商品を買うのに接客は必要か?
Amazonを初めてとして、いまやネットで買えないものはないと言える時代です。
そして、かつては「カリスマ販売員」なども流行語になったアパレル販売員も縮小の一途をたどっています。
しかし、販売員という職業から独自のスキルや付加価値を見出して、
独立⇒起業をしている例もあります。
そこからは、どんな仕事でも本質を捉えることで、
個人で稼ぐ力を獲得することができるという学びがあります。
そして、そのトップランナーたちが実践していることは何なのか?
という疑問について、著者自身がカリスマ販売員と言われた桐山知佳氏が執筆した『売れる販売員は似合わないものを絶対に売らない』を参考にしながら、考えていきたいと思います。</p
売れる販売員は似合わないものを絶対に売らない―――すべての販売員への教科書
- 作者:桐山 知佳
- 発売日: 2017/04/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
目次
接客=コンサルティング
僕の疑問に対しての結論は、接客=販売ではなく、接客=コンサルティング、という考え方です。
単にモノを売るということ以外の付加価値提供をすることが、接客における一番の価値であると書籍では語られています。
その付加価値とは、3つ挙げられます。
①ソリューションの提供
⇒接客をすることで、お客さんにとって洋服というものが、「単に着るもの」から「体型をスマートに見せるもの」という新たな意味を持つものへ変わった。
②失敗の確立を下げる
⇒販売員の第3者からの目線が入ることで、相手からどう見えるかという感想がわかる。
「自分では似合うと思って買った洋服が、周囲からの評判がイマイチで結局お蔵入り。」といった失敗の可能性を下げる。
③時間の削減
⇒ネットで同じような商品が大量に出品されている中から時間をかけて探すよりも、希望価格やニーズを伝えてセレクトしてもらうことで時間の削減になる。
売れる販売員が意識している3つのポイント
上記のコンサルティング的な要素を踏まえつつ、売れる販売員が持つ能力と具体的に行っているアクションについて掘り下げていきます。
商品知識
⇒1つの商品に対して、3つの良いところを押さえている。
ポイントとしては、商品説明や機能的な定量知識ではなく、五感で感じた自分なりの感覚を言語化できるという点です。
例えば…
・手に取った感触は、「〇〇のように柔らかい」
・着た感触は、「〇〇のように気持ちいい」
・使った感想は、「〇〇のような場面で使いやすい」
このような説明ができると、
・「この人は、本当に良いと思ってる」
・「本気でおすすめしてくれている」
という相手への信頼感にもつながります。
外見観察能力
⇒1人のお客さんに対して、5つの外見的特徴を押さえている。
ポイントとしては、外見的特徴から会話の切り出し方、そしてそのタイミングを検討しているのです。
5つのポイントとは…
- しぐさ
- 視線
- 表情
- 話し方
- 歩き方
これらの情報から、
「大きなバッグを持っている」
⇒「普段から持ち物が多いのだろうか?」
「休日なのにスーツを着ている」
⇒「スーツを着ることがおおいのだろうか?」
といった会話につながる推測ができます。
会話力
⇒ソリューションの提案に繋げる為に必要な会話は3つ。
会話から以下の3つの情報を引き出すことで、お客さんのニーズを汲み取ることができます。
・今、何を持っているか?
(手持ちのものと合わせる提案をしたり、持っていないものを提案するため。)
・どんな失敗をしたことがあるか?
(似合わないと思いこんでいるものの悩みを解消は、最も顧客満足につながる。)
(似合わないと思っているものの中にも意外と似合うものが多い。)
・どんなライフスタイルか?
(提案したものがどんなシーンで使えるか説明できる。)
考察
どうやって相手のニーズを汲み取り、自分の提案を信頼してもらえるかという技術は、多くの仕事に応用できる汎用性の高いものだと感じました。
・相手のニーズの引き出し方の方程式
「外見」×「行動」×「コミュケーション」=ソリューション
・自分のフィルターを通した五感の言語情報は、信頼性が高い。
これらが、個人で稼ぐ時代のキーワードにもなりそうです。