欲しいものはすぐに手に入る
世の中にあふれる商品、サービス、情報は今や手に入らないものはないといっても過言ではありません。もちろん、お金は必要ですが、必要最低限のものも、ますます低価格化かつ高品質化しています。
そんな世の中において、商品・サービス・情報を提供する企業や個人は、ますます差別化や独自性を打ち出そうとしていますが、その差は縮まっていくばかりです。
既に頭打ち感のある世界の中で、生き残って成功していくために必要なことはなんでしょうか?
今回は、ピーター・ジョージェスク著『リアル・リーダーシップ』を参考にしながら、その成功法則について考えたいと思います。
- 作者:ジョージェスク,ピーター,ドーシー,デイヴィッド
- メディア: 単行本
少し前に出版された書籍ですが、これからのビジネスシーンの未来を占うような本質な内容だと感じます。
目次
次世代のリーダーが持つべき3つのスキル
創造性
なぜ創造性が必要なのか?
冒頭でもお伝えした現代における過剰配給の状況に対しては、創造性は欠かせません。
しかし、ここで必要性をお伝えする創造性とは、先天性の生まれ持ったものではなく、努力によって研鑚することで身に付けることのできる創造力です。
逆に、生まれ持った天才的な創造性を持っているという人については、それだけでは十分でないということも、後述します。
どうやって創造性を身に付けるのか?
ベースを固まるというパートと、挑戦をするという2つのパートに分けることができます。
第1パートでは、以下の実践が語られています。
- 自分が携わっているビジネスの論理的・包括的な理解を深めること。
- 自分の頭の中の理解と現実の結果のギャップを埋めること。
- 日常の中から変化のパターンを見つけること。
⇒ビジネスの基礎理解と視野拡大。
第2パートでは、挑戦と発見に触れられています。
- 進んでリスクを引き受ける姿勢
- 保守的にならず、未来を恐れない選択をする
- 挑戦の中から、新しい発見をする。
⇒新しい発見を増やすことで、創造性が高まる。
誠実さ
なぜ誠実さが必要なのか?
あなたは、機能や性能がほぼ同じ商品を買うなら「誰」から買いますか?
顔を知らない人より、知っている人の方が安心です。
また、どんな考えを持っているかを知っている方がさらに信頼は高まります。
つまり、差別化の先にあるコモディティ社会においては、企業や個人の「透明性」が勝負になってくるのです。
そして、その「透明性」を信頼に繋げる橋渡し役が「誠実さ」だと言えます。
これから透明性が求められる社会では、表では良い人を演じているけれども、裏では暴利をむさぼって豪遊しているような経営者は、確実に生きていけません。
誠実さに大切なビジョン
ビジネスにおいても、単一の企業や個人の利益追求ではなく、社会全体の利益追求をする誠実さがなければいけないと思います。
それは、「何を成し遂げたいか?」というビジョンの設定によって全く変わってきます。
大きなビジョンに対して、正面から向き合きあい続けることで、360度どの視点からでも一貫性のある姿が顧客の目に映るのではないでしょうか。
価値観
なぜ価値観が必要なのか?
スポーツやゲームとビジネスが異なる点は、企業間の「勝ち負け」は存在しない。ということです。業界の中で、売上順位や時価総額を競う時代は過去のものです。
新たな経済世界で求められるのは、演じるのをやめて自分に忠実になることです。
そうすることで、自分の持つ価値観に対して人が集まってくるのです。
価値観をブラッシュアップするアクション
瞑想のススメ
瞑想をして自分自身と向き合うことは、自分の中にある「邪念」を取り払うことだと、本書では語られています。
では、ここでの「邪念」とは「ビジネスにおける勝ち負けの意識」「利己主義」を意味しています。
さらに、時をさかのぼると人間が原始時代に狩猟生活をしていた時からこの「邪念」は本能的に存在していたといわれています。
その当時は、「自分さえ獲物を捕まえて腹を満たすことができればいい」という「邪念」があったからこそ、人類は生き残ることができたという歴史があります。
しかし、現代においては、瞑想を通じて「人間の本能を捨てる」という人類史上初の試みが、求められるのです。
考察
これから変わっていくであろう社会に対し、正直、僕は一種の息苦しさを感じました。
テクノロジーの力を持ってより透明度が高めていく社会は、逆の言い方をすれば監視社会だとも言えます。
すべてを正直に公開していくのは、監視コントロールされていることが前提です。
この「完全な透明」という前提を人々が信じすぎた時、危うさも出てくるのかな?と。
例えば、有名ユーチューバーやインフルエンサーなどで言うと、顧客から透明性を求めるられる故に、こんなアクションをとると思います。
これって信頼を構築すると同時に監視を強められているともいえますよね。
本来の自分を映すための「透明性」が、「監視の目」と捉え方を変えることで、「見せたい自分」を演じることになってしまい破綻してしまう発信者側のリスク。
一方、信頼を強めすぎた顧客は、フェイクのデータなども盲目的に信じるようになり、結果的に不利益を被ってしまうというリスクも想定できます。
これからは、小手先や見せかけだけではなく、本当の意味で良質な意識や価値観の求められることを忘れず生きていかなければいけませんね。