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【企業分析】クラシルから学ぶ急成長アプリビジネスの着眼点。【料理レシピ動画】

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【企業分析】クラシルから学ぶ急成長アプリビジネスの着眼点。 【料理レシピ動画】

皆さん、料理は作りますか?

 

僕はコロナウイルスによる外出自粛期間中に、

本格的に自炊をするようになりました。

 

その時に、レシピとして参考にしていたのが動画です。


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これまで料理をほとんどしてこなかった自分にとって、

テキストベースのレシピは、調理のイメージがしづらく、

 

  • 食材の切り方ってこれで大丈夫なのか?
  • 調味料を入れるタイミングってこれで大丈夫なのか?

 

など様々な疑問がありました。

 

それが動画であれば、すべての行程が可視化されているため、

「安全運転」で料理をすることができました。

 

その時は、あまり意識していなかったのですが、

実は僕が料理の参考にしていた動画は、

すべて「クラシル」というメディアが発信しているものだと後から知りました。

 

クラシルとは?

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料理に関するWEBメディアといえば、

すぐに思いつくのが「クックパッド」です。

 

「クラシル」は2016年からスタートしている後発の企業ですが、

料理レシピの動画本数では現在世界1位の本数とのことです。

 

CEOの堀江氏は、このように語っています。

 

「多くの企業が料理レシピ分野に参入していますが、戦略を間違えています。クックパッドは、20年かけて集めた270万品を超えるレシピ情報を持っており、そこで勝負しても、一生追いつけません。しかし、動画ならば、自分たちが先行できます」

 

そして、40億円規模の資金調達を行い、

「動画」というアプローチに特化した勝負で成功した企業と言えます。

 

クラシルの経営フレームワーク分析

  1. 「ターゲット」⇒顧客
  2. 「バリュー」⇒提供価値
  3. 「ケイパビリティ」⇒リソース・オペレーション
  4. 「収益モデル」⇒プロフィット

 

この4つの切り口から分析を行っていきます。

 

ターゲット

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メインターゲットとしては、料理好きな女性が挙げられます。

特にスマホ動画は、「働きながら」「子育てをしながら」という多忙な中で、

好きだけど料理準備に時間をかけられない世代に親和性が高いと感じます。

 

またサブターゲットとして、

僕のような料理初心者や一人暮らしの学生など、

「料理を全く知らない人」にとっても親和性の高いコンテンツだと思います。

 

バリュー

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動画というメディアを通じて手軽に「健康的な食生活」を、

顧客に提供している点が、クラシルのバリューと考えます。

 

クラシル執行役員の柴田氏もこのように語ります。

「男女ともに働いて、より自由なライフスタイルになる中で、奥さんや子どもがいる人が“健康的でバランスが良くて、ちゃんと美味しくて”っていう料理を作るのが今の時代にあるべき姿だと考えています。」

 

つまり、現代のライフスタイルにマッチした「食」の情報提供とも言えます。

 

ケイパビリティ

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クラシルの発信の仕方が、

分散型ではなくアプリ主軸であることに大きな意味があります。

 

料理レシピ動画は、クラシル以外にも膨大な数の動画が世の中に存在します。

しかし、その多くはSNSなどの主軸とした分散型です。

 

分散型のメリットとしては、

一度に多くのユーザーにリーチできるという点です。

そこで、ファンの獲得や、メディア認知を拡大することができます。

 

しかし、デメリットもあります。

それは、SNS上でバズを狙ってインパクトを出す為に、

実生活とかけ離れた「トンデモレシピ」の提案が多くなりがちだったり、

プラットフォームのアルゴリズムに縛られてしまう点です。

 

そして、最もリスクとして高いのが、レシピや動画自体にファンがついても、

発信メディア自体にファンが定着しづらいという点です。

 

そのような分散型メディアの特徴を逆手に取ったのが、

クラシルのアプリに主軸を置くという戦略です。

 

その中でも、3つの大きな戦略の柱があります。

 

1.プロが作る

クックパッドなどの個人がレシピ作成した内容を投稿する形ではなく、

動画の中では、プロの料理人が専用スタジオで調理を行っています。

そうすることで、レシピに対する信頼性や権威性が生み出しています。

 

2.基本レシピ 

クラシルで紹介されているレシピは、奇をてらったものは少なく、

誰でも自宅で手軽にできるレシピが中心です。

それは、ネット上に数百万と存在する料理レシピもアクセス数を調べると、

そのほとんどが5%以下のベーシックな料理に集中しているというデータにも基づいています。

 

3.一日50本の新規動画

SNSなどでは、1日にアップロードできる動画本数が多すぎると、

ユーザーに届きにくくなるようなアルゴリズムになっています。

 

しかし、自前のアプリであれば、そのような制限はなく、

一日に約50本もの動画をアップロードしています。

 

これをCEOの堀江氏は、

「クラシルは広辞苑を作っていたが、他者は週刊誌を作っていた。」

と表現しています。

 

収益モデル

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クラシルの収益源はおもに二つです。

 

1.ユーザー課金

一般ユーザーでも、ほとんどの動画を視聴することは可能ですが、

課金ユーザーのプレミアム特典として、以下のようなサービスを月額480円で提供しています。

 

・お気に入り登録件数 30件→10,000件

・時短・節約レシピ絞り込み検索(アプリのみ)

・人気順検索(アプリのみ)

・プレミアムレシピの閲覧

・人気レシピランキング

・栄養素の表示

・広告ブロック

・レシピの質問機能での優先返信

引用:https://www.dely.jp/

 

 

 2.企業タイアップ

動画レシピの中で、タイアップ企業の商品を紹介することで、

収益を得ています。

 

これは、「動画視聴者の90%が調理をするために食材を購入している」

というデータにも基づいています。

 

また、ユーザーに対して宣伝色が強くなりすぎないような、

表現上の配慮をしている点も高い満足度につながっているポイントかもしれません。

 

 

まとめ

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「動画」と「料理」という一見レッドオーシャンにも思われる市場の中で、

「アプリ」というケイパビリティによって、その二つのコンテンツを掛け合わせることで、現代人がライフスタイルに求めるバリューを満たしている点が、急成長のポイントだと考えます。 

参照

クラシル:https://www.dely.jp/

事業構想:https://www.projectdesign.jp/

日経ビジネスhttps://business.nikkei.com/

FNN:https://www.fnn.jp/articles/-/12844