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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

ウワサ話大好きおばちゃん部下が引き起こした大事故によって考えさせられたリスクマネジメント。

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おばちゃんという生き物

 

マネージャーの仕事をしている上で、

最も気を配らなければいけないと思っているのは、

「おばちゃん」という生き物の存在です。

 

キャリアこそ自分より下ですが、

アルバイトでも長い社歴を持っている人も多いです。

 

アルバイトのおばちゃんだからと思って甘くみて、

無下な扱いをしてたら、実は経営クラスのお偉いさんと通じていて、

とんでもない左遷を食らうことになったという先輩もいます。

  

「おばちゃん」の攻略法という訳ではありませんが、

しっかりと本人の立場を立て感謝を伝えつつ、

指導すべきところはきちんとする。

というスタンスさえ崩さなければ、問題はないと思っています。

 

ウワサ話が独り歩きする危険性

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自分自身の防御策として、

もっとも気をつけないといけないのが「ウワサ話」です。

彼女たちは、それを労働のエネルギーにしているかのごとく、

あらゆるところから真偽不明の情報をどんどん収集してきます。

 

つい口を滑らせたり、些細な言動の片鱗を、

彼女たちに見聞きされてしまったら、

SNSも顔負けの拡散力であっという間に広がっていくのです。

 

やたらとボディタッチが多く、

慣れ慣れしい口をきいてきても、

脇を締めて対応することが大切だと思っています。

 

コンプライアンス担当からの連絡

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そんなウワサ話の危険性を最も感じた出来事がありました。

 

それは、ある日突然のコンプライアンス担当からの一本の電話でした。

 

内容は、僕の所属でパワハラが発生しているという内容でした。

寝耳に水でした。

 

それも、パワハラは僕の部下であるTさんからNさんに対してのもの

だというのです。

 

Tさんという女性は5年目の中堅社員で、

Nさんも同じ担当で働く2年目の女性社員です。

 

年の近い二人は先輩後輩で、

人間関係も悪くないはずでした。

 

昨今、このようなコンプライス案件は会社の中でもかなり厳しくなっており、

事実であれば大きな問題です。

そして、その担当マネージャーである自分にも、責任の所在が求められることになります。

 

事実確認

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結論からお伝えすると、パワハラという事実はありませんでした。

 

しかし、経緯としてはこのようなものでした。

 

二人ともまじめな性格のTさんとNさんですが、

ある日、たまたまNさんが仕事で大きなミスをしてしまった。

 

その原因は不注意によるもので、

Tさんは珍しくかなり強めに指導をしてしまったようです。

 

そしておばちゃんのAさんが、その場をたまたま目撃していました。

 

Aさんは、Nさんと新入社員時代から良く可愛がっており、

一方、Tさんとは接点がなく良い印象がなかったようです。

 

そのような偏見で、Aさんは

 

「TさんがNさんを理不尽にいじめている」

 

という勝手な解釈をもち、

おばちゃん仲間にTさんの悪いウワサを拡散させたのです。

 

ウワサが広まる頃、

Nさんは、身内に不幸がありしばらく仕事を休んでいました。

 

タイミングが悪くNさんが不在中であることで、

ウワサは加速度的にエスカレートし、

こんな情報が蔓延していたようです。

 

・Nさんは、Tさんによるパワハラで会社に出社できなくなっている。

・Tさんは、表向きはおとなしくしているが、裏では後輩にひどいことをしている。

 

当然このようなことは、Tさんの耳にも入ってきます。

 

Tさんは、Nさんが休んでいる本当の理由も知っていますし、

自分が少し強く当たってしまったくらいでは、

へこたれないのも知っています。

 

しかし、あること、ないこと、様々な情報が入ってくることで、

正常な判断ができなくなってしまったのかもしれません。

 

また、周囲のメンバーも少しTさんと距離を置くようになってしまい、

彼女は数日間、誰とも会話しないで業務をしていたようです。

 

Nさんが仕事に戻ってくる前に、

精神的に追い詰められたTさんの限界が先に来てしまいました。

 

しかし、Tさんはもう同じ担当部署には戻りたくない。

戻されるなら会社を辞める。というところまで行ってしまいました。

 

その後、TさんとNさんは和解しましたが、

結果的にしばらく休職をした後、

別の部署に異動するという彼女の希望を受けざる得ませんでした。

 

どうすればこの問題を回避することができたか。

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今回のようなウワサ話に始めった些細な出来事から、

大切な部下であるTさんを失ってしまった僕は、

二度とこのようなことは起こしてはいけないと感じました。

 

その為に、3つのことを意識するようになりました。

 

話を聞く姿勢

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そもそも今回の問題も始まりは、勘違いとウワサ話の拡大によるものでした。

であれば、ウワサが間違った形で広がる前に、事前にその情報をキャッチして対処しておくということが大切ではないかと思いました。

 

その為には、自分のところにもそのウワサが入ってくる状態をつくる必要があります。

「触らぬ神に祟りなし」ではないですが、これまで僕はそのようなウワサ話が大好きなおばちゃんコミュニティとは距離をとっていました。

 

しかし、自ら興味を示して、あえてそこに飛び込んでいく姿勢も大事であると思うようになりました。

 

基本的に、マネージャーのような立場の人がいる前では、

そういう話は、ウワサ大好きおばちゃんでもしたがりません。

 

「郷に入っては郷に従え」ではないですが、

ましてやすぐに「そんな噂は間違っている!」とか「そんなのくだらない話だ!」などと、上司風を吹かせてしまえば、完全にシャットアウトされてしまいます。

 

あえて、「へぇ~、そんな話があるんですね。」「それ、面白いですね。」

と聞く姿勢を大事にしています。

 

察知能力を高める

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ウワサ話で収集した情報の真偽を確かめることでも、

察知能力は相当上がると思いました。

 

Tさんが孤立してしまっていた状況も、

この察知能力を働かせていれば未然に防ぐことができたと思っています。

 

マネージャーの仕事もある以上、

探偵のようにすべてのウワサに事細かく、真偽を追求する必要性はないと思ってます。

 

しかし、自分のアンテナに少しひっかかるネガティブな情報については、

すぐに自分の目で確かめるということを意識するようになりました。

 

情報開示

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悪いウワサ話を根本からなくすにはどうすればよいか。

という話ですが、恐らくかん口令を発したところで、ゼロにするのは無理でしょう。

 

しかし、なぜ人はウワサ話が好きなのかという点で考えると、

1つは「情報に飢えているから」ではないかと思います。

 

そこで、少しでもその枯渇を減らす方法はないか、

と考えたのが、僕自ら情報開示をしていくということです。

 

・僕自身の過去の失敗談や恋愛遍歴など

くだらないものの方がウケはいい気がします。

自分がいじられる分には、一向にかまわないと思っています。

 

・現場レベルにはあまり入ってこない社内情報など

これについては、情報の取り扱いや伝え方は非常にデリケートですが、

今後店舗にこんな改装予定がある、人事制度がこんな改善がされる。

といった全員が関係してくるポジティブな情報はどんどん伝えるようにしています。

 

・メンバーの良いところ

ウワサ話は、なぜかネガティブな情報ばかりが行きかいます。

なので、それを打ち消す目的もあり、メンバーの良いところは

少し大げさなくらいの誉め言葉を使って表現するようにしています。