職場における答えの無い問題においてマネージャーが決断すべき選択。
- リモートワークとオフィスワークどちらが良いか?
- 新卒と中途どちらを採用するか?
- 管理職は男性が良いか女性が良いか?
こんな議論はあちらこちらで、日々巻き起こっています。
ビジネスの場面では、どちらに転んでも一定のリターンとリスクが存在します。
そして、そのバランスを見極めながら答えの無い選択を求められます。
しかし、どれだけ緻密な計画や調整をしたとしても、それぞれのリターンとリスクに対して確実な検証はできません。
マネジメントを行っていて年数が積み上がるほど、そのことを実感しています。
なぜ、ビジネスにおける選択はこんなに難しいのか?
その理由は、ビジネスの世界においては日々、目まぐるしく競技のルールが変わることが要因だと思っています。
それは、特にスポーツの世界と比較するとわかりやすいです。
スポーツの世界は、競技の根幹を揺るがすようなルール変更は基本的に行われません。
例えば、サッカーで手を使うことが許されたりすることはありません。
そのような世界では、過去の経験や知識といったものが、物事の判断に活かされやすい環境だと言えます。
一方で、現在のビジネスシーンにおける環境とは、昨日までは常識だったものが今日は非常識になるといった大胆な変化が起きています。
例えば、冒頭の「リモートワークかオフィスワークか」などの議論はコロナが拡大する前までは、まるで注目を集めていませんでした。
しかし、それが現在では活発に議論され、むしろリモートに対応していない企業はまるで「時代遅れ」のような扱われ方さえしています。
重要な選択において本質的に必要なこと
いくらスピーディかつ膨大な選択が求められる環境だったとしても、マネージャーが適当な返事をしてしまうとチームの士気は一気に落ちてしまうと感じています。
また、じっくりと時間をかけすぎて結論が先送りになることもナンセンスです。
重要な選択において本質的に必要なことは、「企業理念に立ち返る」ことだと思っています。
フリマアプリのメルカリ社の事例をご紹介したと思います。
メルカリでは、こんな企業理念があります。
「GoBold 大胆にやろう」
世の中にインパクトを与えるイノベーションを生み出すため、
全員が大胆にチャレンジし、数多くの失敗から学び、実践します。
メルカリでは、社員のメンバーが何か選択に迷った時の指針にもなっていると言われています。つまり、直面しているある問題を解決するための手段がいくつかあった場合に、「どの選択が最もGoBoldであるか?」という視点で社員全員が考えているということです。
また、その考え方を応用すると、ある特定の問題に対して意見が大きく割れる時ほど、企業理念の浸透につながるとも言えます。
「企業理念」という抽象的な概念は、平常時には誰も意識しませんし、マネージャーがどれだけ頑張って伝えてもそれだけではメンバーの心に響きません。
しかし、あえて重要な局面で「企業理念に立ち返る」ことで、その大切さを伝えるチャンスとなり、またそれを繰り返すことが企業文化になっていくのだと思います。
まとめ
- ビジネスにおける正解はない
- なぜなら日々目まぐるしい環境変化があるから
- 重要な選択ほど「企業理念」に立ち返る必要がある
- その繰り返しが「企業文化」を育てる