育休明けの部下対応におけるマネージャーとしてのしくじり経験。
マネージャーの大切の役割の一つとして、自分が抱える部下の雇用形態によって降ろす仕事のレベル感や内容を適切に変えていくということは大切なことです。
しかし、その意識に甘んじて「自分が柔軟な対応できている」と思い込んでいる状態というのは、実はそこに落とし穴が潜んでいる場合もあります。
職場における上司と部下の関係性の中で、僕が身をもって経験したことについてお話したいと思います。
それは、育児休業明けのCさんとのエピソードです。
育児休業明けのCさんとのエピソード
Cさんの育休明け当初に僕が意識したこととは、彼女に対する徹底的なケアでした。
- 残業をさせてはいけない。
- 精神的にストレスのかかる仕事をさせてはいけない。
- 肉体労働はさせてはいけない。
このような僕なりの意向の結果、彼女が行うことになった仕事は非常に簡易的なものとなりました。
これで僕は、Cさんが大満足で仕事と育児を両立してくれるだろう。と思っていました。
しかし、仕事がスタートして数週間、実際のCさんの仕事に対する反応は、僕が想像していたものとは裏腹に、大きな不満を抱えていたのでした。
Cさんは元々、バリバリに仕事を行うタイプの人間だったそうです。
育休明けでも、仕事に対する熱意は以前と変わらず持っていて、今与えられている仕事だけでは周囲と比べてあまりに業務量が少なく、そして何より腫物のような扱いをされることが、逆にストレスになっているという話を打ち明けられました。
マネージャーとして僕が欠落していたポイント
僕の一番の反省点は、「Cさんを個人として認識できていなかった」ということです。
個人としてのCさんではなく、「育児休業明けの人」というステレオタイプな目線でしか、捉えることができていなかったのです。
その結果、仕事の降ろし方が、ごく一般的で画一的な対応に留まり、Cさんの気持ちや意向を全く汲み取らないものになってしまったのです。
Cさんの為に本当に必要だったこと
最も大切なことは対話に対する重要性の認識です。
Cさんとは元々会社復帰のするタイミングで、面談もしていました。
そして、その際も過去の働きぶりを聞いていましたし、復帰後も意欲的に頑張りたいという意思を確認していました。
しかし、あとになって振り返ると、僕がいかにその対話を軽視していたか。本気でCさんの話を聞いて働き方に活かそうという意識が希薄だったか。を認識することになりました。
例えば、当時の彼女の働きぶりに関しても、話で聞くだけではなく、実際に見て知っていたとしたら、自分の対応も違っていたかもしれません。
でも、それはいい訳です。
マメジメントとしてすべての部下の動きを実際に見ないと、適切な判断ができないのでは、僕は24時間365日部下の監視だけで仕事が終わってしまいます。
やはり、大切なことは対話から相手の心情を深く受け止め、イメージすること。この感性を磨いていくことでしか、この問題は解決できないと思うようになりました。
まとめ
役職、雇用形態、性別、年齢
このようなステレオタイプで部下を見ることの危険性について、今回は学びました。
これは、「育休明け」というCさんの事例だけでなく、逆に「若手の独身男性だったガンガン仕事振っていい」という訳ではない。ということも同義だと思います。
すべての出発点は対話の機会と習慣を持つこと
そして、ステレオタイプではなく固有名詞として認識する。
この意識を大切にしなければいけません。