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30代ビジネスマンの備忘録。 マネジメントやマーケティングに関するビジネススキルや、サウナ、ウィスキー、時計などの趣味について。

真面目すぎて無意識に上司の時間を奪う部下について。

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真面目すぎるCさん の欠点。

仕事をする上で、

真面目であることは好ましいことです。

 

僕の部下であるCさんという女性も、

とても真面目で、職場の中でもすごく頼りになります。

 

しかし、彼女には真面目であるが故に、

大きな欠点があります。

 

それは、1つの仕事に時間をかけすぎることです。

特に彼女は、「ホウレンソウ」にかなりの時間を使います。

 

「ホウレンソウ」と言えば、

「報告」「連絡」「相談」の略で、

新入社員時代に誰もが教わったことだと思います。

 

彼女は既に30代のベテランですが、

一貫して新人でもわかるような「そんなことわかってるよ!」という基本的なことまで、しっかり「ホウレンソウ」することを徹底しているのです。

 

そして、それは時として上司である「僕の時間を奪う」のと同時に、

「空気の読めない発言」にもなりかねません。

 

上司である僕の時間を奪うCさん

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例えば、こんなこともありました。

 

緊急のクレーム対応が入っていて、

それに対して情報を集めなくてはいけない。

 

しかし、そのタイミングでCさんが僕のところにやってきて、

 

「明日の開店準備の件なのですが…」

 

と翌日のルーティーンワークの確認をしてきたりします。

 

「うん、あとで聞くからちょっと待ってて!」

 

すると、彼女は僕のデスクの脇に直立不動で立って、

僕の作業を見守り始めました。

 

 

さすがの僕も内心「喧嘩売っているのか?」と思いましたが、

「いや違う、彼女も何か自分の仕事を、責任をもって最後までやりとげようと必死なんだ。」と無理やり解釈しました。

 

折れたのは、僕です。

 

「わかったよCさん。今話を聞こうか?」

 

「ありがとうございます。明日の開店準備の件なのですが、

本当はBさんが担当だったのですが、お子さんの体調が悪いみたいで、

私が代わりにやることになりましたので。報告です。」

 

 

「あっ、そう。よろしくね。それだけ?」

 

「それだけです。」

 

「そうか。でも、そういうことは君たちの間で、

決めてもらっていいし、問題さえなければ報告もいらないよ。

あと、この件って少なくとも、業務を代わってもらう側のBさんが、

伝えにくることじゃない?」

 

 

「以前の上司はそういうことにすごく厳しかったので…

あと、Bさんに代わってあげようか?って持ち掛けたのは私なので。」

 

 

「わかった。そういうことなら、OK!じゃ、明日はよろしくね。」

 

やれやれ…

また、今日もまた彼女に余計な時間を取られてしまった…

 

そんな感じです。

 

なぜ、彼女は「ホウレンソウ」を徹底するのか?

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他の部下との話の中でも、

Cさんの「ホウレンソウ」の徹底ぶりは話題に出ます。

 

これは、他のメンバーから聞いた話なので、

僕の憶測にすぎませんが、

 

もともと新人時代のCさんは、

とても大雑把な性格だったそうです。

 

しかし、僕の二期前のマネージャーは仕事に対して細かい繊細な人だったようです。

 

その過去のマネージャーにCさんは、

仕事のやり方に対して日々、叱責を受けていたと聞きます。

 

彼女としては、それがトラウマになり、

「ホウレンソウ」を怠ることで、また叱責を受けるのではないか?

という「恐怖心」に突き動かされて、そのような行動をとっているのではないか?

 

と感じています。

 

Cさんの「恐怖心」を取り除くにはどうすればよいか?

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Cさんが抱える本質的な問題とは、

現在の仕事が上司から怒られない為の仕事になってしまっているということです。

 

そして目指すべき姿は、

自分で自立して主体的に仕事を進めるようになることだと思います。

 

その為の方法とは、彼女の「自立心」を高めるということが、

大切だと感じました。

 

僕が仕事の中で彼女にトライしたことは2つです。

「権限委譲」

Cさんに仕事をお願いする上で、

「ここまではすべてあなたが決めてください。」

という線を引くようにしました。

 

あくまで、彼女の職務レベルに合わせてですが、

決定権限を与えることで、「自分の仕事」という認識を持ってもらいたかったのです。

 

また、仕事を与える際は、

僕にとっては面倒でも、彼女が不安に思う点や、不明瞭な点については、

事前に時間を取ってアドバイスをする時間を設けました。

 

そうすることで、あとから様々な確認作業が発生してしまうことを防ぐと同時に、

僕自身が自分の時間を確保するためです。

 

「失敗を褒める」

もう一つ約束したことがあります。

 

それは、彼女が自分で決めたことは、

失敗しても絶対に怒らないということです。

 

むしろ、その挑戦や決定をしたことに対しては評価したい。

ということを伝えました。

 

彼女は、これまで徹底的に時間をかけるようになってから、

「失敗」の経験をほとんどしてきませんでした。

 

その代償として、少しでもリスクのある仕事は避けるような傾向がありました。

つまり、彼女のスキルの向上を妨げてしまっていたのです。

 

今後の事を見据えると、挑戦を後押しすることは、

絶対に必要なことだと感じたのです。

 

Cさんのその後

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Cさんの僕に対する「ホウレンソウ」の時間は大幅に減ったように思います。

しかし、今度はCさんから周囲に対する仕事の共有の時間がかなり増えているようです。

 

やはり、彼女としては自分一人で決めることの恐怖心がまだ残っているのかもしれません。

 

なかなか、すぐにはうまくはいきません。

 

しかし、そこは「挑戦や失敗を褒める」ということを、

僕自身も継続的に意識していくことで改善を図るしかないなと、

長期的な目線で見ています。