【ライフデザイン】人生に行き詰まった時、もつべき視点。
「仕事にやりがいが持てない」「働いていても幸せじゃない」
スタンフォード大学の調査では、アメリカ人の大卒者の80%がこのような悩みを持っているそうです。
また、日本では、もっともっと多くの人が悩んでいるんじゃないかな?と思います。僕も多分に漏れずそのひとりです。
そして、そんな悩みをもつ社会人に向けて解決策を示したのが、スタンフォード大学のビル・バーネット教授とデイヴ・エヴァンス教授が提唱する『ライフデザイン』というマインドセットです。
自分自身が幸せだと思える人生を送るために、どうやって人生設計を行えばいいのか?
その方法を解説していきたいと思います!
目次
デザイン思考とエンジニアリング思考
あなたは、どんな目標を立てて日々生活していますか?
- 35歳までに課長に昇進したい!
- 年収を1000万まであげたい!
- TOIECで800点取りたい!
例えば、こんな感じでしょうか。
実はこれ、すべてエンジニアリング思考と呼ばれるものです。
エンジニアリング思考とは何?というと、定量データに基づき、絶対的な正解がある数値的な目標設定思考ということです。もっと簡単に言うと、その成功を数字で表すことができるということです。
エンジニアの設計は、数字は必須です。超具体的に、目標数値を設定してそこに向かって研究・開発を行っていきます。でも、そこで一度立ち止まって「なぜそれをやるの?」ともう一段階掘り下げて考えるのがデザイン思考です。
上記の目標にデザイン思考で考えるとこんな疑問が浮かびます。
- なぜ、課長になりたいの?
- なぜ、年収は1000万必要なの?
- なぜ、点数が800点なの?
この質問の意味するところは、「数字に縛られすぎていないかい?」というコミットされた仕事に忙殺される現代人を暗に揶揄していると思います。
自分は「数値では図ることのできない正解のない目標を持っているか?」ということは、仕事のやりがいに大きな影響を与えます。
もちろん、数字を全く使わないということではなく、デザイン思考的な目標設定をブレークダウンした先には、定量目標は必ず発生してきます。
仕事観と人生観
では、デザイン思考的な目標はどうやって設定すればよいのでしょうか。
目標を設定するということは、人生という旅において迷子にならないようにするためのコンパスと一緒です。そして、そのコンパスをつくる為には、2つの軸が必要となってきます。
それは、仕事感と人生観を一致させること。
つまり、「仕事で為したいこと」と「人生で為したいこと」この二つの価値観が重なるような目標こそ、やりがいと充足感を得ることができるものなのです。
さらに、この二軸と分解すると「人間性」×「考え方」×「行動」という要素に分解できます。
LCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションの井上社長は、人生で為したいこととして、「戦争をなくすこと」を掲げている。そしてそのために、仕事で為したいことについて、以下のように語っている。
「過去には日本とアジアの国々とのあいだで不幸な出来事がありましたね。ああいうことを二度と起こさないために、友達がいろんな国にいるという状態にしたいんです。そのためには若いうちからどんどん外国に出て、いろんな文化に触れ、たくさんの人と知り合ってほしい。ではどうするか? 財布の軽い若い人でも乗れて、いろんな国に行ける、そういう航空会社が必要なんです。ピーチはそれをやるんです」
上記の例で示すと、
「人間性」⇒世界の平和を望んでいる。
「考え方」⇒平和のためには、若いうちから異国異文化と触れ合って固定観念をなくすこと。
「行動」⇒若い人でも利用できる低価格の飛行機事業。
ライフデザインの実践
マインドマップで目標設定を実践
目標設定にいては、一つのことに断定してしまうのではなく、自分が考えうるあらゆる可能性を模索する必要があります。その方法として、有効なのが自分の頭の中で考えていることを言語化して、それを繋げあわせることでマップを作成していくマインドマップというツールです。
「自分の軸は何なんだろう?」という疑問の答えは、すぐには出ません。
しかし、前述した「人間性」⇒「考え方」⇒「行動」という順番で要素を派生させていく中で、徐々に目指すべき姿の解像度を上げていくということ自体に意味があると思います。
プロトタイプを量産する
プロトタイプとは、簡単に言うとお試しということです。
マインドマップで導きだした答えが必ずしも絶対の正解ということはありません。
また、絶対それをつきめなくてはいけないということもありません。
例え失敗してしまったとしても、それは派生する別の可能性に向けた反省事項になりますし、この考えは間違っていたという発見にもなります。
自分のマインドマップに従いながら、数多くのチャレンジをこなしていくことの重要性がプロトタイプの量産という表現で語られているのです。
成功作をアップデートする
プロトタイプを量産する中で、「これは!」と思えるものが必ず出てきます。
自分に向いてるかも?とかやりがいを感じられるようなことです。
それが見つかったら、あとはひたすら的を絞ってアップデートしていくという作業に入っていきます。横の派生から、縦の深堀りといった路線切り替えのイメージです。
この深堀りの中で「仕事観」が育まれていきます。
まとめ
- 数値目標だけに縛られない。デザイン思考を持つ。
- マインドマップで自分の考えを言語化、仕事観と人生観を一致させる。
- 自分の軸をブラさないで、失敗を繰り返し、成功を手に入れる。
- 作者:ビル バーネット,デイヴ エヴァンス,Bill Burnett,Dave Evans
- 発売日: 2019/10/05
- メディア: 文庫