。

そのプライドの高さゆえに、仕事の重要度をはき違えて、誰でも頼めることを「自分にしかできないこと」「自分がやるべきこと」と捉えてムダな時間を過ごしてしまうのです。

 

もちろん、これは自分に当てはまる部分はあります。

主観だけではなく、客観的な視点もいれつつ、自分の仕事と向き合うこと。

それが、生産性の向上や働きやすさにもつながるのではないか?と感じています。